制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「自動制御」,コロナ社,阪部俊也・飯田賢一共著(制御工学Ⅱ,Ⅲでも使用)
担当教員 飯田 賢一

到達目標

1.自動制御の基本的用語を説明でき,フィードバック制御の考え方を説明できる.
2.ラプラス変換を用いて,伝達関数を求めることができる.
3.ブロック線図を描くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1制御工学の用語を用いて,様々なシステムのフィードバック制御を説明できる.制御工学の用語を用いて,フィードバック制御の考え方を説明できる.制御工学の用語を用いて,フィードバック制御の考え方を説明できない.
評価項目2各種システムの入出力特性の微分方程式で表現し,伝達関数を求められる.機械系の基本的なシステムの入出力特性を式で表し,伝達関数で表現できる.システムの入出力の関係を式および伝達関数で表現できない.
評価項目3各種システムをブロック線図を用いて表現でき,その意味を説明できる.基本的なシステムについて,ブロック線図を用いて説明できる.基本的なシステムについて,ブロック線図を用いて説明できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御工学は現在の科学技術において,不可欠な学問であり,5年での制御工学Ⅲも含めて,制御システムとしての考え方を修得することを目標とする.4年では,自動制御の基礎である,フィードバック制御を理解し,要素の特性を表す伝達関数や時間応答,周波数応答を求めることを理解する.具体的には,制御で用いられる基礎概念の理解,数式化として時間関数をラプラス変換することで演算子領域sの関数として,種々の要素を伝達関数として表す能力を身につける.さらに,これを用いることで,制御理論が上手く整理され,フィードバック制御も容易に整理できる能力を身につける.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.講義中に演習を行うため,電卓やグラフ用紙を忘れないこと.講義中の演習が,時間不足で未完成の場合は宿題とし,必ず次回の講義までに終えておくこと.理解を深めるために,レポートを課すので,提出期限に遅れないように提出すること.
注意点:
関連科目:数学,物理,計測工学,電気回路などと関連が深い.
学習指針:数学的な要素が中心であるが,各自の身の回りにあるものにも着目し,学習することが重要である.
事前学習:あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み,理解できるところ,理解できないところを明らかにしておく.
事後展開学習:与えられた演習課題や宿題を,次の授業までに解いておく.

学修単位の履修上の注意

自己学習:到達目標を達成するために,授業時間以外にも自学・自習を怠らないこと.宿題,課題レポート,予習復習状況を自己学習の成果とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自動制御とは 制御に関する全般的な話を理解し,説明できる.
2週 フィードバック制御 制御の基本的なフィードバックの考え方を説明できる.
3週 システムのモデル化 実システムを例に,制御システムの表現できる.
4週 ラプラス変換(1) ラプラス変換の定義と時間関数との関係を説明できる.
5週 ラプラス変換(2) ラプラス変換の演習を通じて,計算することができる.
6週 ラプラス変換(3) ラプラス逆変換の定義と時間関数との関係を説明できる.
7週 ラプラス変換(4) ラプラス逆変換の演習を通じて,計算することができる.
8週 伝達関数(1) 伝達関数の定義を説明できる.
2ndQ
9週 伝達関数(2) 制御の基本要素(比例・積分・微分)を説明できる.
10週 伝達関数(3) 制御の基本要素(一次遅れ・むだ時間・二次遅れ)を説明できる.
11週 伝達関数(4) 基本要素の組み合わせによる伝達関数を求めることができる.
12週 ブロック線図(1) ブロック線図によるシステムの記述法を説明できる.
13週 ブロック線図(2) ブロック線図の性質を理解し,信号の流れを説明できる.
14週 ブロック線図(3) ブロック線図の等価変換を行うことができる.
15週 期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく回答できる.
16週 試験返却・解答解説 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4前2
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前4,前5
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前6,前7
伝達関数を説明できる。4前8,前9,前10,前11
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前12,前13,前14

評価割合

試験自己学習成果合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000