システム設計製作

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 システム設計製作
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 特になし。必要に応じてプリント等の資料を配付もしくはサーバにアップする。
担当教員 玉木 隆幸,中村 篤人,橋爪 進

到達目標

1.グループ作業における自己の役割を果たすことができる。
2.役割分担したメンバーの進捗状況を相互確認できる。
3.協同してアイディアに富み,課題を解決できるロボットを製作できる。
4.自身の取り組み,グループとしての取り組みを文書(報告書)にまとめ,全員の前で発表できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1グループ作業における自己の役割を十分に果たすことができる。グループ作業における自己の役割を,他のメンバーの指摘を受けつつも果たすことができる。グループ作業における自己の役割を十分理解できず,責任を果たせなかった。
評価項目2役割分担したメンバーの進捗状況を相互確認できる。役割分担したメンバーの進捗状況を断片的に相互確認できる。役割分担したメンバーの進捗状況を確認しようとしなかった。
評価項目3協同してアイディアに富み,課題を解決できるロボットを製作できる。他のメンバーらが出したアイディアに従い,課題を解決できるロボットを製作できる。他のメンバーらの指示に従っただけだった。
評価項目4自身の取り組み,グループとしての取り組みを文書(報告書)にまとめ,全員の前で発表できる。自身の取り組みのみ文書(報告書)にまとめ,全員の前で発表できる。自身の取り組みすら文書(報告書)にまとめることができなかった。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2c) 説明 閉じる
JABEE基準 (e) 説明 閉じる
JABEE基準 (h) 説明 閉じる
JABEE基準 (i) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電子制御工学科における総合科目として位置付け,小型自律型ロボットの開発,設計,製作をグループで取り組み,協調性,創造性,問題解決能力並びに成果発表能力を身につける。課題はライントレースを基本とする「瓦礫撤去ロボット」である。
授業の進め方・方法:
 グループによる実践学修である。自律型小型ロボットの製作に必要なプログラムの基礎やPIC回路の学習,並びにスケジュール管理,リスク管理を学習後,ロボットの機構,動作のアイディアを練り,設計,製作組み立てを行い,試運転での問題点を解決し,学科の学生,保護者,企業関係者等に対して公開する学科内ロボットコンテストを行う。
注意点:
関連科目
 基礎製図法,機械工学実習,プログラミング,電子回路をはじめとして,専門教科のすべてが関係する。
学習指針
 授業を受けていない内容も必要になる場合があるが,チャレンジ精神を大いに発揮して,各種の問題を解決するための手法を学び,グループの結束力を高めることが重要である。
自己学習
 グループ学習でもあり,授業時間内に終わるとは限らないので,授業以外にも学習を怠らず,グループメンバーとの情報を共有し,協力し合うことが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自律型ロボットの概要 本講義の意義ならびに目的について説明できる。
2週 CAD実習(1) CAD( Solid Works )の基本操作ができる。
3週 CAD実習(2) CAD( Solid Works )で部品図,3次元立体画像を作成できる。
4週 ベースロボットの学習 ベースになるロボットについて説明することができる。
5週 コンテスト課題の検討 今年度のコンテストの課題を説明することができる。
6週 スケジュール管理とトラブル未然防止の学習 スケジュール管理表(ガントチャート)の書き方とトラブル未然防止手法(FTAとFMEA)を説明することができる。
7週 トラブル未然防止の学習 トラブル未然防止手法(FTAとFMEA)を説明することができる(各班によるプレゼンテーション)。
8週 ロボット製作作業 決定した課題を解決するロボットの基本設計作業を分担して進めることができる。
2ndQ
9週 ロボット製作作業 決定した課題を解決するロボットの基本設計作業を分担して進めることができる。
10週 ロボット製作作業 決定した課題を解決するロボットの基本設計作業を分担して進めることができる。
11週 ロボット製作作業 決定した課題を解決するロボットの提案(プレゼンテーション)ができる。
12週 ロボット製作作業 ロボットの概略図,仕様書を作成,必要物品を発注することができる。
13週 ロボット製作作業 制御プログラム作成,製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して行うことができる。
14週 ロボット製作作業 制御プログラム作成,製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して行うことができる。
15週 ロボット製作作業 制御プログラム作成,製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して行うことができる。
16週 ベースロボットによる
中間コンテスト
ベースロボットのみでの中間コンテスト(制御プログラムの動作確認等)に臨むことができる。
後期
3rdQ
1週 ロボット製作作業 中間コンテストを踏まえ,制御プログラムの改良,追加製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して進めることができる。
2週 ロボット製作作業 中間コンテストを踏まえ,制御プログラムの改良,追加製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して進めることができる。
3週 ロボット製作作業 中間コンテストを踏まえ,制御プログラムの改良,追加製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して進めることができる。
4週 ロボット製作作業 中間コンテストを踏まえ,制御プログラムの改良,追加製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して進めることができる。
5週 ロボット製作作業 中間コンテストを踏まえ,制御プログラムの改良,追加製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して進めることができる。
6週 ロボット製作作業 中間コンテストを踏まえ,制御プログラムの改良,追加製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して進めることができる。
7週 ロボット製作作業 中間コンテストを踏まえ,制御プログラムの改良,追加製作部品の部品図の作成,部品加工,必要物品の発注等を分担して進めることができる。
8週 進捗状況の報告 これまでの進捗状況の報告(プレゼンテーション)ができる。
4thQ
9週 中間コンテスト 決定した課題についてのコンテスト,ルールの再考することができる。
10週 ロボット製作作業 最終公開コンテストに向けた制御プログラム作成,製作部品の部品図の作成,部品加工を分担して進めることができる。
11週 ロボット製作作業 最終公開コンテストに向けた制御プログラム作成,製作部品の部品図の作成,部品加工を分担して進めることができる。
12週 ロボット製作作業 最終公開コンテストに向けた制御プログラム作成,製作部品の部品図の作成,部品加工を分担して進めることができる。
13週 ロボット製作作業 制御プログラム作成,ロボットの最終調整ができる。
14週 最終コンテスト 学生,保護者,企業への公開コンテストに臨むことができる。
15週 学習成果報告会 各班,各自の取り組みの最終報告(プレゼンテーション)ができる。
16週 ロボットの整理 各自・各班の成果報告書の作成とロボットの解体整理ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。4前2,前3
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。4前2,前3
部品のスケッチ図を書くことができる。4前2,前3
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4前2,前3
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。4前2,前3
情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3前4
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3前4
変数の概念を説明できる。3前4
データ型の概念を説明できる。3前4
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。3前4
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。3前4
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3前4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3前4
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。3前4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4前1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4前1
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4前1
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前9
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前9
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4前9
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3後8,後15
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前6
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前6
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前8
合意形成のために会話を成立させることができる。3前8
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前8
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前8
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前8
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前8
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前8
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前8
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前8,後15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前8
複数の情報を整理・構造化できる。3前8
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前6
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前6
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前6
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前8
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前8
目標の実現に向けて計画ができる。3前8
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前8
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前8
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前8
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前8
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前8
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前8
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前8
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前8
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前8
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前8
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前8
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前8
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前8
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前5
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3後14
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前8
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前8
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前8
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前8
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前8
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合060200020100
基礎的能力02010001040
専門的能力0201000535
分野横断的能力020000525