到達目標
1.電磁気学の集大成ともいえるマクスウェル方程式を理解できる.またビオ・サバールの法則を用いて,電流がつくる磁界を求めることができる.
2.ベクトルポテンシャル,ローレンツ力を理解できる.磁性体が磁化率によって分類できることを理解して境界条件を求めることができる.また,磁気現象を電気回路に置き換えた磁気回路を理解できる.
3.電磁誘導現象を理解できる.また,自己インダクタンス,相互インダクタンスを計算することができる.
4.変位電流,電磁波の方程式を理解できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 誘電体を含む系の電界・電束密度を求めることができる. | 誘電体を含む系の電界・電束密度の基本的例題を理解できる. | 誘電体を含む系の電界・電束密度を正しく求めることができない. |
評価項目2 | マクスウェル方程式を理解し,電磁気現象の応用問題を解くことができる. | マクスウェル方程式の形式を理解し,電磁気現象の基礎問題を解くことができる. | マクスウェル方程式を正しく理解できない. |
評価項目3 | ビオ・サバールの法則を理解し,電流が作る磁界に関する応用問題が解ける. | ビオ・サバールの法則を理解し,電流が作る磁界に関する基礎問題を解くことができる. | ビオ・サバールの法則を正しく理解できない. |
評価項目4 | 磁性体が磁化率によって分類されることを示し,強磁性体の磁化現象を説明できる. | 強磁性体の磁化現象を説明できる. | 磁性体と磁化率との関係を正しく理解できない. |
評価項目5 | 電磁界における電磁誘導現象を理解でき,インダクタンスの計算を行うことができる. | インダクタンスの基本的な計算を行うことができる. | インダクタンスの計算を正しく行うことができない. |
評価項目6 | マクスウェル方程式を用いて電磁波の波動方程式を求めることができる. | 電磁波の波動方程式を理解できる. | 電磁波を正しく理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
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JABEE基準 (c)
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JABEE基準 (d-2a)
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システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-1
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システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1
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教育方法等
概要:
3年次に取り上げられなかった電磁気現象について述べ,これらに関連する事項についての演習を行う.さらに電磁気学の理論的集大成といえるマクスウェル方程式から波動方程式を導出する.
授業の進め方・方法:
座学による演習が中心であるが必要に応じて講義を行う.項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.積極的な授業参加や成績不振者の学力補充レポートの提出があった場合は加点評価とし,課題レポートの未提出・提出遅れ,演習中の他の学生への迷惑行為(私語など)が認められた場合は減点評価とする.
注意点:
関連科目:電磁気学,応用物理Ⅰ・Ⅱ.
学習指針:目に見えない電磁気現象は数学的取り扱いが中心となるため,各自の経験や身近な体験を通じて説明できるまで理解することが重要である.
自己学習:到達目標を達成するためには,授業以外にも教科書の例題や演習問題を解き理解を深める必要がある.関連する図書も参考にして自学・自習をすること.
事前学習:受講前に教科書の授業範囲を事前に読んでおくこと.
事後展開学習:授業に関連する教科書の章末問題を課題として設定するので,自分で解き,次の授業時に提出する.
学修単位の履修上の注意
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
誘電体における誘電分極,電束密度の定義 |
誘電体における誘電分極と誘電率の考え方を理解できる.電束密度と電界との関係を明確にできる.
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2週 |
誘電体内に蓄積される静電エネルギー |
誘電体内の導体を帯電状態にしたときの静電的エネルギーを理解できる.
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3週 |
誘電体境界面での電界と電束密度のふるまい |
誘電体境界面における電界と電束密度の関係を説明し,境界面での電気力線の屈曲について理解できる.
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4週 |
磁界,磁束密度,電流密度の定義 |
マクスウェル方程式を書き下すのに必要な磁界,磁束密度などの定義を理解できる.
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5週 |
マクスウェル方程式 |
マクスウェル方程式の形式を理解できる.
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6週 |
電流がつくる静磁界 |
電流の磁気作用,真空中の磁界での諸現象を理解できる.
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7週 |
ビオ・サバールの法則 |
電流による磁束密度の求め方を理解できる.
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8週 |
前期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる.
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2ndQ |
9週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる.
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10週 |
静磁界の基本法則 |
磁気におけるガウスの法則,アンペールの法則を理解できる.
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11週 |
ベクトルポテンシャル |
静磁界のベクトルポテンシャルを理解できる.
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12週 |
静磁界中の荷電粒子の運動 |
電荷を帯びた粒子が,静電界,磁束密度の空間を運動するときに受ける力(ローレンツ力)を理解できる.
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13週 |
磁性体(1) |
物質が有する磁性と磁性体中の磁界を理解できる.
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14週 |
磁性体(2) |
磁性体が磁化率によって分類されること,強磁性体の磁化現象を理解できる.
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる.
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
磁性体表面で成り立つ法則(境界条件) |
磁性体表面について,磁束密度と磁界に対する境界条件を理解できる.
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2週 |
磁気回路 |
磁気回路を用いた解法,電気回路との対応を理解できる.
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3週 |
電磁誘導現象 |
電磁界における相互誘導現象,自己誘導現象を理解できる.
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4週 |
導体運動による運動起電力 |
ローレンツ力による誘起起電力を理解できる.
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5週 |
自己インダクタンスと相互インダクタンス(1) |
自己インダクタンスと相互インダクタンスの定義と関係式とを理解できる.
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6週 |
自己インダクタンスと相互インダクタンス(2) |
自己インダクタンスと相互インダクタンスの計算法を理解できる.
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7週 |
電磁エネルギー |
定常電流や電流ループがもつ電磁エネルギーを理解できる.
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8週 |
後期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる.
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4thQ |
9週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる.
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10週 |
渦電流 |
電磁誘導現象の1つである渦電流の現象とを理解できる.
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11週 |
変位電流 |
電束密度の時間的変化により発生する変位電流を理解できる.
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12週 |
ポインティングベクトル |
ポインティングベクトルおよびポインティングの定理を理解できる.
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13週 |
電磁波の伝搬特性 |
マクスウェル方程式による波動方程式の導出が理解できる.
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14週 |
まとめ |
これまでに学習した内容全般を理解できる.
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15週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる.
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電磁気 | 誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,後11 |
静電エネルギーを説明できる。 | 3 | 前2,後12,後13,後14 |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 3 | 前4,前13,前14,後1,後2 |
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。 | 3 | 前6,前9 |
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。 | 3 | 前10,後2 |
磁界中の電流に作用する力を説明できる。 | 3 | 前6 |
ローレンツ力を説明できる。 | 3 | 前12,後4 |
磁気エネルギーを説明できる。 | 3 | 後9,後12,後13,後14 |
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。 | 3 | 後3,後4,後10 |
自己誘導と相互誘導を説明できる。 | 3 | 後5,後6 |
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。 | 3 | 後5,後6 |
評価割合
| 試験 | 演習・レポート課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |