ロボティクスⅡ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 ロボティクスⅡ
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「ロボット工学」,コロナ社,早川恭弘・櫟 弘明・矢野 順彦
担当教員 早川 恭弘

到達目標

後期中間試験:1)DH記法の基礎、2)DH記法演習、3)順運動学方程式,4)逆運動学方程式,
       5)ラグランジュの運動方程式
        各項目に関して,説明,式の導出及び計算ができる.
学年末試験: 1)ラグランジュの運動方程式、2)ロボット制御、3)直流・交流アクチュエータ,
4)ステッピングモータ,5)ニューアクチュエータ
         各項目に関して,説明及び計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ロボットの定義及び歴史を完全に理解し、サーボ機構の定義を述べることができる.また、自由度を理解し、同次変換行列の計算が完全にできる.ロボットの定義及び歴史を一部理解し、サーボ機構の定義を不完全だが述べることができる.また、自由度を一部理解し、同次変換行列の計算が一部できる.ロボットの定義及び歴史を理解しておらず、サーボ機構の定義を述べることができない.また、自由度を理解していない.さらに、同次変換行列の計算ができない.
評価項目2座標変換として,回転・並進変換を完全に理解し、変換行列の計算が全て解ける.また,運動学を完全に理解し,DH記法の解き方を完全に把握している.さらに,リンクパラメータ表の作成が完全にできる.座標変換として,回転・並進変換を一部理解し、変換行列の計算が一部解ける.また,運動学を理解し,DH記法の解き方を把握している.さらに,リンクパラメータ表の作成が一部できる.座標変換として,回転・並進変換を理解していない.また、変換行列の計算ができない.さらに,運動学を理解しておらず,DH記法の解き方も把握していない.また,リンクパラメータ表の作成ができない.
評価項目3順運動学方程式及び,逆運動学方程式を完全に理解し,導出することができる.また,ラグランジュの運動方程式の簡略方式を完全に解ける.順運動学方程式及び,逆運動学方程式を一部理解し,導出することが一部できない.また,ラグランジュの運動方程式の簡略方式を不完全だが解ける.順運動学方程式及び,逆運動学方程式を理解しておらず,導出することができない.また,ラグランジュの運動方程式の簡略方式が解けない.
評価項目4ラグランジュの運動方程式の厳密解が完全に解ける.また,ロボット制御について完全に説明できる.ラグランジュの運動方程式の厳密解が一部解ける.また,ロボット制御について一部説明できる.ラグランジュの運動方程式の厳密解が解けない.また,ロボット制御について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
基礎知識として,物理,数学,制御について復習し,ロボットの機構解析に必要不可欠な座標変換,運動方程式について学ぶ.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
 関連科目
 応用数学,応用物理,制御工学などを十分に復習しておくこと.
  学習指針
    ロボットの機構,制御方法及びロボットの運動を解析するために必要なDH記法について
 理解することを目的とする.
  自己学習
    目標を達成するためには,授業以外にも練習問題を解き,予習復習を怠らないこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 リンクパラメータの演習 各種ロボットに対するリンクパラメータ作成と演習問題が解ける.
2週 DH記法の復習 リンクパラメータ作成方法,DH記法についての理解し,問題が解ける.
3週 DH記法による順運動・逆運動学の導出の基礎 DH記法による運動学方程式導出方法を理解し,問題が解ける.
4週 DH記法による順運動・逆運動学導出の演習 DH記法による運動学方程式導出方法を理解し,問題が解ける.
5週 DH記法による順運動・逆運動学導出の演習 各種ロボットに関して,DH記法による運動学方程式が導出できる.
6週 ロボットのモデル化 モデル化の重要さを理解する.
7週 解析力学について 運動力学からラグランジュの運動方程式までを理解し,説明できる.
8週 ラグランジュ運動方程式
基礎
ラグランジュ運動方程式の意味を理解する.
4thQ
9週 ラグランジュ運動方程式
演習
ラグランジュ運動方程式の導出方法を理解し,問題が解ける.
10週 ラグランジュ運動方程式
応用
ラグランジュ運動方程式の厳密解導出方法を理解し,問題が解ける.
11週 運動方程式の導出 ラグランジュ運動方程式の厳密解導出方法と一般解導出ができる.
12週 各種制御手法の理解 ハイブリッド制御,学習制御及びトルク制御方法などを理解できる.
13週 DCサーボモータの理解 DCサーボモータの構造,駆動原理を説明できる.
14週 ACサーボモータの理解 ACサーボモータの構造,駆動原理を理解する.
15週 ニューアクチュエータ解説 圧電セラミックス,超音波モータ,形状記憶合金の構造を理解する.
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4
自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合80100100100
基礎的能力600010070
専門的能力201000030