ロボティクスⅠ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 ロボティクスⅠ
科目番号 0093 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「ロボット工学」,コロナ社,早川恭弘・櫟弘明・矢野順彦
担当教員 早川 恭弘

到達目標

前期中間試験:1)ロボットの定義及び歴史の理解、2)サーボ機構の定義、3)アクチュエータ概論、
       4)自由度の理解、5)ベクトル,行列の復習,6)同次変換行列の計算
        各項目に関して,説明及び計算ができる.
前期末試験: 1)座標変換、2)回転・並進変換、3)変換行列の計算,4)運動学
       5)DH記法とは,6)リンクパラメータ
        各項目に関して,説明及び計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ロボットの定義及び歴史を完全に理解し、サーボ機構の定義を述べることができる.また、自由度を理解し、同次変換行列の計算が完全にできる.ロボットの定義及び歴史を一部理解し、サーボ機構の定義を不完全だが述べることができる.また、自由度を一部理解し、同次変換行列の計算が一部できる.ロボットの定義及び歴史を理解しておらず、サーボ機構の定義を述べることができない.また、自由度を理解していない.さらに、同次変換行列の計算ができない.
評価項目2座標変換として,回転・並進変換を完全に理解し、変換行列の計算が全て解ける.また,運動学を完全に理解し,DH記法の解き方を完全に把握している.さらに,リンクパラメータ表の作成が完全にできる.座標変換として,回転・並進変換を一部理解し、変換行列の計算が一部解ける.また,運動学を理解し,DH記法の解き方を把握している.さらに,リンクパラメータ表の作成が一部できる.座標変換として,回転・並進変換を理解していない.また、変換行列の計算ができない.さらに,運動学を理解しておらず,DH記法の解き方も把握していない.また,リンクパラメータ表の作成ができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
基礎知識として,物理,数学,制御について復習し,ロボットの機構解析に必要不可欠な座標変換,運動方程式について学ぶ.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
 関連科目
   応用数学,応用物理,制御工学などを十分に復習しておくこと.
 学習指針
   ロボットの機構,制御方法及びロボットの運動を解析するために必要なDH記法について
  理解することを目的とする.
 事前学習:受講前に教科書の授業範囲を事前に読んでおくこと.
 事後展開学習:授業に関連する課題(教科書章末問題,プリント課題など)を自分で解き,次の授業時に提出する.

学修単位の履修上の注意

成績評価における課題により,自学自習の取り組みを評価する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ロボット概論 ロボティクスを学ぶのに必要な基礎知識を理解し,説明できる.
2週 定義,歴史,用語 ロボットの定義と歴史及び,ロボティクスで使用する用語について説明できる.
3週 サーボ機構及びアクチュエータ概論 サーボ機構の仕組みとアクチュエータの種類,構造を説明できる.
4週 アクチュエータ概論 アクチュエータの種類,構造を説明できる.
5週 自由度,ロボットの記号化 自由度の意味を理解し,記号によるロボット図示ができる.
6週 同次変換 同次変換の計算ができる.
7週 回転・並進変換の基礎 座標変換(基準座標系,関節座標系)及び回転・並進変換ができる.
8週 回転・並進変換の演習1 回転・並進変換の解き方理解し,演習問題ができる.
2ndQ
9週 回転・並進変換の演習2 回転・並進変換の演習問題が解ける.
10週 変換行列の演習 物体の回転・並進変換が解ける.
11週 物体の変換 3次元空間における物体の変換方法を理解し,その問題が解ける.
12週 運動学について 順運動学方程式,逆運動学方程式を解ける.
13週 DH記法について ロボットの運動学方程式を導出するための基礎としてDH記法の概要を理解し,問題が解ける.
14週 リンクパラメータの基礎 リンクパラメータ作成のための語句及び作成方法を理解している.
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前1
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前1
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前1
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前1
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前1
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前1
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前1
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前1
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前1
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前1
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前1
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前2
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前2
仕事の意味を理解し、計算できる。4前2
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4前2
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前2
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前2
動力の意味を理解し、計算できる。4前2
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4前2
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4前2
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前2
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前2
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前3
応力とひずみを説明できる。4前3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前3
許容応力と安全率を説明できる。4前3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4前3
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4前3
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4前3
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4前3
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4前3
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4前3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4前3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4前3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4前3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4前3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4前3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4前3
多軸応力の意味を説明できる。4前3
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前3
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前3,前12
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前3,前12
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4前3,前12
振動の種類および調和振動を説明できる。4前4,前12
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前4,前12
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前4,前12
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前4,前12
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前4,前12
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4
自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合80100100100
基礎的能力505010065
専門的能力30500035