化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0006 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「新編 高専の化学」森北出版 春山志郎 監修/「最新図説化学」第一学習社 佐野博敏・花房昭静 監修・「セミナー化学基礎+化学」第一学習社 第一学習社編集,配布プリント
担当教員 北村 誠

到達目標

前期中間試験:物質の構成を理解する。原子構造を理解する。物質の精製法を理解できる。物質量について理解できる。
前期末試験 :化学結合の違いについて理解できる。物質の三態について理解できる。溶解度について理解できる。
後期中間試験:希薄溶液の性質ついて理解できる。浸透圧ついて理解できる。化学反応式を作ることができる。熱化学方程式を作ることができる。
学年末試験 :化学平衡について理解できる。中和反応ついて理解できる。酸化還元反応ついて理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
私たちの身の回りの物質がどのように構成されているかを理解すること、さらに、物質の性質や物質の変化にかかわる自然現象を化学的に考えて、解釈する力を身に着けることは工学を学習する者にとって重要である。本講義では、物質を構成している原子・分子・イオンなどの基本粒子を学び、粒子から物質が出来るしくみ、粒子と物質の量的関係、化学変化による物質量の変化・状態変化を学ぶ。さらに、中和と酸化・還元について学習することで、物質を理解するための基礎的な能力を身につける。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である。講義項目ごとに演習問題に取り組み、各自の理解度を確認する。また、定期試験返却時に解説を行い、理解が不十分な点を解消する。
注意点:
関連科目
化学II,物理,数学などとの関連が深い。
学習指針
数学的な取り扱いが多いが、授業での例題と関連問題を通して説明できるまで理解することが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物質の構成 単体と化合物の違い、純物質と混合物の違いについて理解する。
2週 精製、化学変化と物理変化 混合物から純物質を取り出す方法について理解できる。
3週 物質を構成する基本粒子 原子の構造・電子配置について理解できる。
4週 イオンの生成 イオンについて理解できる。
5週 化学式と原子価 物質について化学式で表すことができ、原子価について理解できる。
6週 物質量 物質量について理解できる。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
2ndQ
9週 イオン結合 イオン結合について理解できる。
10週 共有結合 共有結合について理解できる。
11週 水素結合 水素結合について理解できる。
12週 金属結合 金属結合について理解できる。
13週 物質の三態とその変化 固体・液体・気体の性質を説明し、気体の法則が理解できる。
14週 溶解のしくみと溶解度 濃度の計算法および固体の溶解の仕組みについて理解できる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
後期
3rdQ
1週 希薄溶液の性質 希薄溶液の性質について理解できる。
2週 浸透圧 半透膜、浸透圧、ファントホッフの法則について理解できる。
3週 物質の変化 化学反応式を示すことができる。
4週 化学変化の量的関係 化学反応を通じて物質量がどのような関係にあるか理解できる。
5週 5週 化学変化と熱の出入り 熱化学方程式を示すことができる。
6週 反応熱の測定 反応熱の測定法をヘスの法則を通じて理解する。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
4thQ
9週 化学変化の速さ 化学反応速度について理解できる。
10週 化学平衡 化学平衡および平衡定数について学習し、平衡移動の原理について理解できる。
11週 酸と塩基の反応 アレニウスおよびブレンステッド・ローリーの酸・塩基について理解する。
12週 中和と塩 中和反応および塩の性質について理解できる。
13週 中和滴定 中和滴定の方法、指示薬、滴定曲線について理解する。
14週 酸化還元反応 電子の授受・酸化数の考え方を通じて酸化還元反応が理解できる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3

評価割合

試験小テスト点、課題および実験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000