到達目標
1. 等加速度運動に関する問題を計算・解析できる。力と運動に関する基本法則を理解し、運動方程式を用いて物体の運動を計算によって解析できる。
2. 運動量と力積の関係や力学的エネルギーに関する基本法則を理解し、それらの基本法則を用いて各種問題を計算によって解析できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 等加速度運動における3公式を用いて,複数の物体の自由落下や鉛直投射運動などを解析できる。ニュートンの運動の3法則を理解している。重力やばねの弾性力,摩擦力などが働いている複数の物体に対して運動方程式を立て,連立して解くことができる。 | 等加速度運動における3公式を用いて,物体の自由落下や鉛直投射運動などを解析できる。ニュートンの運動の3法則を記憶している。重力やばねの弾性力,摩擦力などが働いている物体に対して運動方程式を立て,解くことができる。 | 等加速度運動における3公式を使って簡単な等加速度運動を解析することができない。ニュートンの運動法則を知らない。重力やばねの弾性力,摩擦力などが働いている物体の運動方程式を立てることができない。 |
評価項目2 | 運動量と力積の関係を理解し,それらに成り立つ基本法則を導出することができる。さらにそれらの基本法則を用いて物理現象を計算・解析できる。力学的エネルギー保存の法則を理解し,その法則を用いて重力やばねの弾性力などが働いている物体の運動を計算・解析できる。さらに摩擦力が働く場合の運動についてもエネルギーの観点から計算・解析できる。 | 運動力と力積の関係を記憶し,それらに成り立つ基本法則を知っている。あるいは基本法則を用いて単純な物理現象を計算・解析できる。力学的エネルギー保存の法則を記憶し,その法則を用いて重力やばねの弾性力などが働いている物体の運動を計算・解析できる。 | 運動量と力積の関係を知らない。あるいはそれらに成り立つ基本法則を用いて単純な物理現象を計算・解析できない。力学的エネルギー保存の法則を知らない。あるいはその法則を用いて重力やばねの弾性力などが働いている物体の運動が解析できない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
閉じる
教育方法等
概要:
自然が示す様々な現象には一定の規則性があります。多彩な現象の背後にある法則を探求するのが自然科学で、その基礎となっているのが物理学です。物理を学習する目的は、様々な現象を貫く基本法則や物理概念を記述する数理公式を見いだし、自然の仕組みを系統的に理解することといえます。また科学技術の進展は私たちに多くの恩恵をもたらしている反面、人類の生存に関わる負の遺産も作り出していることにも着目し、科学的なものの見方・考え方を基にした「自然との共生」という視点も重視して講義します。
授業の進め方・方法:
中学理科と違い、物理は暗記科目ではなく、自然現象を論理的に考察して基本法則を見出し、その法則を数理的手法で表現する、すなわち“考える”学問です。物理現象を記述する概念や公式は多くの工学専門分野で使われる「共通語」になります。適宜皆さんに発問しながら授業を進めますので、「よく聞いてよく考え」ながら授業に臨んでください。また、授業のあった日は必ず復習を欠かさないようにし、疑問点は早めに解決してください。実験室は常に皆さんに開放して可能な限り質問に応えるようにしています。物理は自然の背後に隠された謎を解き明かしていくロマンに溢れた学問です。常に「なぜ」と問う気持ちを大切にして謎解きの楽しさを味わってください。
注意点:
関連科目
数学は必修です。物理で学ぶ原理・法則は殆どの工学系の専門科目で応用されていきます。
学習指針
授業進度に合わせて教科書の問題や問題集を利用して自学・自習すること。
講義内容は予定であり、学生の理解度を考慮して多少の変更をする可能性があります。
学修単位の履修上の注意
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
導入 |
物理とは何か,授業方法,成績評価などについて説明する。
|
2週 |
等加速度運動① |
「速度」の概念を復習する。「加速度」を理解し,等加速度運動における3公式が導出できる。
|
3週 |
等加速度運動② |
等加速度運動に関する具体的な計算ができる。
|
4週 |
自由落下・鉛直投げ上げ |
物体を自由落下,鉛直方向に投げ上げる運動について理解できる。
|
5週 |
ニュートンの運動法則 |
運動の法則について理解できる。
|
6週 |
さまざまな力 |
重力,万有引力,ばねの弾性力を理解できる。
|
7週 |
運動方程式の作り方① |
具体的な問題で運動の取り扱いが理解できる
|
8週 |
中間試験 |
問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する。
|
4thQ |
9週 |
運動方程式の作り方② |
具体的な問題で運動の取り扱いが理解できる。
|
10週 |
運動方程式の作り方③ |
具体的な問題で運動の取り扱いが理解できる。
|
11週 |
学生実験 |
台車の実験を通じて運動法則の理解を深めることができる。
|
12週 |
摩擦と運動 |
水平面上で摩擦が働くときの運動が理解できる。
|
13週 |
運動量と力積 |
運動量の変化と力積の関係が理解できる。
|
14週 |
運動量保存の法則,反発係数 |
運動量保存の法則が理解できる。
|
15週 |
学年末試験 |
問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する。
|
16週 |
仕事,運動エネルギー |
力と仕事,運動エネルギーが理解できる。力学的エネルギー保存則について理解できる。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 後2 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | 後2 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 後3 |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 後4 |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | 後7 |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | 後6 |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | 後6 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | 後6 |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 後5 |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 後5 |
運動の法則について説明できる。 | 3 | 後5 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 後7 |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | 後12 |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 後12 |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 後12 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 後15 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 後13 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 後13 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 後14 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 後6 |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | 後11 |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | 後11 |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | 後11 |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | 後11 |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後11 |
評価割合
| 試験 | 課題レポート・小テストなど | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 30 | 100 |