物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0006 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 総合物理1(啓林舘)、センサー総合物理(啓林舘)、配布プリント
担当教員 新野 康彦

到達目標

1.「加速度」の概念を理解し、等加速度運動に関する問題を計算・解析できる。地球表面上での物体の落下・投げ上げ運動に関する計算ができる。
2.物体に働く様々な力について学び、それぞれの性質を理解する。
3.力と運動に関する基本法則(ニュートン力学の運動法則)を理解し、運動方程式を用いて物体の運動を計算によって解析できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「速度」と「加速度」の概念を理解し、等加速度運動における3公式を用いて,その応用問題や物体の自由落下や鉛直投射運動などを解析できる。ニュートンの運動の3法則を理解し、簡単なケースに対する運動方程式をたてて解くことができる。「速度」と「加速度」の概念を理解し、等加速度運動における3公式を用いて,その基本的な問題や物体の自由落下や鉛直投射運動などを解析できる。ニュートンの運動の3法則を理解し、簡単なケースに対する運動方程式をたてて解くことができる。「速度」と「加速度」の概念を理解しておらず、等加速度運動の基本的な問題や物体の自由落下や鉛直投射運動などを解析できない。ニュートンの運動の3法則を理解しておらず、簡単なケースに対する運動方程式をたてて解くことができない。
評価項目2重力、ばねの弾性力,垂直抗力、摩擦力、張力、圧力、浮力、速度に比例する空気抵抗など物体に働く様々な力を理解し、応用問題を解くことができる。複雑なケースにおける運動方程式をたて、解くことができる。重力、ばねの弾性力,垂直抗力、摩擦力、張力、圧力、浮力、速度に比例する空気抵抗など物体に働く様々な力を理解し、基本的な問題を解くことができる。複雑なケースにおける運動方程式をたてて解くことにある程度対応できる。重力、ばねの弾性力,垂直抗力、摩擦力、張力、圧力、浮力、速度に比例する空気抵抗など物体に働く様々な力を理解しておらず、基本的な問題を解くことができる。複雑なケースにおける運動方程式をたて、解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
自然が示す様々な現象には一定の規則性(法則)があります。多彩な現象の背後にある法則を探求するのが自然科学で、その基礎となっているのが物理学です。物理を学習する目的は、様々な現象を貫く基本法則や物理概念を記述する数理公式を見いだし、自然の仕組みを系統的に理解することといえます。また科学技術の進展は私たちに多くの恩恵をもたらしている反面、人類の生存に関わる負の遺産も作り出していることにも着目し、科学的なものの見方・考え方を基にした「自然との共生」という視点も重視して講義します。
授業の進め方・方法:
中学理科と違い、物理は暗記科目ではなく、自然現象を論理的に考察して基本法則を見出し、その法則を数理的手法で表現する、すなわち“考える”学問です。物理現象を記述する概念や公式は多くの工学専門分野で使われる「共通語」になります。適宜皆さんに発問しながら授業を進めますので、「よく聞いてよく考え」ながら授業に臨んでください。また、授業のあった日は必ず復習を欠かさないようにし、疑問点は早めに解決してください。実験室は常に皆さんに開放して可能な限り質問に応えるようにしています。物理は自然の背後に隠された謎を解き明かしていくロマンに溢れた学問です。常に「なぜ」と問う気持ちを大切にして謎解きの楽しさを味わってください。
注意点:
関連科目 数学は必修です。また、物理で学ぶ原理・法則は殆どの工学系の専門科目で応用されていきます。
事前学習 あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、理解できるところ、理解でき ないところを明らかにしておく。
事後展開学習 進度に合わせ、教科書の問題や問題集を自学・自習で解いておくこと。それらを提出物として課すことがあるので、期限までに提出すること。
なお、講義内容は予定であり、学生の理解度を考慮して多少の変更をする可能性があります。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入 「物理」とは何か、また、物理Ⅰの授業方法・成績評価などについて説明する。
2週 等加速度運動① 「速度」の概念を復習し、「加速度」の概念を理解する。
3週 等加速度運動② 等加速度運動における3公式を導出する。
4週 等加速度運動③ 等加速度運動の3公式を様々な問題に適用できる。
5週 自由落下・鉛直投げ上げ 物体を自由落下,鉛直方向に投げ上げるさせる運動について理解する。
6週 ニュートンの運動法則 ニュートン力学における運動の法則を理解する。
7週 運動方程式の解き方① 簡単なケースに対する運動方程式の適用の仕方を学ぶ。
8週 後期中間試験 自身の理解度を把握し、不足している分を改善できる。
4thQ
9週 様々な力① 物体に働く力、特に重力・張力・垂直抗力・ばねの力について理解する。
10週 様々な力② 物体に働く力、特に摩擦力・圧力について理解する。
11週 学生実験 力学台車の実験を通じて運動法則の理解を深める。
12週 様々な力② 物体に働く力、特に浮力・速度に比例する空気抵抗について理解する。
13週 運動方程式の解き方② より複雑な状況において運動方程式をたて、それを解くことができる
14週 運動方程式の解き方③ より複雑な状況において運動方程式をたて、それを解くことができる
15週 学年末試験 自身の理解度を把握し、不足している分を改善できる。
16週 まとめ 物理Ⅰの学習内容を振り返ることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3後2
平均の速度、平均の加速度に関する計算ができる。3後2,後4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の変位、時間、速度に関する計算ができる。3後3,後4
自由落下及び鉛直投射した物体の変位、速度、時間に関する計算ができる。3後4,後5
物体に作用する力を図示できる。3後7,後9
質点にはたらく力のつりあいに関する計算ができる。3後9
重力、弾性力、抗力、張力の概念を理解し、それぞれの力に関する計算ができる。3後9
圧力、浮力について説明できる。3後10,後12
運動の三法則について説明できる。3後6
運動方程式を用いて、物体に生じる加速度や物体にはたらく力などを求めることができる。3後7,後13,後14
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後10
最大摩擦力に関する計算ができる。3後10
動摩擦力に関する計算ができる。3後10
物理実験物理実験実験の目的及び原理を説明できる。3後11
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(化学実験と共通)3後11
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(化学実験と共通)3後11
実験データから、最確値や誤差などを求めることができる。3後11
適切なグラフを作成し、実験データ間の最も確からしい関係を見出すことができる。3後11
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(化学実験と共通)3後11
実験結果から、物理現象の特徴や規則性を説明できる。3後11
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(化学実験と共通)3後11

評価割合

定期試験課題、レポート、その他合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100