情報工学概論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 情報工学概論
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「情報の表現とコンピュータの仕組み」ムイスリ出版 青木征男 著
担当教員 岩田 大志

到達目標

前期中間試験:
1) 2進数,10進数,16進数の相互変換と実数表現を理解する
2) コンピュータ内部での文字の表現法を理解する
前期末試験:
1) 2の補数ついて理解する
2) 符号絶対値表現, 2の補数表現, における数値の表現範囲の違いを理解する
3) ブール代数の基礎的な理論について理解する
後期中間試験:
1) 基本的な論理回路の動作を理解する
2) コンピュータの基本構成と動作について理解する
後期末試験:
1) アドレス修飾の各方式を理解する
2) COMETⅡコンピュータの内部構造と動作について理解する
3) CASLⅡの基本命令を理解する
4) 記憶階層について理解する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1情報工学の基礎としてコンピュータの仕組みと動作について理解し説明できる。情報工学の基礎としてコンピュータの仕組みと動作について理解できる。情報工学の基礎としてコンピュータの仕組みと動作について理解できない。
評価項目2基本原理となる情報の表現法,特に2進数による情報の表現法について理解し説明できる。基本原理となる情報の表現法,特に2進数による情報の表現法について理解できる。基本原理となる情報の表現法,特に2進数による情報の表現法について理解できない。
評価項目3アセンブリ言語によるプログラミングの基礎について理解し説明できる。アセンブリ言語によるプログラミングの基礎について理解できる。アセンブリ言語によるプログラミングの基礎について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
情報工学の基礎としてコンピュータの仕組みと動作について学ぶ。基本原理となる情報の表現法,特に2進数による情報の表現法について学ぶ。さらに,アセンブリ言語によるプログラミングの基礎について学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である。授業をよく聞き, その場で理解することが大切である。分からないことがあれば, 積極的に質問すること。本講義では理解を深めるための課題を出題するので, 必ず提出すること。
注意点:
関連科目
ディジタル回路,情報リテラシーなどとの関連が深い。
学習指針
数学的な取り扱いが多いが,各自の様々な経験や身近な体験を通して説明できるまで理解することが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス コンピュータの歴史, コンピュータの種類について説明できる
2週 コンピュータと2進数 2値状態,2進数, 情報の表現方法について説明できる
3週 数値の表し方(1) 位取り記数法を用いて2進数,10進数を表現できる
4週 数値の表し方(2) 位取り記数法を用いて8進数,16進数を表現できる
5週 数値の表し方(3) 実数を2進数,8進数,10進数,16進数で表現できる
6週 文字コード 文字コード,パリティビットについて説明できる
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
2ndQ
9週 負数と2の補数表現 符号絶対値表現, 2の補数表について説明できる
10週 2進数の加減乗除 2進数の加減乗除, シフト演算について説明できる
11週 実数の表現(1) 固定小数点数表現について説明できる
12週 実数の表現(2) 浮動小数点表現(IBM形式,IEEE方式)について説明できる
13週 ブール代数(1) ブール代数、真理値表、ベン図について説明できる
14週 ブール代数(2) 論理式、基本法則、ド・モルガンの定理について説明できる
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
後期
3rdQ
1週 論理回路 論理回路、真理値表、加算回路について説明できる
2週 コンピュータの構成 五大装置, プログラム内蔵方式について説明できる
3週 コンピュータの動作原理 マシンサイクルについて説明できる
4週 演習(1) コンピュータの分解演習を通して構造を理解する
5週 演習(2) コンピュータの組立演習をとおして構造を理解する
6週 周辺機器 入出力装置、インターフェイスについて説明できる
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
4thQ
9週 記憶装置(1) アクセス方法, ROMとRAMについて説明できる
10週 記憶装置(2) 補助記憶装置、キャッシュメモリについて説明できる
11週 アドレス修飾 アドレス修飾方法について説明できる
12週 COMETII COMETIIのハードウェア校正について説明できる
13週 CASLII プログラム言語の変遷、CASLIIの命令について説明できる
14週 データ転送命令 レジスタ,メモリ間のデータ転送命令について説明できる
15週 後期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。1
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。1前1,後2,後3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。1前1,後2,後3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。1前1,後2,後3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。2前1,後2,後3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2前1,後2,後3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。2前1,後2,後3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。1前1,後2,後3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1前1,後2,後3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2前1,後2,後3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2前1,後2,後3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2前1,後2,後3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。1前1,後2,後3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。1前1,後2,後3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。1前1,後2,後3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。1前1,後2,後3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。1前1,後2,後3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。1前1,後2,後3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。1
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。2
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。1
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。1
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。1
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3前5
基本的な論理演算を行うことができる。3前13
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3前13
論理式の簡単化の概念を説明できる。2前13
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。1前13
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3後1
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3後1
組合せ論理回路を設計することができる。1後1
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3後1
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3後1
与えられた順序回路の機能を説明することができる。1後1
順序回路を設計することができる。1後1
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3後2
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後2
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後2
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後2
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。2後2
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。1後1
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。1後1
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。1後6
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。1後6
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。1後6
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。1後6

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100