歴史Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 歴史Ⅰ
科目番号 0016 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布資料(プリント)を利用/「もういちど読む 山川日本史」(高校の歴史教科書を書き改めた通史)・「山川 ビジュアル版 日本史図録」(資料集)
担当教員 大矢 良哲

到達目標

歴史を学ぶうえで重要なのは,先にもふれたように多くの歴史事象の意味を正確に理解し,「時代の流れをつかむ」ことである。人類の生活のなかには,先人たちの驚くべき技術があり,人生を導く先哲の教えもあった。歴史は決して過去のものでなく,いろいろな経験をへた人たちが後から来る人たちのために語り記した教えなのである。歴史には人生・職業・自己育成についてのヒントが
あり,そこからはいくつも貴重な教訓が与えられる。学生諸君が,この教科を通じて,人生の意義や職業倫理のあり方,かけがえのない人生について,改めて考える契機を得られることを願っている。
学生諸君が歴史の史実から多くのことを学ぶ習慣を身に着け,たとえ少しでも自分自身の活躍できる場や果たすべき役割を見つけてくれることに,その到達目標がある。将来社会人となる自分を視野に入れつつ,自己の良知を高められることに期待したい。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日本史を学ぶことは,現代の日本人の体質や特徴をよりよく理解し,将来への成長の方向を探ることにある。よりよい将来を創造するためには,まず長い歴史からの規定を受けた現在を知ることが必要である。歴史Ⅰでは,現代の日本人および日本国がいかなる歴史的経緯をへて形成されてきたか,現代社会が抱えている諸問題についても考察する。ただ教員に与えられた時間的制約もあるので17 世紀までの概説,近代史は主な流れと平和学習に限定して授業をおこなう。
授業の進め方・方法:
教材を示しつつ授業を進める。教授行為としては板書・発問・当日レポート・ビデオ教材などによる。
注意点:
関連科目
歴史Ⅱ,地理,政治経済,法学等の科目は,本科目との関連性が深い。
学習指針
歴史学が,経済学・法学・地理学などとの違いは,社会諸現象の有機的な総体として,流れの中でとらえていくところにある。したがって,歴史の勉強を暗記物とする考えは,歴史的にとらえる姿勢そのものがそこにないということである。歴史の勉強には,みずから主体的・積極的に,思想性のある学習が必要となる。諸君が,授業の前後に下記の書物を併せて読み,これによって理解を深めることを期待したい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序 歴史の学び方〔原
始・古代〕・旧石器時代
まず,今を生きる知恵は歴史が教えることを理解するころ。
また,人類史における技術発達史の概要についても説明できること。
2週 原始社会の文化 最近の遺跡の発見例から,歴史の常識が覆っていることが説明できる。
3週 農耕社会の成立 弥生社会への移行を生産様式の変化から説明できる。
4週 古墳とヤマト政権 邪馬台国がヤマト政権の源流になるか否か,近年の成果から説明できる。
5週 飛鳥の朝廷 飛鳥時代厩戸王の政治・外交とその文化について説明できる。
6週 律令国家への道 律令国家の成立過程や白鳳の文化について説明できる。
7週 前期中間試験 試験によって,原始・古代の基礎力・思考力・論理力を鍛える。
8週 (答案返却と学力補充) 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる。
2ndQ
9週 〔近代・平和学習〕
開国と明治の近代化
開国時の外交のつまずきから明治政府の政策を見て,その推移を説明できる。
10週 日清・日露の戦争と産業の発達 明治期の戦争の歴史のなかに,近代産業の発展を位置づけて説明できる。
11週 大日本帝国の戦争 大日本帝国が戦争への道を歩んだ経緯,その問題点が説明できる。
12週 沖縄戦と広島・長崎 戦争とはどのようなものか,加害と被害について説明できる。
13週 夏休み課題発表と提出➀ 「戦争と平和」についてのレポートを作成し,口頭発表できる。
14週 夏休み課題発表と提出② 「戦争と平和」についてのレポートを作成し,口頭発表できる。
15週 前期末試験 平和学習の基礎的知識を得て,さらに思考力・論理力を鍛える。
16週 (答案返却と学力補充) 学習内容の不備を確認し,既習の知識が体系化するよう点検する。
後期
3rdQ
1週 平城京と天平文化 奈良時代の政争や天平文化について説明できる。
2週 平安京と弘仁・貞観文化 奈良時代の政争や天平文化について説明できる。
3週 貴族政治と国風文化 摂関政治,また国風文化へと移行した要因は何かを説明できる。
4週 院政と平氏政権 貴族社会が衰退し,武士が成長する時代の変化について説明できる。
5週 鎌倉幕府と執権政治 天皇の国家から武家の国家への変革について説明できる。
6週 鎌倉時代の思想と文化 鎌倉新仏教と旧仏教について,理解を深め,それらの違いを説明できる。
7週 後期中間試験 試験によって,古代・中世の基礎力・思考力・論理力を鍛える。
8週 (答案返却と学力補充) 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる。
4thQ
9週 東アジアと室町幕府 なぜ鎌倉幕府は滅び,室町幕府が成立したか,その経緯を説明できる。
10週 室町文化 室町文化が日本文化史のなかで特に重視とされる理由について説明できる。
11週 戦国の争乱 下剋上の社会,戦国大名の群像について説明できる。
12週 織豊政権 戦国末期の天下人が何を目指し,どのような統一事業をおこなったか,説明できる。
13週 幕藩体制の確立 秀吉の「唐入り」から江戸幕府の確立,鎖国について説明できる。
14週 天下泰平の時代 江戸時代の三大改革や元禄・化政文化について説明できる。
15週 学年末試験 試験によって,中世・近世の基礎力・思考力・論理力を鍛える。
16週 (答案返却と学力補充) 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験当日レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力5050100