ディジタル回路

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 ディジタル回路
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 だれにもわかる ディジタル回路」,出版社:オーム社,著者:天野英晴,武藤佳恭,補助教材:配布プリント,ホームページ参照(http://www.info.nara-k.ac.jp/~matsuo/JYUGYO/DIGITAL/digital.html)
担当教員 松尾 賢一

到達目標

1.ディジタル回路の概念,および,電気・電子回路の基礎的知識の説明,回路図の作成,演算ができる.
2.組み合わせ回路において,加法標準設計法を用いた回路図の作成,カルノー図を用いた組合せ回路の簡単化が行える.
3.様々な組み合わせ回路の動作原理,および,それを利用した回路図の作成やそれらを利用した回路の作成ができる.
4.半導体,ダイオード,トランジスタの原理,TTL-ICの使用方法が説明でき,それらを利用した回路図作成および回路製作が行える.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ディジタル回路の概念,および,電気・電子回路の基礎的知識の説明,回路図の作成,演算ができ,様々な状況に適用させることができる.ディジタル回路の概念,および,電気・電子回路の基礎的知識の説明,回路図の作成,演算ができる.ディジタル回路の概念,および,電気・電子回路の基礎的知識の説明,回路図の作成,演算ができない.
評価項目2組み合わせ回路において,加法標準設計法を用いた回路図の作成,カルノー図を用いた組合せ回路の簡単化が行え,様々な状況に適用させることができる.組み合わせ回路において,加法標準設計法を用いた回路図の作成,カルノー図を用いた組合せ回路の簡単化が行える.組み合わせ回路において,加法標準設計法を用いた回路図の作成,カルノー図を用いた組合せ回路の簡単化が行えない.
評価項目3様々な組み合わせ回路の動作原理,および,それを利用した回路図の作成やそれらを利用した回路の製作でき,様々な状況に応じて,製作した回路を適用させることができる.様々な組み合わせ回路の動作原理,および,それを利用した回路図の作成やそれらを利用した回路の製作ができる様々な組み合わせ回路の動作原理,および,それを利用した回路図の作成やそれらを利用した回路の製作ができない.
評価項目4半導体,ダイオード,トランジスタの原理,TTL-ICの使用方法が説明でき,それらを利用した回路図作成および回路製作が行え,様々な状況に応じて,製作した回路を適用させることができる.半導体,ダイオード,トランジスタの原理,TTL-ICの使用方法が説明でき,それらを利用した回路図作成および回路製作が行える.半導体,ダイオード,トランジスタの原理,TTL-ICの使用方法が説明でき,それらを利用した回路図作成および回路製作が行えない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ディジタル回路はコンピュータの基本技術であり,その標準的な回路であるディジタルICの原理と応用を学ぶことは,ソフトウエア開発の幅を広げることにつながる.そこで,ソフトウエア開発者として必要な,最低限度のハードウエアにおける基礎知識の一つとして,ディジタル回路の仕組みと動作原理を学習する.学習によって,ディジタルICの仕組みとその応用例を学ぶことで,ディジタル回路の基本的な知識と技術を習得する.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題,レポートに取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目:1年の情報工学概論,2年の情報工学実験Ⅰ,論理回路に関連が深い.
学習指針:実際の回路製作に向けて,知識だけの習得でなく,各回路やICの動作を総合的に理解する必要がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル回路について ディジタル回路とコンピュータの中身との関連を理解できる.
2週 ディジタル回路の基礎 ディジタル回路を学ぶ上での基礎知識を身に付ける.
3週 ディジタル回路の基礎 ディジタル回路を学ぶ上での基礎知識を身に付ける.
4週 ディジタル回路製作1 実際のディジタル回路作成に関する基礎知識を理解できる.
5週 ディジタル回路製作2 実際のディジタル回路作成に関する基礎知識を理解できる.
6週 ディジタル回路製作3 実際のディジタル回路作成に関する基礎知識を理解できる.
7週 ディジタル回路製作4 実際のディジタル回路作成に関する基礎知識を理解できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 組合せ回路について 組合せ回路の原理を理解する.
10週 MIL記号法 MIL記号法を用いた論理ゲートの表現方法について理解できる.
11週 基本ゲートの変換 基本論理ゲート間の変換方法について理解できる.
12週 加法標準設計法 加法標準設計法を理解できる.
13週 加法標準設計法 加法標準設計法に関連したいくつかの方法を理解できる.
14週 カルノー図 カルノー図の理解と役割について理解できる.
15週 回路の簡単化 例外的な状況でのカルノー図を用いた簡単化の方法を理解できる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 他の組合せ回路 様々な組合せ回路の紹介し,その役割を理解できる.
2週 演算回路 演算回路の役割と演算の原理について理解できる.
3週 ALU,デコーダ ALUとデコーダの役割と動作原理について理解できる.
4週 エンコーダ,データセレクタ エンコーダとデータセレクタの役割と動作原理について理解できる
5週 コンパレータ,パリティチェッカー コンパレータ,パリティチェッカーの役割と動作原理を理解できる.
6週 ROM ROMの役割と仕組みを理解できる.
7週 RAM RAMの役割と仕組みを理解できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 半導体,ダイオード 半導体とダイオードの動作原理と応用例を理解できる.
10週 半導体,ダイオード 半導体とダイオードの動作原理と応用例を理解できる.
11週 DTLとTTL(トランジスタ) TTL-ICの内部構成におけるトランジスタの役割を理解できる.
12週 TTL-ICの動作原理 TTL-ICの役割と動作原理について理解できる.
13週 TTL-ICの基本特性 TTL-ICの電気的特性について理解できる.
14週 TTL-ICの動作能力 TTL-ICの駆動能力であるファンアウトについて理解できる.
15週 TTL-ICの動作能力 TTL-ICの駆動能力であるファンアウトについて理解できる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。1
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。1
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。1
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。1
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。1
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。1
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。1
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。1
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。1
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。1
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。1
その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。1
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。3
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。2
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。1
事実をもとに論理や考察を展開できる。1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。1
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。1
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。1
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。1
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。1
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2

評価割合

試験課題・提出物合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断的能力000