歴史Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 歴史Ⅱ
科目番号 0018 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「高校世界史 世界史B」山川出版社/「明解世界史図説 エスカリエ」帝国書院
担当教員 比佐 篤

到達目標

1. 古代から現代にいたるヨーロッパ文明の通史について,その断続性と連続性を意識しつつ,総体的に認識できる。
2. ヨーロッパ文明と他文明の交流と相互作用の様相についての学習を通じて,諸文明を相対的に眺めうる。
3. 現代とは異なるヨーロッパの歴史的な思想や習慣の確認によって,現代社会を多角的にとらえうる視点を持てる。
4. ヨーロッパ文明の通史の認識を通じて,新たな解釈を提示する営みとしての歴史学の基本概念を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
歴史学は,過去のでき事を知ることによって,現在の社会の成り立ちを理解し,さらに未来への展望を導き出す学問である。したがって,過去のでき事や歴史事実を知るだけではなく,それをいかに解釈するのかについて学ぶことが本授業の目的となる。
授業の進め方・方法:
現代社会において,良くも悪くも世界全体に強い影響力を与えているのは,欧米世界であることは疑い得ない。日本の近代化も欧米との交流の下で進展していったことを踏まえれば,ヨーロッパ文明を知ることは,現代の日本の状況を認識するために重要であると言える。そこで本講義では,ヨーロッパの通史を概観しながら,歴史的事件のみを追いかけるのではなく,その基層となる文化的諸相や精神性を探っていきたい。
注意点:
関連科目
地理・歴史Ⅰ・政治経済

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 人類の出現と文明の歩み 人類の起源と人種・民族・語族の基本概念,および歴史学の考え方について説明できる。
2週 古代オリエント文明(1) オリエント文明の発生と当地での民族の興廃,およびメソポタミア・エジプトの歴史的な発展の過程を理解できる。
3週 古代オリエント文明(2) フェニキア・ヘブライなどの地中海世界の諸民族と,アッシリア・ヒッタイトの動向が説明できる。
4週 三大ピラミッドの成立 三大ピラミッドの様相および建造過程から,いかなる目的でピラミッドが造られたのかが理解できる。
5週 古代ギリシアとヘレニズム世界 古代ギリシアにおける都市国家の成立と,アレクサンドロスによる東方遠征を説明できる。
6週 古代ローマ(1) 都市国家ローマが地中海世界全体を支配する帝国へと至るまでの歴史に基づき,ローマ帝国の本質を理解できる。
7週 古代ローマ(2) ローマ帝国の滅亡とキリスト教の誕生から,ヨーロッパ世界が維持し続けている精神性の源流を説明できる。
8週 古代地中海世界から中世ヨーロッパへ 古代地中海世界から中世世界へと変容していくヨーロッパ社会を学ぶにあたって,その特質を理解できる。
2ndQ
9週 西ヨーロッパ世界の成立 ゲルマン民族の勃興とキリスト教の発展を辿りつつ,西ヨーロッパ社会の原型を認識できる。
10週 西ヨーロッパ世界の発展 中世ヨーロッパの封建制度および教会の権威の確立を,その歴史的な特質と中世人の精神性から捉えられる。
11週 東ヨーロッパ世界 東ヨーロッパにおいて中心的存在であったビザンツ帝国と,スラブ世界の形成を説明できる。
12週 西ヨーロッパ中世社会の変動(1) 十字軍によるヨーロッパの対外活動の変動を眺望し,それと共に発展した中世都市の様相を把握できる。
13週 西ヨーロッパ中世社会の変動(2) 中世ヨーロッパの封建制度と教皇権の衰退の歴史を学ぶと共に,中世的な概念の変動を説明できる。
14週 西ヨーロッパ中世社会の変動(3) 中世後期のヨーロッパ各国の情勢を,特にフランスとイギリスの衝突に焦点を当てつつ理解できる。
15週 ヨーロッパにおける「愛」の誕生 中世ヨーロッパにおいて「発見」された「愛」の感情から,ヨーロッパの思想の変容とその影響を論じられる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる。
後期
3rdQ
1週 ヨーロッパ世界の拡大 大航海時代によるヨーロッパ人の海外への進出と,それがヨーロッパ社会へ与えた影響を理解できる。
2週 ルネサンス キリスト教からの離脱と人間中心主義が生じたルネサンス期の精神を,代表的な絵画から読み取れる。
3週 宗教改革 近世ヨーロッパにて生じた,キリスト教内部における抗争および分裂過程と,国家間の戦争の関連性を捉えられる。
4週 主権国家体制の形成 ヨーロッパ各国における主権体制の確立と,近世的な概念の発展の背後で起きた社会の変質を説明できる。
5週 重商主義と啓蒙専制主義 イギリスにおける2つの革命および議会の発展と,大陸における専制君主国家の様相を説明できる。
6週 産業革命 産業の発展によって社会が大きく変革した産業革命の時代について,その実態を認識できる。
7週 アメリカ独立革命 植民地から連邦制国家として独立したアメリカ合衆国の本質を,現代の諸事情と絡めつつ理解できる。
8週 フランス革命とナポレオン フランス革命によって成立した体制に触れつつ,その混乱と思想の両面性を説明できる。
4thQ
9週 ウィーン体制 フランス革命以後の19 世紀前半のヨーロッパの変動を,各国における諸革命の動向から理解できる。
10週 ヨーロッパの再編 19 世紀後半に,ヨーロッパ各国の再編から誕生した国民国家と,その後の状況を理解する。
11週 帝国主義と列強の対立 20 世紀初頭のヨーロッパ列強の対立について,基本的な概略およびその枠組と概念を説明できる。
12週 第1次世界大戦とロシア革命 第1次世界大戦とロシア革命について,その展開と実態について明確に理解できる。
13週 ヴェルサイユ体制とファシズム国家 第1次大戦後後のヨーロッパ世界における新たな体制の構築とファシズムの台頭について説明できる。
14週 第2次世界大戦と現代世界 第2次世界大戦の過程と,安定しつつも冷戦や地域紛争などの問題を抱えた現代のヨーロッパについて理解できる。
15週 「道具」としての歴史学へ 現代社会を認識するための道具として,歴史学を活用することはできるのかについて論じうる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験授業内レポート点合計
総合評価割合9010100
基礎的能力9010100