概要:
他者との相互理解や相互伝達を円滑なものにするために、理解力や表現力とそれらを支える思考力や感性を培う。また、言語文化への理解を深め、多様な価値観を知ることを通して、豊かな人間性を育む。
授業の進め方・方法:
高等学校第2学年に相当する国語の力を身につけるため、高等学校用の教科書・準教科書を使用し、様々な文章を読み、多様な考えに触れる。自分が感じたり、考えたりしたことを口頭や文章によって表現する機会、クラスメイトの意見や考えに触れ、検討や議論を通して自分の考えを深める機会をもつ。通年の2時間を評論文・随想文・小説、半期の2時間を古典(古文・漢文)の時間に当てる。
注意点:
関連科目
国語の運用能力は、人文や社会科学系の科目ばかりでなく、自然科学系の科目の基礎にもなる。
学習指針
授業中は発問を多くするので、積極的な発言や質問ができるよう準備しておくこと。
また、作文や創作の時間を有効に使えるように、日頃から問題意識を持って自分や自分の身の回りの世界に目を向けておくこと。毎週現代文の時間の冒頭で小テストをする。
自己学習
授業前に教科書の下読み、新出漢字の練習、語句の下調べを、プリント課題を通して必ず取り組んでおくこと。予習・復習をして理解を深める工夫をすること。
古典については、適宜配付されるプリントを通じて、重要単語の意味を調べる等の予習をすること。意味や訳のわからなかったところを授業で補い、ノートに記入するようにするとよい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
現代文 加藤幸子「ニワシドリの庭」 |
現代文 「文化と自然」という概念を理解し、自らの考えを深めることができる。
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2週 |
現代文 アーサー・ビナード「鈴虫の間、ぼくの六畳間」① |
現代文 各段落に書かれた内容を的確にとらえまとめることができる。
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3週 |
現代文 アーサー・ビナード「鈴虫の間、ぼくの六畳間」② |
現代文 筆者のいう「間」を踏まえて、自身の考えをまとめることができる。
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4週 |
現代文 中島敦「山月記」① |
現代文 日本の近代文学に関心を持ち、中島敦とその作品に関して理解することができる。
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5週 |
現代文 中島敦「山月記」② |
現代文 李徴の人物像についてまとめることができる。
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6週 |
現代文 中島敦「山月記」③ |
現代文 李徴が虎になった背景について自分の意見を述べることができる。
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7週 |
現代文 中島敦「山月記」④ |
現代文 作品の主題を的確にとらえ、まとめることができる。
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8週 |
前期中間試験
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授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
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2ndQ |
9週 |
現代文 試験返却・斎藤茂吉「死にたまふ母」① |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。 現代文 短歌を読み、自分なりの印象をまとめることができる。
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10週 |
現代文 斎藤茂吉「死にたまふ母」② |
現代文 連作短歌の表現技法と内容・主題について理解することができる。
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11週 |
現代文 俳句 |
現代文 近代俳句の表現技法と内容について理解することができる。
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12週 |
現代文 川上弘美「神様」① |
現代文 日本の現代文学に関心を持ち、作品全体の構造を的確にとらえることができる。
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13週 |
現代文 川上弘美「神様」② |
現代文 「わたし」と「クマ」の行動や心情を的確にとらえることができる。
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14週 |
現代文 川上弘美「神様」③ |
現代文 現実と虚構がどのように組み合わせられているかを理解することができる。
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解説 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
現代文 ガイダンス・小林秀雄「無情ということ」① 古典 ガイダンス・漢文「助長」「推敲」① |
現代文 小林秀雄とその作品に関心を持ち、文章構造を理解することができる。 古 典 否定の句法の働きを理解し、また寓話の教訓を理解することができる。
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2週 |
現代文 小林秀雄「無情ということ」② 古典 漢文「助長」「推敲」② |
現代文 作中に引用された事象を理解し、ものの見方や考え方を深めることができる。 古 典 訓読の決まりや故事成語の由来について理解することができる。
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3週 |
現代文 小林秀雄「無情といふこと」③ 古典 古文「文字の一つ返し」① |
現代文 作者独特の表現効果を理解し、読みを深めることができる。 古 典 説話という文章の種類や古典特有の表現に注意して、内容を的確に捉える。
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4週 |
現代文 太宰治「水仙」① 古典 古文「文字の一つ返し」② |
現代文 太宰治やその作品に関心を持ち、全体の構造を理解することができる。 古 典 係助詞の働きを理解し、成範が利かせた機転について説明することができる。
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5週 |
現代文 太宰治「水仙」② 古典 古文「小式部内侍が大江山の事」① |
現代文 「ひねこびた自尊心」とはどのようなものかを理解することができる。 古 典 登場人物の人間関係を理解することができる。
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6週 |
現代文 太宰治「水仙」③ 古典 古文「小式部内侍が大江山の事」② |
現代文 作者にとって芸術とはどのようなことかを理解することができる。 古 典 和歌の修辞を理解することができる。登場人物の心情を読み取ることができる。
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7週 |
現代文 太宰治「水仙」④ 古典 学力判定試験 |
現代文 「天才の悶絶」「自分の才能」ということを普遍的な問いとして受けとめ、自分の問題として考えることができる。 古 典 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
後期中間試験 |
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
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4thQ |
9週 |
現代文 試験返却・北村透谷「漫罵」① 古典 試験返却・古文「安元の大火」① |
現代文 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。「漫罵」の作者と作品に関心を持ち、全体の構造と内容を正しく理解することができる。 古 典 話の展開と構成について把握することができる。
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10週 |
現代文 北村透谷「漫罵」② 古典 古文「安元の大火」① |
現代文 開化期の日本社会に対する批判と、文学の果たす役割についての作者の考えを理解することができる。 古 典 地図や歴史史料を活用しながら、大火のおおよその範囲を読み取ることができる。
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11週 |
現代文 三木卓「砲撃のあとで」① 古典 古文「安元の大火」③ |
現代文 作者や、その作品に関心を持ち、自身の感想を持つことができる。 古 典 表現の内容と特色を通じて、作者の持つ無常観について説明することができる。
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12週 |
現代文 三木卓「砲撃のあとで」② 古典 古文「雪のいと高う降りたるを」 |
現代文 作品の構造を的確に理解することができる。 古 典 作者の機転について理解することができる。本文における日本文化と外国文化の関係について理解を深めることができる。
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13週 |
現代文 三木卓「砲撃のあとで」③ 古典 漢文「売鬼」 |
現代文 少年と家族の心情の動きを読み取ることができる。 古 典 古代中国の幽霊観について、日本文化と比較しながら自分の意見を持つことができる。
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14週 |
現代文 三木卓「砲撃のあとで」④ 古典 学力判定試験 |
現代文 作品の舞台となった場所や時代について正しく理解できる。 古 典 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
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15週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
学年末試験返却・解説 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 2 | 前2,前3 |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | 前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 1 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前12,前13,前14 |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前12,前13,前14 |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | 前2,前3,前9,前11 |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | 前2,前7 |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | 前3 |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前5,前6,前7,前9,前11 |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | 前7,前14 |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | 前2,前3 |