国語Ⅲ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 国語Ⅲ
科目番号 0031 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 『精選 現代文B』(明治書院・昨年度のものを継続使用) 〔補助教材・参考書〕『新国語便覧(新版三訂)』(第一学習社)、『常用漢字ダブルクリア』(尚文出版)、その他独自補助教材。国語辞典を一冊準備しておくこと(電子辞書でもよい)。
担当教員 鍵本 有理

到達目標

1.    高等学校3年生相当の漢字力や語彙力を身につけている。
2.    評論文について、筆者の意見を的確に把握し、正確に要約することができる。また、筆者の意見に対して、自身の意見を根拠をもって表現することができる。
3.    小説について、登場人物の心情の変化を読み取ることができる。また、自身の経験にひきつけて感想を述べることができる。
4.    日本の伝統的な言語文化について興味・関心を持ち、その価値に気づくことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1話し手の指示や意見を的確に聞き取り、正確にまとめることができる。 聞き手を意識しながら、自身の意見や与えられた文章を、適切な声の大きさ、明瞭な発音で、述べたり読んだりすることができる。話し手の指示や意見を的確に聞き取ることができる。 聞き手を意識しながら、自身の意見や与えられた文章を、述べたり音読したりすることができる。話し手の指示や意見を聞くことができない。 聞き手を意識せずに、自身の意見や与えられた文章を、声の大きさや発音に気を留めずに述べたり音読したりする。もしくは活動時に発言しない。
評価項目2書物や文献に対して、客観的に読解し、自身の意見を持ち、正確に表現することができる。書物や文献に対して、自身の意見を持ち、表現しようと工夫することができる。書物や文献に対して、自身の意見を表現することができない、もしくは文章表現として著しい誤りがある。
評価項目3初見の文章について、内容を理解しながらスムーズに音読することができる。初見の文章について、句としてのまとまりを意識しながら音読することができる。初見の文章について、句のまとまりを意識しながら読むことができない。
評価項目4言葉に関心を持ち、疑問に感じた言葉を即座に調べ、習得することができる。 高校卒業程度の語彙力(漢検準2級~2級程度)を有しており、適切に運用することができる。言葉に関心を持ち、疑問に感じた言葉を自主的に調べることができる。 高校在学程度の語彙力(漢検準2級程度)を有しており、適切に運用することができる。言葉に関心がなく、意味のわからない語句について調べることがない。 中学校卒業程度の語彙力(漢検3級程度)を有しており、高校在学程度の語彙を誤って運用することがある。
評価項目5日本の伝統的な言語文化について興味・関心を持ち、その価値に気づくことができる。日本の伝統的な言語文化について、興味・関心を持つことができる。日本の伝統的な言語文化について興味・関心を持ったり、その価値に気づくことができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国語には二つの面がある。一つは、文章を読んでその登場人物の気持ちに共感できる、あるいは書いてある内容を理解するということである。そのためには受講生一人一人が自身のこれまでの経験にひきつけて文献を読み解く必要がある。もう一つは、読みとった筆者の意見や主人公の気持ち、また自分の意見や感想を表現するということである。日本語を読むことはできても、その内容を真に理解していることによって、はじめて自分の言葉で表現し、説明することができるからである。この二面をふまえて、「考える」「読む」「書く」「話す」能力を養うこととする。
授業の進め方・方法:
高等学校第3学年に相当する国語の力を身につけるため、高等学校用の教科書を使用し、いろいろな文章を読んで様々な角度から物事を考える。そして、必要に応じて学生同士で話し合うこともふまえて、読みとったり考えたりした内容を言葉でまとめ、ノートや文章に「形として」残していくようにする。適宜口頭での発表も実施する。
注意点:
関連科目
国語は、人文科学や社会科学系だけでなく、自然科学系科目の論理的思考やノートやレポートの作成とも関連する、全ての科目の基礎である。
学習指針
講義を聞いて板書内容を写すだけではなく、自身の経験にひきつけながら主体的にノートを取り、発問の答えなどを自分の言葉で表現し、書き留めることが重要である。
自己学習
まず授業を「聞く」こと、「書く」こと。授業中の発問を自分で考え、その過程を残した「わかる」ノートを作る。人の発言を聞き、また自分が発言することも重要である。
予習として、教科書の本文をあらかじめ読んでおき、わからない語句をチェックしておくとよい。その上で授業を聞くようにするとよく理解できる。漢字や語句についての課題があれば必ずすませておく。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス /聞く・書く・読む 本講義の概要・目的が理解できる。聞くこと・書くこと・読むことへの意識を高め、ノートの取り方を工夫することができる。
2週 評論1-①「異文化理解」
文章の構成に注意しながら評論文を読むことができる。
3週 評論1-②「異文化理解」
評論文の論旨を的確にとらえ、実例に即して考えることができる。筆者の主張を要約できる。
4週 評論1-③
「グローバリゼーションの光と影」
現代社会の問題について、自分の意見をまとめたり、人に説明したりできる。
5週 小説1-①
「檸檬」
小説について、語りの主体を意識して読むことができる。作者についての基礎知識を得ている。
6週 小説2-①
「檸檬」
表現に注意しながら、主人公の心情を読み取ることができる。
7週 小説3-①
「檸檬」
小説全体の構成を確かめ、主題について考えることができる。
8週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
2ndQ
9週 試験返却・解説
詩について
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
近現代の詩を鑑賞することができる。
10週
詩の作者について知る。
詩の表現について、考え味わうことができる。
11週 評論2-①
「『である』ことと『する』こと」
「権利」「制度」に対する筆者の考えを読み取ることができる。
12週 評論2-②
「『である』ことと『する』こと」
「である」「する」というキーワードについて理解し、筆者の考えを読み取ることができる。
13週 評論2-③
「『である』ことと『する』こと」
社会制度とその社会の問題について、考えることができる。
14週 評論2-④
「『である』ことと『する』こと」
(付)夏目漱石「現代日本の開花」
評論文について、筆者の考えをまとめることができる。
夏目漱石について理解を深める。
夏休みの課題説明。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
後期
3rdQ
1週 小説2-①
森鴎外と明治時代の社会状況について理解できる。
2週 小説2-② 小説「舞姫」を読み、文体の特色をとらえることができる。
3週 小説2-③
小説「舞姫」を読み、主人公の心情を的確にとらえることができる。
4週 小説2-④
手紙用語
小説「舞姫」を読み、各登場人物の心情を的確にとらえることができる。
工場見学を利用して、手紙用語を学習する。
5週 小説2-⑤
小説「舞姫」を読み、各登場人物の心情を的確にとらえることができる。
6週 小説2-⑥ 小説「舞姫」を読み、全体の構成や主題を理解できる。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却・解説
夏目漱石についての復習
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
夏目漱石についての基本的な知識を身につけている。
4thQ
9週 評論3-①
「私の個人主義」
筆者(話者)の提起する問題点について考えることができる。
10週 評論3-②
同上
筆者のいう「自己本位」について考え、まとめることができる。
11週 評論3-③
同上
筆者の主張について、身近な問題に引き付けて考えることができる。
12週 評論3-④
同上
評論文について、筆者の考えをまとめることができる。
13週 短歌・俳句① 短歌や俳句について、基本的な知識を身につけ、鑑賞することができる。
14週 短歌・俳句② 短歌や俳句を自作したり、相互評価したりできる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前2,前3,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後15
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前2,前3,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後15
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前5,前6,前7,後1,後2,後3,後4,後5,後6
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前2,前8,前15,後7,後15
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前5,前13,前15,後3,後10,後15
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前1,前3,前4,後11
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2前1,後4,後7
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前4,後14
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前4,後1,後14,後15
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前4,後15
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前4,前10,後14
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前4,前10
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前4,前10,後14
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前1,前4,前10,前15,後1,後8,後11,後12,後14,後15

評価割合

試験提出物態度・小テスト合計
総合評価割合652510100
基礎的能力652510100
専門的能力0000
分野横断的能力0000