情報工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 情報工学実験Ⅰ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 松尾 賢一,松村 寿枝,内田 眞司

到達目標

・実験の基本的な進め方を理解でき,測定機器を正しく取り扱うことができる
・計画的に実験計画を立て,自ら実行することができる
・標準的な実験報告書を計画的に作成することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験の課題を深く理解し,必要な機器・機材を自在に扱うことができる実験の進め方や必要な機器・機材の扱い方を理解することができる 実験の進め方や機器・機材の扱い方を理解することができない
評価項目2主体的に実験を行い,適切な結果を求めることができる 指示に沿って実験を行い,結果を求めることができる 指示に沿って実験を行い,結果を求めることができない
評価項目3実験結果をもとに,的確な考察を記述することができる 実験結果をもとに,考察を記述することができる 実験結果をもとに,考察を記述することができない
評価項目4実験報告書を計画的に作成することができる 実験報告書を作成することができる 実験報告書を作成することができない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義の主な目的は,
・コンピュータのハードウェアとソフトウェアを理解するために必要な電気・電子現象に関する基礎的な諸概念を理解すること
・目的を達成するために効率の良い実験計画を立て自ら実行する態度を養うこと
・実験報告書の書き方を理解すること
である。
授業の進め方・方法:
アナログ回路とディジタル回路に関する基礎的な実験を行う。
CASLⅡシミュレータによるアセンブリ言語の習得と基本的なプログラミングを行う。
注意点:
関連科目
情報リテラシ,ディジタル回路,論理回路,コンピュータシステム概論
回路理論I,情報工学実験II
学習指針
全てにおいて受身でなく,能動的に準備,実験に取り組むこと。
(例:事前に実験テーマの予習をしておく。)
実験報告書が未提出の実験テーマは、その実験テーマの取り組み点を0とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 全体ガイダンス 情報工学実験の目的,概要,進め方,実験報告書の書き方が理解できる.実験上の注意,安全指導を行う.
2週 実験リテラシ・オームの法則実験 実験に必要な知識をオームの法則実験により理解できる
3週 直列/並列回路に関する実験 抵抗,LEDを使った直列/並列回路の電流・電圧の測定を行い,電流・電圧の特性が理解できる
4週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する
5週 直列/並列回路に関する実験 抵抗,LEDを使った直列/並列回路の電流・電圧の測定を行い,電流・電圧の特性が理解できる.
6週 ダイオードの特性実験 ダイオードの電気的特性,整流作用が理解できる.
7週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する.
8週 ダイオードの特性実験 ダイオードの電気的特性,整流作用が理解できる.
2ndQ
9週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する。
10週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する。
11週 デコーダ.カウンタ回路実験 デコーダ,カウンタ回路の論理回路図の作成,実体回路図の作成,ブレットボード上での回路作成ができる
12週 デコーダ.カウンタ回路実験 デコーダ回路が作成できる
13週 デコーダ.カウンタ回路実験 カウンタ回路が作成できる
14週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する
15週 TTL-ICの特性実験 入出力電圧特性の測定ができる。ロジックチェッカー回路の作成ができる
16週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する
後期
3rdQ
1週 ディジタル回路作成実験 ド・モルガンの定理の判定回路の原理を論理回路図で示すことができる
2週 ディジタル回路作成実験 ド・モルガンの定理の判定回路図が作成できる
3週 ディジタル回路作成実験 ド・モルガンの定理の判定回路の実体回路図が作成できる
4週 ディジタル回路作成実験 前述の実体回路図を基に実際の回路をブレッドボード上で作成できる
5週 CASLプログラミング実験 実験の進め方とプログラミング環境について理解できる
6週 実験予備日 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する。
7週 レポート指導 作成・提出した実験報告書の不備,修正すべき点を理解する
8週 CASLプログラミング実験 基本三構造(逐次・分岐・反復)を用いたプログラムを作成できる
4thQ
9週 CASLプログラミング実験 連続データにアクセスするプログラムを作成できる
10週 CASLプログラミング実験 入出力命令を用いたプログラムを作成できる
11週 CASLプログラミング実験 サブルーチンを用いたプログラムを作成できる
12週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する。
13週 CASLプログラミング実験 複数のサブルーチンを用いたプログラムを作成できる
14週 CASLプログラミング実験 これまでの実験を踏まえた総合演習プログラムを作成できる
15週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する
16週 レポート指導 返却されたレポートを見直し、書き方が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
変数の概念を説明できる。2
データ型の概念を説明できる。2
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。2
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。2
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。2
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。2
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。2
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。2
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理式の簡単化の概念を説明できる。3
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3
組合せ論理回路を設計することができる。3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3
順序回路を設計することができる。3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。1
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。1
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。1
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。4
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。2
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。2
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。2
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。1
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。1
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。2

評価割合

レポート実験取り組み合計
総合評価割合4060100
基礎的能力206080
専門的能力20020