情報数学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報数学
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「やさしく学べる離散数学」、石村園子 著、共立出版
担当教員 岡村 真吾

到達目標

【前期中間試験】
 集合、論理、関係について理解する。
【前期末試験】
 写像、群について理解する。
【後期中間試験】
 環、体、順序、束について理解する。
【学年末試験】
 グラフの基礎、平面的グラフ、ネットワーク・フローについて理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
集合、論理集合や論理に関する定義や定理を理解し、集合演算や証明をすることができる。集合や論理に関する定義や定理を理解している。集合や論理に関する授業への取り組みができていない。
関係、写像関係や写像に関する定義や定理を理解し、関係の合成や逆関係を求めることができる。関係や写像に関する定義や定理を理解している。関係や写像に関する授業への取り組みができていない。
群、環、体群、環、体に関する定義や定理を理解し、実際に演算をすることができる。群、環、体に関する定義や定理を理解している。群、環、体に関する授業への取り組みができていない。
順序、束順序や束に関する定義や定理を理解し、実際に元の比較や演算をすることができる。順序や束に関する定義や定理を理解している。順序や束に関する授業への取り組みができていない。
グラフの基礎グラフに関する基本的な定義や定理を理解し、グラフと隣接行列や接続行列との相互変換ができる。グラフに関する基本的な定義や定理を理解している。グラフの基礎に関する授業への取り組みができていない。
平面的グラフ平面的グラフに関する定義や定理を理解し、頂点彩色や領域彩色をすることができる。平面的グラフに関する定義や定理を理解している。平面的グラフに関する授業への取り組みができていない。
ネットワーク・フローネットワーク・フローに関する定義や定理を理解し、ネットワークにおける最大フローを求めることができる。ネットワーク・フローに関する定義や定理を理解している。ネットワーク・フローに関する授業への取り組みができていない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
情報工学を学ぶ上での基礎となる離散数学の知識を身につける。
授業の進め方・方法:
離散数学の中で、集合論、論理、関係、写像、代数系、順序、グラフ理論について学ぶ。
注意点:
【参考書】
 「数学ガール フェルマーの最終定理」、結城浩 著、ソフトバンククリエイティブ
 「数学ガール ガロア理論」、結城浩 著、ソフトバンククリエイティブ
 「グラフ理論入門」、 R. J. Wilson 著、 西関隆夫、西関裕子 訳、近代科学社
【関連科目】
 情報工学概論、ディジタル回路、論理回路、計算理論
【学習指針】
 基本的には教科書に従って授業を進めるが、教科書に載っていない内容を扱うこともあるため、ノートを取ることを
 お薦めする。ただし、単に板書をそのまま書き写すのではなく、内容を理解し、自分なりに要約や補足をすること。
 レポートは、参考文献や他人の意見の単なるコピーではなく、自分自身による考えや作業の結果などが含まれるよう
 にすること。
【事前学習】
 規則正しい生活を送り、体調を整えておくこと。余力があれば教科書に目を通しておくこと。
【事後展開学習】
 各講義終了後速やかに、講義内容において理解できたことと理解できなかったことを整理すること。理解できなかっ
 たことについては、次回の講義までに解決しておくこと。
【評価割合】
 試験の成績(100%)で評価する。ただし、本科目への取り組み姿勢に問題がある場合(講義時間中に取り組むべき
 演習問題に取り組んでいない、レポート等の課題が未提出、提出物の内容が不十分、など)は最大61%減点すること
 がある。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 集合(1) 集合の表記、全称記号、存在記号を理解する。
2週 集合(2) 基本的な集合の演算を理解する。
3週 論理(1) 命題、述語、論理演算を理解する。
4週 論理(2) 証明を理解する。
5週 関係(1) 直積集合と関係を理解する。
6週 関係(2) 合成、逆関係、同値関係を理解する。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、正しく解答する。
8週 答案返却と解説 自身の答案を見直し、理解が不十分な点を解消する。
2ndQ
9週 写像(1) 写像を理解する。
10週 写像(2) 置換を理解する。
11週 代数系(1) 二項演算を理解する。
12週 代数系(2) 単位元と逆元を理解する。
13週 半群 半群を理解する。
14週 群と巡回群を理解する。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、正しく解答する。
16週 答案返却と解説 自身の答案を見直し、理解が不十分な点を解消する。
後期
3rdQ
1週 環を理解する。
2週 体を理解する。
3週 順序(1) 半順序と全順序を理解する。
4週 順序(2) 最大元、最小元、極大元、極小元、上界、下界、上限、下限を理解する。
5週 束(1) 束を理解する。
6週 束(2) ブール代数を理解する。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、正しく解答する。
8週 答案返却と解説 自身の答案を見直し、理解が不十分な点を解消する。
4thQ
9週 グラフの基礎(1) グラフ、隣接行列、接続行列の定義を理解する。
10週 グラフの基礎(2) 経路と連結グラフの定義を理解する。
11週 グラフの基礎(3) 完全グラフ、正則グラフ、2部グラフ、木グラフの定義と性質を理解する。
12週 平面的グラフ(1) 平面的グラフ、オイラーグラフ、ハミルトングラフの定義と性質を理解する。
13週 平面的グラフ(2) 頂点彩色と領域彩色の定義と性質を理解する。
14週 ネットワーク・フロー ネットワークとフローの定義と性質を理解する。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、正しく解答する。
16週 答案返却と解説 自身の答案を見直し、理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4前1,前2
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4前5,前6,前9,前10
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4後6
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4前3,前4
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4後13,後14

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
専門的能力100100