数学特論α

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数学特論α
科目番号 0042 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「新版 微分積分Ⅱ(改訂版)」「新版 線形代数(改訂版)」実教出版 岡本和夫 監修,「新版 微分積分Ⅱ 演習(改訂版)」「新版 線形代数演習(改訂版)」実教出版 岡本和夫 監修
担当教員 小川 泰朗

到達目標

何となくわかっただけでは不十分で,自力で問題が解けなければ意味がありません。
教科書の「例題」と「練習」,問題集の「A 問題」が自力で解けるようになることを最低目標とします。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定積分や不定積分の意味を理解した上で計算ができる。定積分,不定積分が計算できる。定積分,不定積分が計算できない。
評価項目2定積分の応用として図形の面積,立体の体積の求め方を理解したうえで計算ができる。定積分の応用として図形の面積,立体の体積の計算ができる。定積分を応用した図形の面積,立体の体積の計算ができない。
評価項目3定積分の応用として曲線の長さの求め方を理解したうえで計算や応用ができる。定積分の応用として曲線の長さの計算ができる。定積分を応用した曲線の長さの計算ができない。
評価項目4広義積分の意味を理解した上で計算ができる。広義積分が計算できる。広義積分が計算できない。
評価項目5行列式に用いてベクトルの一次独立性の判定ができることを理解できる。行列式を用いてベクトルの一次独立性が判定できる。行列式を用いてベクトルの一次独立性の判定ができない。
評価項目6平面上の直線や二次曲線の一次変換,その合成変換,逆変換を理解し実際の計算ができる。平面上の直線や二次曲線の一次変換,その合成変換,逆変換の計算ができる。平面上の直線や二次曲線の一次変換,その合成変換,逆変換の計算ができない。
評価項目7行列の固有値,固有ベクトルの意味が理解でき,それを求めることができる。行列の固有値,固有ベクトルを求めることができる。行列の固有値,固有ベクトルを求めることができない。
評価項目8行列の対角化の意味が理解でき,それを行うことができる。行列の対角化が行える。行列の対角化が行えない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2年次に学んだ定積分により面積を求める計算を、媒介変数表示、極座標表示について応じてまとめてゆきます。また、2年次の「線形代数」で学んだベクトルや行列・行列式の知識を基礎として講義は行われます。まず、ベクトルの内積や外積について復習し、行列式の図形的意味について勉強します。次に、座標平面上の点の一次変換(線形変換)を行列表示し合成変換や逆変換と行列の積や逆行列との関係を学びます。さらに、固有値を求めて行列の対角化と呼ばれる行列の標準化を考えます。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心です。講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認します。
また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消します。
注意点:
関連科目:微分積分Ⅰ,線形代数,微分積分Ⅱ,数学特論β
学習指針:1 年次と 2 年次で学んだ数学、特に「微分積分I」「線形代数」で学んだ考え方が基礎となります。 また本講義で学ぶ内容は「応用数学 α」、「応用数学 β」をはじめ、各専門科目の基礎となります。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 定積分の復習 不定積分を計算して定積分の値を求めることができる。
2週 面積と定積分 定積分を使って曲線や直線で囲まれた図形の面積を計算できる。
3週 立体,回転体の体積(1) 立体の体積を,定積分を用いて求めることができる。
4週 立体,回転体の体積(2) 定積分を使って回転体などの体積を計算することができる。
5週 リーマン積分(1) 面積を微小な面積の和の極限値として求めることができる。
6週 リーマン積分(2) 面積を微小な面積の和の極限値として求めることができる。
7週 リーマン積分(3) 面積を微小な面積の和の極限値として求めることができる。
8週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
2ndQ
9週 微分積分学の基本定理 定積分とリーマン積分が同じ値をもたらすことがわかる。
10週 曲線の長さ(1) いろいろな関数表示で表された曲線の長さを計算できる。
11週 曲線の長さ(2) いろいろな関数表示で表された曲線の長さを計算できる。
12週 図形の面積 いろいろな関数表示で表された図形の面積を計算できる。
13週 立体の体積 立体の体積の求めることができる。
14週 広義積分 広義積分を計算できる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
後期
3rdQ
1週 行列式の図形的意味(1) 平面ベクトルの内積,空間ベクトルの外積を復習し,平行四辺形の面積と平行六面体の体積を計算することができる。
2週 行列式の図形的意味(2) ベクトルの1次独立・1次従属と,行列式による判定法を学ぶ。
3週 1次変換(線形変換) 座標平面上の点の対称移動や回転移動を行列表示することができる。
4週 合成変換と逆変換 1次変換の合成変換と逆変換について学ぶ。
5週 1次変換の応用(1) 1次変換の線形性を学び,座標平面上の直線を1次変換することができる。
6週 1次変換の応用(2) 座標平面上の2次曲線を1次変換し,その標準形を求めることができる。
7週 1次変換の応用(3) 座標平面上の2次曲線を1次変換し,その標準形を求めることができる。
8週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
4thQ
9週 行列の固有値と固有ベクトル(1) 2×2行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる。
10週 行列の固有値と固有ベクトル(2) 3×3行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる。
11週 正方行列の対角化 2×2行列と3×3行列を対角化することができる。
12週 対称行列の対角化 対称行列を直交行列によって対角化することができる。
13週 対角化の応用 行列のn乗を計算することができる。
14週 2次形式の標準化 行列を用いて2次形式を標準化することができる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後4
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後5,後6,後7
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前1,前5,前6,前7,前9
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前2,前12
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前10,前11
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前3,前4,前13

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000