応用数学β

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 応用数学β
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「新確率統計」大日本図書、高遠節夫他(24週まで)「新応用数学」大日本図書、高遠節夫他(25週以降)
担当教員 安田 智之

到達目標

内容理解ができているかどうかを確かめる目安として,教科書の「例題」と「問」が解けて,解答が 書けることを低目標としてください。 各定期試験時での到達目標は次の通りです。 前期中間試験:(1)確率の基本問題が解ける (2)統計の用語を用いた設問を解ける 。前 期 末 試 験:(1)確率変数より期待値を計算できる (2)二項分布を自由に計算出来る (3)ポアソン分布,正規分布の違いがわかり,統計量を計算できる。 後期中間試験:(1)多次元確率変数を計算ができる(2)いろいろな確率分布を計算ができる (3)推定,検定を行うことができる 。学 年 末 試 験:(1)ラプラス変換,逆ラプラス変換ができる (2)ラプラス変換の応用として微分方程式を解ける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1確率の加法定理、乗法定理、事象の独立が理解でき、実際の適用、判別ができる。確率の加法定理、乗法定理、が適用でき、事象の独立の判別ができる。確率の加法定理、乗法定理、が適用でき、事象の独立の判別ができない。
評価項目2ベイズの定理を理解しその適用ができる。ベイズの定理の適用ができる。ベイズの定理の適用ができない。
評価項目3一次元のデータから散布度、四分位数が求められ、箱ひげ図が作成でき、その意味が理解できる。一次元のデータから散布度、四分位数が求められ、箱ひげ図が作成できる。一次元のデータから散布度、四分位数が求められ、箱ひげ図が作成でき、その意味が理解できない。
評価項目4二次元データから共分散、相関係数を求めることができ、その意味が理解できる。二次元データから共分散、相関係数を求めることができる。二次元データから共分散、相関係数を求めることができない。
評価項目5二項分布、ポアソン分布、正規分布を理解し、確率計算に適用できる。二項分布、ポアソン分布、正規分布を確率計算に適用できる。二項分布、ポアソン分布、正規分布を確率計算に適用できない。
評価項目6カイ二乗分布、t分布、F分布を理解し、推定と検定に適用できる。カイ二乗分布、t分布、F分布を推定と検定に適用できる。カイ二乗分布、t分布、F分布を推定と検定に適用できない。
評価項目7ラプラス変換、逆変換を理解し適用ができる。ラプラス変換、逆変換の適用ができる。ラプラス変換、逆変換の適用ができない。
評価項目8ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を理解し適用できる。ラプラス変換を用いた微分方程式の解法が適用できる。ラプラス変換を用いた微分方程式の解法が適用できる。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-1 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
概要: 統計学の問題として,視聴されているテレビ番組の調査をして,全国の家庭での視聴率を推定す ることがあります。視聴している番組調査を部分的に実施することで統計的に推定されたといわれ ます。この言葉に惑わされて,つい確定値を信じがちです。ここでの「統計的に処理された」とは 一体どういう事かを考えて欲しいと思います。 一方,ラプラス変換に関しては専門科目ですでに学習していることもあるかと思いますが,基礎に戻って 丁寧に基本的関数のラプラス変換を計算します。応用として,比較的に簡単な手法で微分方程式へ の解法を与えることができます。

授業の進め方・方法:
授業の進め方と授業内容・方法: 教室での座学が中心です。新しい内容について説明したあと,演習問題に取り組み,各自の理解度 を確認します。また,定期試験返却時にはその解説を行い,試験範囲の総復習をします。
注意点:
注意点: 関連科目 微分積分Ⅰ,微分積分Ⅱ,応用数学α,応用物理Ⅱ,各専門科目 学習指針 前半で学ぶ確率統計では,工学のみならず多くの学問でデータ処理に必要な基本事項を学びま す。よく理解して,データから得られる結論を統計という客観的な手法で評価出来るようにして おくことが大事です。授業とノートを参考にしながら,演習問題に何度も取り組んで下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 確率の基本性質 確率の概念,特に加法定理と期待値の求めることができる。
2週 条件付確率と事象の独 立性 事象の独立性の理解し,判別ができる
3週 ベイズの定理 ,演習 ベイズの定理の理解し,条件付き確率を利用できる
4週 1次元のデータ(1) 度数分布を用いて,代表値を算出できる
5週 1次元のデータ(2) 散布度,四分位と箱ひげ図をデータから作成できる
6週 2次元のデータ(1) 2つの変量の相関,相関係数を求めてその状態を判断できる
7週 2次元のデータ(2) 最小2乗法の例となる再帰直線を求めることができる
8週 確率変数と確率分布 確率変数,分布の概念の理解できる。
2ndQ
9週 二項分布 二項分布の理解と具体的な計算をできる。
10週 ポアソン分布 ポアソン分布の理解と電卓を使った計算ができる
11週 連続型確率分布 連続型確率分布を理解して,統計量の計算をできる
12週 連続型確率変数の 平均分散 連続分布の平均,分散と標準偏差の意味を説明できる
13週 正規分布 正規分布の理解と数表を使った計算ができる。
14週 二項分布と正規分布 二項分布の正規分布による近似してることがわかる
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができ る
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する
後期
3rdQ
1週 確率変数の関数 特に2次元確率変数を理解して,計算ができる
2週 統計量と標本分布 標本調査,標本分布,中心極限定理の意味が分かる
3週 いろいろな確率分布 カイ自乗分布,t分布,F分布を理解できる
4週 母数の推定(1) 標本統計より,点推定,母平均の区間推定ができる。
5週 母数の推定(2) 標本統計より,母分散,母比率の区間推定ができる
6週 仮説の検定(1) 仮説を立てて,標本統計より検定をできる
7週 仮説の検定(2) 母平均の検定ができる。
8週 8週 仮説の検定(3) 。 9週 10 週 11 週 。 13 週 例題と演習 。 14 週 15 週 16 週 。 母分散の検定と等分散の検定ができる
4thQ
9週 仮説の検定(4) 母平均の差の検定,母比率の検定ができる。
10週 ラプラス変換の定義 ラプラス変換を理解し,積分で表現できる。
11週 例題と演習 ラプラス変換の基本的な性質の理解し運用ができる
12週 逆ラプラス変換の定義と例 逆ラプラス変換を理解し原関数を求めることができる
13週 例題と演習 逆ラプラス変換の式を変形して求めることができる
14週 微分方程式への応用 簡単な微分方程式をラプラス変換で解くことができる
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前1
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前4,前5,前6,前7
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000