数値計算法

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 数値計算法
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「数値計算法」、森北出版、三井田 惇郎・須田 宇宙 著
担当教員 松村 寿枝

到達目標

1.連立一次方程式の数値計算法を理解し、解を求めることができる。また、大規模方程式を扱う際の計算手法が理解できる。代数方程式の解を求めることができる。関数補間および近似式を行う際、各補間法および近似方法の違いを説明することができる。
2.数値微分、数値積分の原理を理解し、具体的な計算を行うことができる。また、各種計算方法による数値解の違いを検討することができる。
3.常微分方程式と偏微分方程式の解法が理解でき、具体的な計算を行うことができる。また、得られた数値解と厳密解の違いを吟味することができる。
4.信号処理の用いられている各種変換の原理を説明でき、具体的な計算へと展開することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1連立一次方程式の数値計算法を理解し、解を求めることができる。また、コンピュータを用いて大規模方程式を扱う際の計算手法が理解できる。代数方程式の解を求めることができる。関数補間および近似式を行う際、各補間法および近似方法の違いを説明することができる。 連立一次方程式の数値計算法を理解し、解を求めることができる.連立一次方程式の数値計算法を理解できず、解を求めることができない.
評価項目2数値微分、数値積分の原理を理解し、具体的な計算を行うことができる。また、各種計算方法による数値解の違いを検討することができる。数値微分、数値積分の原理を理解し、具体的な計算を行うことができる。数値微分、数値積分の原理を理解できない.
評価項目3常微分方程式と偏微分方程式の解法が理解でき、具体的な計算を行うことができる。また、得られた数値解と厳密解の違いを吟味することができる。 常微分方程式と偏微分方程式の解法が理解でき、具体的な計算を行うことができる。常微分方程式と偏微分方程式の解法が理解できない.
信号処理の用いられている各種変換の原理を説明でき、具体的な計算へと展開することができる。 信号処理の用いられている各種変換の原理を説明できる.信号処理の用いられている各種変換の原理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータの発達とともにソフトウェアが充実し、各分野において情報処理やシミュレーション技術の発展は目覚しいものとなっている。本講義では、これらの数値処理あるいは数値演算の基礎となる数値計算法について学習し、各計算手法の概念および原理を理解するとともに具体的な事象へ展開できる能力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
数値計算に関係する各種計算原理を解説する。各授業内容に対し、簡単な例題を解くことで計算原理の理解を深める。
注意点:
計算手法の理解に留まらずに、具体的に計算を行う際の問題点、得られた解の精度など多面的な視点で数値計算を捉えることが大切である。
解析解が得られる問題を数値的に処理するなど、応用力を身につけることは重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 方程式の根 2分法およびニュートン法を用いて解を求めることができる。
2週 方程式の根 ベアストウ法を用いて方程式の解を求めることができる。
3週 連立一次方程式 ガウス-ジョルダン法を用いて方程式を解くことができる。
4週 連立一次方程式 ガウス-ザイデル法を用いて方程式を解くことができる。
5週 連立一次方程式 大規模連立方程式の解き方について説明することができる。
6週 連立一次方程式 大規模計算における効率的解法が理解できる。
7週 関数補間と近似式 ラグランジュの補間法により近似式を求めることができる。
8週 関数補間と近似式 最小二乗法による近似式を求めることができる。
2ndQ
9週 関数補間と近似式 チェビシェフ近似の原理が理解できる。
10週 数値微分 差分による数値微分を計算することができる。
11週 数値微分 数値微分の誤差解析を行うことができる。
12週 数値積分 台形公式を用いて数値積分ができる。
13週 数値積分 シンプソンの公式を用いて数値積分ができる。
14週 数値積分 二重積分の計算ができる。
15週 前期末試験 試験問題に対して,正しい解答を記述することができる。
16週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる。
後期
3rdQ
1週 常微分方程式 オイラーの前進公式により微分方程式を解くことができる。
2週 常微分方程式 ルンゲ-クッタ法により微分方程式を解くことができる。
3週 常微分方程式 高階常微分方程式の解法を説明することができる。
4週 常微分方程式 連立常微分方程式の解法を理解し,同方程式を解くことができる。
5週 偏微分方程式 同次型二階線形偏微分方程式の型を分類することができる。
6週 偏微分方程式 楕円型方程式の解法を理解し、同方程式を解くことができる。
7週 偏微分方程式 放物型方程式の解法を理解し、同方程式を解くことができる。
8週 偏微分方程式 双曲型方程式の解法を理解し、同方程式を解くことができる。
4thQ
9週 逆行列と固有値 逆行列の数値計算法が理解できる。
10週 逆行列と固有値 固有値、固有ベクトルを求めることができる。
11週 離散フーリエ変換 離散フーリエ変換の概念を説明することができる。
12週 離散フーリエ変換 離散フーリエ変換の高速化の原理を説明できる。
13週 ウェーブレット変換 ウェーブレット変換の特徴を説明することができる。
14週 ウェーブレット変換 連続ウェーブレット変換による信号処理を説明できる。
15週 ウェーブレット変換 離散ウェーブレット変換による信号処理を説明できる。
16週 学年末試験 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な連立方程式を解くことができる。3前1,前2
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後9,後10
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後9,後10
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後9,後10
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後1,後2,後3,後4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後4
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3後5
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前7,前8,前9
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前11
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。3
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。3
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。3
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000002050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000