情報工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 情報工学実験Ⅱ
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 情報工学実験II 指導書,その他都度PDF等で提供する
担当教員 山口 賢一,岡村 真吾,岩田 大志

到達目標

・実験の進め方を理解でき,測定機器,コンピュータ等を正しく取り扱うことができる
・計画的に実験計画を立て,自ら実行することができる
・標準的な実験報告書を計画的に作成することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータを用いて優れた分析・報告書作成を行うことができるコンピュータを用いて分析・報告書作成を行うことができるコンピュータを用いて分析・報告書作成を行うことができない
評価項目2グループメンバーと積極的に協力して実験を行い,適切な結果を求めることができるグループで実験を行い,結果を求めることができるグループで実験を行い,結果を求めることができない
評価項目3実験結果をもとに,優れた説明をすることができる実験結果をもとに,説明することができる実験結果をもとに,説明することができない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
オシロスコープなどの測定機器を利用して,ディジタル回路,アナログ回路の動作解析を行う。
また,ネットワーク上に潜む脅威について,実験室ネットワーク上で実験により確認し,その動作の理解ならびに対策について学習する。
また,卒業研究等をスムーズに行うために必要なスクリプト言語を書くための知識について習得する。
また,コンピュータを用いてデータ整理,加工,および結果の考察を行うことのできる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
アナログ回路とディジタル回路に関する実験を行い,それを題材としたコンピュータによるレポー
ト作成指導を行う。実験室ネットワークによるセキュリティ実験,スクリプト言語(Python)による
プログラミング実験も行う。
なお,授業計画は他の授業との関係等で前後する可能性があります.その際は,別途指示します.
注意点:
関連科目
情報リテラシ,ディジタル回路,論理回路I,II,コンピュータシステム概論,プログラミングI,II
計算機ネットワークI,II,情報セキュリティ,情報工学実験I,III
学習指針
全てにおいて受身でなく,能動的に準備,実験に取り組むこと。
(例:事前に実験テーマの予習をしておく。)

事前学習について:これまでに学習してきた情報工学実験IIの内容に関連する科目について,事前に復習をしておくこと.また,予め配布された指導書を用いて理解できるところ,理解できないところを明らかにしておくこと.
事後学習について:授業時間内に終了しなかった実験項目,指摘された追実験項目を遂行し,期日までに報告書を作成して提出できるようにすること.

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 全体ガイダンス 情報工学実験の目的,概要,進め方,実験報告書の書き方が理解できる。実験上の注意,安全指導を行う。
2週 実験リテラシ 実験に必要な知識をオシロスコープによる波形観測実験により理解できる。
3週 オシロスコープの実験 オシロスコープを用いて,各種波形を観測することができる。
4週 ワードプロセッサを用いたレポート作成 ワードプロセッサを用いたレポート作成ができる。
5週 レポート修正 指摘された修正点を期日までに修正することができる。
6週 レポート指導2 返却されたレポートを見直し,書き方が不十分な点を修正することができる。
7週 ディジタル回路実験1 RS,JK フリップフロップの動作を確認することができる。
8週 ディジタル回路実験2 FF を用いてカウンタを構成し,動作確認を行うことができる。
2ndQ
9週 ディジタル回路実験3 FF を用いてシフトレジスタを構成し,動作確認を行うことができる。
10週 ディジタル回路実験4 専用IC を用いて,カウンタのタイミングチャートを測定できる。
11週 ディジタル回路実験5 得られた実験結果を適切にまとめ,考察することができる。
12週 アナログ回路実験1 オペアンプの動作を確認することができる。
13週 アナログ回路実験2 反転増幅回路を構成し,動作確認を行うことができる。
14週 アナログ回路実験3 加算回路を構成し,動作確認を行うことができる。
15週 アナログ回路実験4 減算回路を構成し,動作確認を行うことができる。
16週 アナログ回路実験5 得られた実験結果を適切にまとめ,考察することができる。
後期
3rdQ
1週 サイバーセキュリティ基礎実験1-1 サイバーセキュリティ実験環境について理解できる。
2週 サイバーセキュリティ基礎実験1-2 httpによる通信内容を観測できる。
3週 サイバーセキュリティ基礎実験1-3 公開鍵証明書を作成することができる。
4週 サイバーセキュリティ基礎実験1-4 https による通信を観測し,httpによる通信との違いを理解できる。
5週 サイバーセキュリティ基礎実験1-5 Webサーバにおけるアクセス制限の設定をすることができる。
6週 サイバーセキュリティ基礎実験1-6 結果を班員でまとめて,プレゼンテーションを行うことができる。
7週 サイバーセキュリティ基礎実験2-1 Webサーバのログを解析できる。
8週 サイバーセキュリティ基礎実験2-2 SQLコマンドインジェクションの原理と影響を理解できる。
4thQ
9週 サイバーセキュリティ基礎実験2-3 SQLコマンドインジェクションへの対策を理解できる。
10週 サイバーセキュリティ基礎実験2-4 結果を班員でまとめて,プレゼンテーションを行うことができる。
11週 スクリプト言語実験1 python の実行方法について理解できる。
12週 スクリプト言語実験2 python の文法や基本的な構造について理解できる。
13週 スクリプト言語実験3 python を用いてデータ整理を行うことができる。
14週 スクリプト言語実験4 python を用いてテキストファイル処理を行うことができる。
15週 スクリプト言語実験5 python を用いて与えられた目的を実現する処理を実装できる。
16週 レポート返却,指導 返却されたレポートを見直し,書き方が不十分な点を修正することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3後11,後12,後13,後14,後15,後16
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3後11,後12,後13,後14,後15,後16
変数の概念を説明できる。3後11
データ型の概念を説明できる。3後11
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。3後11
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。3後11
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4後11
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4後11
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。4後11
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。3後11,後12,後13,後14,後15,後16
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。2後11,後12,後13,後14,後15,後16
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。1後11,後12,後13,後14,後15,後16
主要な計算モデルを説明できる。1後11,後12,後13,後14,後15,後16
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3後11,後12,後13,後14,後15,後16
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。3後11
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。3後11
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。3後11
情報通信ネットワークローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
インターネットの概念を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
主要なサーバの構築方法を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3後1
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3
基本的なフィルタリング技術について説明できる。3後1
その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4前12
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4前12
少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前4,前5,前6,前11,後16
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4前4,前5,前6,前11,後16
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。3前4,前5,前6,前11,後16
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
基本的な暗号化技術について説明できる。4後1
基本的なアクセス制御技術について説明できる。4後1
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後1
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。3前16
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。3前16
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。3前16
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。1後11,後12,後13,後14,後15,後16
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。1後11,後12,後13,後14,後15,後16
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。1後11,後12,後13,後14,後15,後16
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。1後16
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。1後16
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。4前7,前8,前9,前10,前11,後16
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。4前11
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4前11
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。3後11
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。3後11
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4後11

評価割合

レポート課題達成率合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100