応用数学α

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学α
科目番号 0066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「新応用数学」大日本図書、高遠節夫他著/教材:授業時に適宜プリントを配布をして演習を行うことがある。
担当教員 庄田 倫代

到達目標

内容理解ができているかどうかを確かめる目安として、教科書の「例題」と「問」が解け、解答が書けることを最低目標としてください。
各定期試験時での到達目標は次の通りです。
前期中間試験:実数関数の複素関数への拡張の意味が理解でき、複素関数のn乗根、対数、極限、微分などの計算ができる。また、複素関数の積分の意味が理解でき、その計算をすることができる。
前期末試験:複素関数の展開ができ、それを用いた留数の意味を理解し積分計算ができる。関数のフーリエ級数、フーリエ変換を理解しそれらを求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
複素数の四則演算複素数の性質を理解して四則演算の計算ができる。複素数の四則演算の計算ができる。複素数の四則演算の計算ができない。
複素関数実関数の複素関数への拡張の意味が理解でき、指数・対数、極限、微分などの計算ができる。複素関数の指数・対数、極限、微分などの計算ができる。複素関数の指数・対数、極限、微分などの計算ができない。
複素積分複素積分の意味が理解でき、その計算ができる。複素積分の計算ができる。複素積分の計算ができない。
コーシーの積分定理コーシーの積分定理を理解し、それを用いて積分計算ができる。コーシーの積分定理を用いて積分計算ができる。コーシーの積分定理を用いて積分計算ができない。
複素関数の展開複素関数のテイラー展開、ローラン展開、収束半径の計算ができ、孤立特異点の判別ができる。複素関数のテイラー展開、ローラン展開、収束半径が計算できる。複素関数のテイラー展開、ローラン展開、収束半径が計算できない。
留数留数の意味を理解し、その計算ができる。留数の計算ができる。留数の計算ができない。
フーリエ級数フーリエ級数を理解し、その計算ができる。フーリエ級数の計算ができる。フーリエ級数の計算ができない。
フーリエ変換フーリエ変換を理解し、その計算ができる。フーリエ変換の計算ができる。フーリエ変換の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-1 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
複素数の復習から始めます。まず複素数の演算と複素平面との関係を調べます。次に3 年生までに学んだ基本的な実数を変数とする関数について、複素数を変数とする関数への拡張を考えてその微分積分を考えます。複素数を変数とする関数の積分の計算に用いられる留数定理が、実数を変数とする積分の計算に応用されることもここで学びます。後半はフーリエ級数とフーリエ変換を学びます。複雑な関数をより簡単な関数の和で表現するこの手法は広く応用されるものとなっています。
授業の進め方・方法:
教室での座学が中心です。新しい内容について説明したあと、演習問題に取り組み,各自の理解度を確認します。また、定期試験返却時にはその解説を行い、試験範囲の総復習をします。
注意点:
関連科目:微分積分Ⅰ、微分積分Ⅱ、数学特論α、数学特論β、応用数学β、応用物理Ⅱ、各専門科目
学習指針:応用数学αでの学習内容は物理や専門科目においてもよく使われる基礎的で重要な内容です。よく理解して、容易に計算が出来るようにしておくことが大事です。そのためには授業をよくきき、そのノートを参考にしながら、演習問題に何度も取り組んで下さい。

事前学習・・・あらかじめ授業内容に該当する部分の教科書を読み,理解できるところ,理解できないところを明らかにしておく.
事後展開学習・・・授業で宿題プリントを配布するので自分で解き,次の授業時に提出する.

学修単位の履修上の注意

自学自習として上記の事前学習と事後展開学習に取り組んだうえで,提出された宿題プリントを自学自習部分(課題30点満点)として評価する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数とその極形式 複素数を極形式を用いて表現でき、その演算と複素平面上の点の動きとの対応が理解できる。
2週 複素関数 複素関数によりどんな図形がどんな図形に写されるかを調べられる。また、複素関数の極限や微分の計算ができる。
3週 コーシー・リーマンの関係式、逆関数 コーシー・リーマンの関係式を用いて関数の正則性を判定できる。逆関数の考え方を用いて複素数のn乗根、対数の計算ができる。
4週 複素積分とその性質 複素積分の意味を理解し簡単な関数の複素積分の計算ができる。絶対値を用いた不等式、複素積分の性質を用いて積分計算ができる。
5週 不定積分とコーシーの積分定理 不定積分、コーシーの積分定理の意味が理解でき、それらを用いた積分計算ができる。
6週 コーシーの積分定理の応用 コーシーの積分定理を応用した定理を用いた積分計算ができる。
7週 コーシーの積分表示 コーシーの積分表示を用いた積分計算ができる。
8週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
2ndQ
9週 数列と級数、関数の展開 複素数の数列の極限、和の計算ができる。また、複素関数のテイラー展開、ローラン展開、収束半径が求められる。
10週 孤立特異点と留数 孤立特異点と留数を求めることができ、それを応用した実数関数の広義積分の計算ができる。
11週 留数定理 留数定理を用いて複素積分の計算ができる。また、それを応用した実数関数の定積分の計算ができる。
12週 フーリエ級数、一般周期のフーリエ級数 簡単な周期2nの関数のフーリエ級数、一般周期の関数のフーリエ級数を求めることができる。
13週 複素フーリエ級数、フーリエ変換と積分定理 簡単な一般周期の関数の複素フーリエ級数を求めることができる。関数のフーリエ変換ができそれを用いて積分計算ができる。
14週 フーリエ変換の性質と公式、スペクトル フーリエ変換の性質と公式を用いてより複雑な関数のフーリエ変換ができる。関数のスペクトル計算ができサンプリング定理に利用できる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前2

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000