情報工学特論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 情報工学特論
科目番号 0067 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書に基づく.適宜プリント等を配布する.
担当教員 市川 嘉裕

到達目標

講義内容を理解すること,理解に基づき関連する内容を自分で考えられる力を身に着けることを目標とする.これには深い理解が必要である.
1.学習メカニズムを理解することができる
2.マルチエージェント学習を理解することができる
3.未知の物事について自学することができる
4.世の中の事象と計算モデルを結びつけて考えることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1学習メカニズムを理解し,考えを述べることができる学習メカニズムを理解することができる学習メカニズムを理解することができない
評価項目2マルチエージェント学習を理解し,考えを述べることができるマルチエージェント学習を理解することができるマルチエージェント学習を理解することができない
評価項目3未知の物事について自学し,考えを述べることができる未知の物事について自学することができる未知の物事について自学することができない
評価項目4世の中の事象と計算モデルを柔軟に結びつけて考えることができる世の中の事象と計算モデルを結びつけて考えることができる世の中の事象と計算モデルを結びつけて考えることができない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (b) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 A-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
昨今は人工知能の発展が目覚ましく,特に人間のプロフェッショナルとの1対1の対戦においてもプログラムが優位になってきている.本講義では,自律的なソフトウェア(エージェント)がそれら同士で協調して環境に適応するには,エージェントは何をどのように学習すべきかについて,基本的な機械学習メカニズムと具体的な研究事例の紹介を通して理解を深めることを目的とする.
授業の進め方・方法:
参考書の内容に従って,マルチエージェントシステム,学習メカニズム,分散学習,協調学習,組織学習などについて解説し,適宜補助教材を用いて補強を行う.授業参加の活性化のため,学生を指名して回答を求める場合がある.
注意点:
関連科目
人工知能(本科5年)
プログラミングI,II,III

学習指針
専門的な予備知識はなくとも理解できる講義を行うが,各週しっかりと理解すること.

自己学習
授業に関連するレポート課題を出すが,課題がない週もしっかり内容を復習すること.
Web等でキーワードを調べれば比較的多くの資料が見つかる.

参考書
マルチエージェント学習 ―相互作用の謎に迫る―,高玉圭樹 著,コロナ社

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 内容の全体的な説明と到達目標,評価について確認する
2週 エージェントとはなにか 反射エージェント,内部状態に基づくエージェント,ゴールに基づくエージェント,効用に基づくエージェント,学習するエージェントについて理解する
3週 マルチエージェントシステム マルチエージェントシステムの位置づけ,研究対象を整理し,利点を理解する
4週 学習メカニズム マルコフ決定過程,政策,ルールの価値,行動選択手法についてマスターし,次回以降に備える
5週 グループワーク 学習メカニズムを用いた問題解決について,グループで議論し,まとめる
6週 グループワーク 学習メカニズムを用いたプログラミングをグループで行い,結果を求める
7週 グループワーク 前週に導いた結果をまとめ,発表準備をする
8週 グループワーク発表 グループワークの成果を発表する.発表者以外は質問や評価を試みる
4thQ
9週 分散学習1 コミュニケーションなしでの協調について,研究事例を通して理解を深める
10週 分散学習2 マルチロボットの操作について,研究事例を通して理解を深める
11週 協調学習1 共有について,研究事例を通して理解を深める
12週 協調学習2 言語と意味の獲得について,研究事例を通して理解を深める
13週 社会的学習1 組織学習について,研究事例を通して理解を深める
14週 社会的学習2 役割分担について,研究事例を通して理解を深める
15週 マルチエージェント学習の難しさ 状態空間の爆発問題,同時学習問題,不完全知覚問題,信頼度割り当て問題といった本質的な問題についてよく理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。3
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合020101060100
基礎的能力01010103060
専門的能力010003040
分野横断的能力000000