数値計算・統計

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数値計算・統計
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「数値計算法」、森北出版、三井田惇郎・須田宇宙(著) および必要に応じて適宜授業資料を配布する。また、統計分野の参考書として「統計学のセンス デザインする視点・データを見る目」朝倉出版、丹後哲郎(著)、「統計学の図鑑」技術評論社、涌井良幸、涌井貞美(著)がある。
担当教員 松村 寿枝

到達目標

連立一次方程式の数値計算法を理解し、解を求めることができる。関数補間および近似式を行う際、各補間法および近似方法の違いを説明することができる。数値微分、数値積分の原理を理解し、具体的な計算を行うことができる。また、逆行列、固有値について理解し、求めることができる。
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、有効性を検証するための検定方法を理解し、説明できる。
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1連立一次方程式の数値計算法を理解し、解を求めることができる。 また、コンピュータを用いて大規模方程式を扱う際の計算手法が理解できる。 連立一次方程式の数値計算法を理解し、解を求めることができる。連立一次方程式の数値計算法を理解し、解を求めることができない。
評価項目2関数補間および近似式を行う際、各補間法および近似方法の違いを説明し、コンピュータを用いてとくことができる。関数補間および近似式を行う際、各補間法および近似方法の違いを説明することができる。関数補間および近似式を行う際、各補間法および近似方法の違いを説明することができない。
評価項目3数値微分、数値積分の原理を理解し、具体的な計算をコンピュータを用いて行うことができる。数値微分、数値積分の原理を理解し、説明することができる。数値微分、数値積分の原理を理解し、説明することができない。
評価項目4コンピュータ上でのベクトルの扱い、逆行列、固有値について理解し、コンピュータを用いて求めることができる。コンピュータ上でのベクトルの扱い、逆行列、固有値について理解し、説明することができる。 コンピュータ上でのベクトルの扱い、逆行列、固有値について理解し、説明することができない。
評価項目5実験データや実際のデータを用いて、誤差解析、有効桁数の評価、基本統計量の求め方、検定を適切に行うことができる。実験データや実際のデータを用いて誤差解析、有効桁数の評価、基本統計量の求め方、検定について説明することができる。実験データや実際のデータを用いて誤差解析、有効桁数の評価、基本統計量の求め方、検定について説明できない。
評価項目6実験データの違いによってグラフ、表など適切に選び表現できる。グラフ、表の種類の違いを説明することができる。グラフ、表の種類の違いを理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータの発達とともにソフトウェアが充実し、各分野において情報処理やシミュレーション技術の発展は目覚し いものとなっている。本講義では、これらの数値処理あるいは数値演算の基礎となる数値計算法について学習する。
更に実験データを取り扱う際に必要なグラフや表の選択、統計量の意味や各種検定方法などについても学ぶ。
※実務との関係
この科目は、企業等で画像処理、音声処理、教育用システムの開発を担当していた教員がその経験を活かし、データ分析や処理などの数値計算・統計に関する技術的な項目を講義形式で行う授業である。
授業の進め方・方法:
数値計算に関係する各種計算原理を解説する。また、統計量や表やグラフについて、各種検定について説明を行う。
各授業内容に対し、簡単な課題を解くことで、内容の理解を深める。
注意点:
計算手法の理解に留まらずに、具体的に計算を行う際の問題点、得られた解の精度など多面的な視点で数値計算を捉え ることが大切である。
実際の実験報告書などを書くうえでも重要であるため、本授業だけにとどまらず、実験報告書や他の授業の各種レポートでも本授業の内容を実践してほしい。
自己学習
   事前学習・・・あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、理解できるところ、理解できないところを明らかにしておく。
事後展開学習・・・講義で使用したパワーポイント資料を読んで復習をする。また、授業中に出された課題を締め切りまでに必ず解いて提出をすること。

学修単位の履修上の注意

事前に講義内容に該当する部分の教科書や配布される授業資料を読み、理解を深めておくこと。課題や教科書に掲載されている演習問題を自学自習時間に解き、わからない点についてはオフィースアワーの時間などを利用して質問し、理解を深めておくこと

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 研究・実験デザイン 研究・実験デザインの考え方、重要な点について理解し、研究・実験デザインができる。
2週 方程式の根 2分法、ニュートン法、ベアストウ法の違いを理解し、課題を解くことができる。
3週 連立一次方程式 ガウス-ジョルダン法を用いて方程式を解くことができる。
4週 連立一次方程式 ガウス-ザイデル法を用いて方程式を解くことができる。
5週 関数補間と近似式 ラグランジュ補間、最小2乗法などの関数補間法を理解し、課題を解くことができる。
6週 数値微分 差分による数値微分を計算することができる。
7週 数値積分 台形公式、シンプソンの公式を用いて数値積分ができる。
8週 常微分方程式 オイラーの前進公式、ルンゲ-クッタ法により微分方程式を解くことができる。
4thQ
9週 ベクトル、逆行列と固有値 コンピュータ上でのベクトルの扱いを理解することができる。逆行列、固有値、固有ベクトルを理解し、求めることができる。
10週 データ処理と誤差 実験データや実際のでータを用いて誤差解析、有効桁数の評価について理解し、データ収集に使用することができる。
11週 基本統計量 実験データや実際のでータを用いて誤差、平均・分散・標準偏差の意味を理解し、求めることができる。
12週 グラフ グラフ、表の違いを理解し、実験データに応じて適切なグラフ、表を書くことができる。
13週 相関係数・回帰直線 2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。
14週 仮説検定 仮説検定の考え方を理解し、実験データに適応することができる。
15週 区間推定 区間推定の考え方を理解し、実験データに適応することができる。
16週 学年末試験 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足す ることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な連立方程式を解くことができる。3後3,後4
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後9
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後9
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後9
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。1後6,後8
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3後11,後13
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3後5,後13
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後1,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4後1,後12,後14,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4後12,後13
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。3後12,後15

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力201030
分野横断的能力101020