到達目標
1.OSの役割について理解し,説明することができる.
2.プロセス管理,スケジューリングについて理解し,説明することができる.
3.排他制御について理解し,説明することができる.
4.主記憶管理について理解し,説明することができる.
5.ファイル管理について理解し,説明することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | OSの役割について理解し,使用目的に応じて, OSの適切な選択ができる. | OSの役割について理解し,説明することができる. | OSの役割について理解し,説明ができない. |
評価項目2 | プロセス管理,スケジューリングについて理解し,場合に応じて適切なスケジューリングアルゴリズムの選択ができる. | プロセス管理,スケジューリングについて理解し,説明することができる. | プロセス管理,スケジューリングについて理解し,説明ができない. |
評価項目3 | 排他制御について理解し,排他制御の実装方法が理解できる. | 排他制御について理解し,説明することができる. | 排他制御について理解し,説明ができない |
評価項目4 | 主記憶管理について理解し,OSの違いによる主記憶管理の違いを長所と短所も含めて,適切に説明ができる. | 主記憶管理について理解し,説明することができる. | 主記憶管理について理解し,説明ができない. |
評価項目5 | ファイル管理について理解し,異なったデバイスのファイル管理の違いについて説明ができる. | ファイル管理について理解し,説明することができる. | ファイル管理 について理解し,説明することができない. |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
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JABEE基準 (d-1)
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JABEE基準 (d-2b)
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システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2
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システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1
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教育方法等
概要:
オペレーティングシステムは,コンピュータを使う上で基本的でかつ不可欠なソフトウェアである.本講義では,オペレーティングシステムの役割,機能,仕組みの基本を理解することを目的とする.
※実務との関係
この科目は、企業等で画像処理、音声処理、教育用システムの開発を担当していた教員がその経験を活かし、OSに関する技術的な項目を講義形式で行う授業である。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.オペレーティングシステムの役割,機能,仕組みについて具体例を挙げながら解説し,理解を深める.演習問題や課題,小テストにより各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目
OSはコンピュータの基本的なソフトウェアであるため,「情報工学概論」,「コンピュータシステム概論」,「コンピュータアーキテクチャ」などコンピュータ関連の科目との関連が深い.
学習指針
講義中にオペレーティングシステムを使用し演習することは出来ないが,実際にいろいろなオペレーティングシステムに触れて理解を深めて欲しい.講義中に生じた疑問をそのままにせず,積極的に質問すること.また,講義内容はその講義中に理解する努力をすること.
自己学習
事前学習・・・あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、理解できるところ、理解できないところを明らかにしておく。
事後展開学習・・・講義で使用したパワーポイント資料を読んで復習をする。習ったところの章末問題を解いて、答え合わせをしておく。
学修単位の履修上の注意
事前に講義内容に該当する部分の教科書を読み、理解を深めておくこと。課題や教科書に掲載されている演習問題を自学自習時間に解き、わからない点についてはオフィースアワーの時間などを利用して質問し、理解を深めておくこと
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
OS序論 |
OSの役割,ハードウェアの仮想化,スケジューリングについて理解し,説明することができる.
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2週 |
プロセス |
割り込み,プロセス状態遷移について理解し,説明することができる.
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3週 |
スケジューリング |
スケジューリング方式について理解し,説明することができる.
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4週 |
排他制御 |
プロセスの競合,Dekkerの方法,割り込み制御について理解し,説明することができる.
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5週 |
セマフォ,モニタ |
PV命令,プロセス協調問題,オブジェクト指向,モニタの原理について理解し,説明することができる.
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6週 |
主記憶管理 |
下限レジスター,ロック・キー機構について理解し,説明することができる.
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7週 |
主記憶割当 |
主記憶確保について理解し,説明することができる.
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8週 |
主記憶割当 |
再配置,オーバーレイについて理解し,説明することができる.
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2ndQ |
9週 |
ページング |
主記憶の動的再配置について理解し,説明することができる.
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10週 |
セグメンテーション |
ページ化セグメンテーション,多重レベルページングについて理解し,説明することができる.
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11週 |
仮想記憶 |
スワップIN/OUT,参照局所性について理解し,説明することができる.
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12週 |
ページ置換え方式 |
FIFO, LRU, Beladyの例外について理解し,説明することができる.
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13週 |
ファイル基礎 |
順次アクセス,直接アクセス,ディレクトリについて理解し,説明することができる.
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14週 |
ファイルシステム |
ディスクキャッシュ,非同期入出力について理解し,説明することができる.
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく説くことができる.
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | 前1 |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | 前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12 |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | 前3 |
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。 | 3 | 前1 |
コンピュータシステム | 集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。 | 2 | 前1,前2 |
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。 | 2 | 前1,前2 |
ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。 | 3 | 前1 |
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。 | 3 | 前13,前14 |
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。 | 3 | 前1 |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 4 | 前1 |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | 前4,前5 |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | 前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12 |
情報通信ネットワーク | プロトコルの概念を説明できる。 | 1 | 前4 |
その他の学習内容 | コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。 | 2 | 前1 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 40 | 80 |
専門的能力 | 20 | 0 | 20 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |