信号処理

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 信号処理
科目番号 0091 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:信号処理入門,出版社:オーム社,著者:佐藤幸男  教材:ホームページ参照(http://www.info.nara-k.ac.jp/~matsuo/JYUGYO/SIGNAL/signal.html)
担当教員 松尾 賢一

到達目標

1.信号を処理する上で必要な基本的な知識である,標本化,量子化,周波数,振幅,位相が説明でき,それらを基に,様々なディジタル信号波形を図形化できる.
2.ディジタル信号を分析処理する前に入力波形に対して実施される前処理を,ディジタル信号に対して施すことができる.
3.2つのディジタル信号間の関係性を明らかにする方法の説明およびそれらを定量的に分析することができる.
4.信号の周波数特性や周波数領域での入力信号の特性,入力信号を解析する方法が説明でき,実際のディジタル信号に対して,周波数領域での処理ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1信号を処理する上で必要な基本的な知識である,標本化,量子化,周波数,振幅,位相が説明でき,それらを基に,様々なディジタル信号波形を図形化でき,それらの処理をプログラミングできる.信号を処理する上で必要な基本的な知識である,標本化,量子化,周波数,振幅,位相が説明でき,それらを基に,様々なディジタル信号波形を図形化できる.信号を処理する上で必要な基本的な知識である,標本化,量子化,周波数,振幅,位相が説明でき,それらを基に,様々なディジタル信号波形を図形化できない.
評価項目2ディジタル信号を分析処理する前に入力波形に対して実施される前処理を,ディジタル信号に対して施すことができ,それらの処理をプログラミングできる.ディジタル信号を分析処理する前に入力波形に対して実施される前処理を,ディジタル信号に対して施すことができる.ディジタル信号を分析処理する前に入力波形に対して実施される前処理を,ディジタル信号に対して施すことができない.
評価項目32つのディジタル信号間の関係性を明らかにする方法の説明およびそれらをプログラムによって定量的に分析することができる.2つのディジタル信号間の関係性を明らかにする方法の説明およびそれらを定量的に分析することができる.2つのディジタル信号間の関係性を明らかにする方法の説明およびそれらを定量的に分析することができない.
評価項目4信号の周波数特性や周波数領域での入力信号の特性,入力信号を解析する方法が説明でき,実際のディジタル信号に対して,プログラムによって周波数領域での処理ができる.信号の周波数特性や周波数領域での入力信号の特性,入力信号を解析する方法が説明でき,実際のディジタル信号に対して,周波数領域での処理ができる.信号の周波数特性や周波数領域での入力信号の特性,入力信号を解析する方法が説明でき,実際のディジタル信号に対して,周波数領域での処理ができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年,様々な媒体による情報伝達が盛んに行われている.しかしながら,伝達する情報が増えるほど,その処理時間は増大の傾向にある.このとき,従来のアナログ信号をディジタル信号に置き換えることで,数多くの恩恵を我々にもたらしてくれる.この恩恵は,どこで得られているのだろうか,また,どのような理由から恩恵がえられているのだろうか?その謎を明らかにしながら,ディジタル信号に対する一般的な処理手法について教授するとともに,パソコンを用いて信号解析をすることができる能力を身につける.
授業の進め方・方法:
座学と演習を交えた授業形式である.また,講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を実習内容報告レポートおよび確認する.
注意点:
 関連科目:情報理論,制御工学と深く関連する.
 学習指針:行列,ベクトル,確率など数学の復習をしておくことが望ましい.わからないところはそのままにせず,その都度質問をすること.
 自己学習:目標を達成するために,授業時間以外にも予習復習を怠らないようにすること.また,テストや関連課題の取組みにしっかり時間をかけること.
 事前学習:授業開始前にHPから実習内容の予備知識を得ておくこと.
 事後展開学習:授業ごとに演習や課題を準備しているので,授業内容を参考にして,自分で解いて後日提出する.

学修単位の履修上の注意

事前学習は,課題レポート60%で,自己展開学習は,実習・テスト40%で,基本的に提出された成果物やレポート内容によって評価する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 信号処理とは 信号処理の必要性について理解できる.
2週 標本化と量子化 標本化と量子化での信号の性質の変化について理解できる.
3週 移動平均 移動平均の原理とその効果を理解できる.
4週 移動平均の周波数特性 移動平均の処理が波形に与える影響を周波数領域で確認できる.
5週 信号と雑音 信号と雑音の性質を理解できる.
6週 正規直交基 ベクトル間の内積により,直交性を調べ,波形の基本的な成分を調べられる.
7週 正規直交関数系 ベクトル間の直交性を関数間まで拡張し,関数間での類似性を調べられる .
8週 フーリエ級数展開 フーリエ級数展開をパソコンによって自力で行える.
4thQ
9週 相互相関関数 相互相関関数の原理とその効果を確認できる.
10週 自己相関関数 自己相関関数の原理とその効果を確認できる.
11週 複素フーリエ級数展開 振幅,位相,パワースペクトルが理解でき,実際にスペクトルの分析ができる.
12週 離散フーリエ変換 離散フーリエ変換について理解でき,離散フーリエ変換できるプログラムを自力で作成できる.
13週 離散フーリエ逆変換 離散フーリエ逆変換について理解でき,離散フーリエ変換できるプログラムを自力で作成できる.
14週 高速離散フーリエ変換 高速離散フーリエ変換について理解でき,離散フーリエ変換できるプログラムを自力で作成できる.
15週 高速離散フーリエ逆変換 高速離散フーリエ逆変換について理解でき,離散フーリエ変換できるプログラムを自力で作成できる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4後6,後7,後8
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4後4,後12,後13,後14,後15
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4後2,後5
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。4後2,後5
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。4後3,後4,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13,後14,後15
その他の学習内容メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後14
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。4後2,後5

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力503080
専門的能力101020