基礎数学β

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 基礎数学β
科目番号 0004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「新版 基礎数学(改訂版)」,実教出版,岡本和夫 編/「新版 基礎数学演習(改訂版)」,実教出版,岡本和夫 編
担当教員 飯間 圭一郎

到達目標

何となく理解するのではなく,自力で問題が解けなければ意味がありません.定期試験ごとに,以下の項目に関する教科書の問題と問題集のA問題が完全に解けること.

前期中間試験 :(1)平方根と複素数の計算,展開・因数分解を理解して2次方程式を解く(2)2次方程式の判別式,解と係数の関係 (3)2次関数のグラフとその平行移動 (4)2次関数の最大値・最小値

前期末試験 :(1)グラフで2次不等式を解く (2)内分と外分 (3)直線のグラフと式の関係(4)円の方程式と接線

後期中間試験 :(1)2次曲線(放物線・だ円・双曲線)の方程式 (2)不等式の表す領域を図示し,領域における最大値・最小値を計算する(3)集合の基本的な性質 (4)順列の個数を数え上げる

学年末試験 :(1)組合せ,円順列,重複順列や同じものを含む順列の個数を数え上げる (2)二項定理 (3)命題と証明の基本事項

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目12次関数の標準形を求めることができ、グラフの平行移動と関連付けて理解している。また、2次方程式の解を求めることができ、2次関数の最大値・最小値問題を解くことができる。 2次方程式の解を求めることができ、2次関数の標準形を求めることができる。 2次方程式の解を求めることができず、2次関数の標準形を求めることができない。
評価項目22次方程式の解の判別ができ、解と係数の関係を理解している。また、2次方程式の解と2次関数のグラフとの関係を理解し、2次不等式および連立不等式を解くことができる。 2次方程式の解の判別ができ、2次不等式および連立不等式を解くことができる。 2次方程式の解の判別ができず、2次不等式および連立不等式を解くことができない。
評価項目3線分の内分点・外分点の座標、および平面上の直線や円の方程式を求めることができ、直線や円が定まる条件について説明できる。 線分の内分点・外分点の座標が計算でき、平面上の直線や円の方程式を求めることができる。 線分の内分点・外分点の座標が計算できず、平面上の直線や円の方程式を求めることができない。
評価項目42次曲線の性質を説明でき、直線との共有点と2次方程式の解の判別との関係を理解している。 2次曲線の方程式からグラフを描くことができる。 2次曲線の方程式からグラフを描くことができない。
評価項目5様々な不等式の表わす平面上の領域を求めることができ、領域内の最大値・最小値問題を解くことができる。 不等式の表わす平面上の領域を求めることができる。 不等式の表わす平面上の領域を求めることができない。
評価項目6集合、順列、組合せの考え方を理解し、場合の数を計算できる。また、命題の必要・十分条件を理解し、命題の証明ができる。 具体的な集合の和集合などを求めることができ、順列や組合せの場合の数を計算できる。また、命題の証明ができる。 具体的な集合の和集合などを求めることができず、順列や組み合わせの場合の数を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・2次方程式・不等式を学習し,2次関数のグラフと方程式・不等式の解との関係を調べる.
・平面上の直線,円の性質を調べ,2直線の平行・垂直の関係,直線と円との関係を調べる.
・2次曲線(放物線・だ円・双曲線)の基本的な性質を調べる.
・集合の基礎・個数の数え上げ・命題と証明を学習する.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.授業中に問題演習に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目
基礎数学βは1年生だけでなく2年生以降のいろいろな科目と関連している.数学だけでなく物理・化学や多くの専門科目とつながっている.理科や専門科目に興味を持ち,さまざまな事柄を理解して欲しい.グラフを書き,式を計算してその関連を考えて理解を深めて下さい.
自己学習:例題や問題集に挑戦しながら具体的に考えることを強く勧めます。自分なりに理解出来るまで、教科書とノートを見て地道に繰り返し、復習をする必要があります。
事前学習:教科書の学習する単元の前後を見ておいてください。  事後発展学習:講義で演習プリントを配布するので解答を書き次の授業時に提出して下さい。

学習指針
数学の内容は抽象的なため分かりにくいことが多いようです.最初から記号や言葉の意味を頭で理解しようとせずに,出来るだけ具体的な問題(例題)を通して手を動かしながら考えていくことを勧めます.細かいことを気にせずに大筋をつかむように勉強していくとよいでしょう.計算の仕方と理論がわかれば数学は非常におもしろいものです.そのためには,授業中,集中して自分の頭で理解すること.手を動かすこと.ノ-トを写しただけでは,理解したことにはなりません.自分なりに内容をかみくだいて納得できるまで,頭を働かせることが重要です.そして宿題を,時間をかけてこつこつと解いていくことが大切です.復習を主とする地道な家庭学習を心がけて下さい.疑問点がある場合には授業中だけでなく,質問に来て下さい.

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基本的な2次関数のグラフ 2次関数y= ax^2のグラフの性質を説明できる
2週 2次関数のグラフの平行移動,2次関数の標準形 2次関数y=ax^2のグラフをx 軸,y 軸方向へ平行移動でき,2次関数y=ax^2+bx+cを標準形に変形できる
3週 2次関数の決定 グラフが与えられた条件をみたす2次関数を求められる
4週 2次関数の最大・最小 2次関数の最大値・最小値を求めることができる
5週 2次方程式の解法・判別式 因数分解や平方根を用いて2次方程式を解くことができ,2次方程式の解が実数であるかどうか判定できる
6週 解と係数の関係・2次式の因数分解 解と係数の関係を説明でき2次方程式の解を用いて2次式を因数分解できる
7週 2次関数のグラフと2次方程式の解 2次方程式の解と,2次関数のグラフとの関係を説明することができる
8週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
2ndQ
9週 不等式とその解 不等式の基本的な性質が説明でき,1次方程式を解くことができる
10週 2次不等式の解法 2次関数のグラフを用いて,2次不等式の解を求めることができる
11週 絶対値と方程式・不等式 絶対値を含む方程式および不等式の解を求めることができる
12週 平面上の点 線分の内分・外分点の座標を求めることができる
13週 直線の方程式 平面上の直線の方程式を求めることができる
14週 円の方程式,円の接線の方程式 平面上の円の方程式および円の接線の方程式を求めることができる
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する
後期
3rdQ
1週 放物線・楕円 放物線および楕円の基本的な性質を説明できる
2週 双曲線,図形の移動 双曲線の基本的な性質およびf(x,y)=0で表される図形の移動について説明できる
3週 不等式の表す領域 不等式・連立不等式をみたす平面上の点の集まりを求めることができる
4週 領域における最大・最小 領域内の点(x, y)に対して,ax+byの最大値・最小値を求めることができる
5週 集合の定義と性質 集合の考えかたとその基本的な性質を説明できる
6週 要素の個数と場合の数 集合の要素の個数と,ある事柄が起こる場合の数を数えることができる
7週 順列 異なるものを一列に並べる場合の数を求めることができる
8週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
4thQ
9週 組合せ 異なるものからいくつかを取り出す場合の数を求めることができる
10週 いろいろな順列 円順列,重複順列,同じものを含む順列の総数を求めることができる
11週 二項定理 式(a+b)^nを展開したときの係数を求めることができる
12週 条件と命題 命題の真偽を判定し,必要条件・十分条件を説明できる
13週 命題と証明(1) 条件の否定および命題とその逆・裏・対偶との関係を説明でき,対偶を利用して命題の証明ができる
14週 命題と証明(2) 背理法および数学的帰納法を使って命題の証明ができる
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000