科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学
科目番号 0008 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質化学工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「化学基礎 改訂版」(啓林館),「化学 改訂版」(啓林館)/「センサ総合 化学基礎+化学」(啓林館),「フォローアップドリル化学基礎「物質量・化学反応式」(数研出版)
担当教員 三木 功次郎

到達目標

1. 物質の構成が理解できる,物質の構成粒子が理解できる,粒子の結合が理解できる
2. 物質量と化学反応式が理解できる,酸と塩基,pH,中和反応、塩,弱酸および弱塩基が理解できる
3. 酸化還元反応,電池・電気分解が理解できる
4. 熱化学方程式・ヘスの法則,気体の性質が理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 物質の構成,物質の構成粒子、粒子の結合について的確に説明することができる物質の構成,物質の構成粒子、粒子の結合について説明することができる物質の構成,物質の構成粒子、粒子の結合について的確に説明することができない
評価項目2物質量と化学反応式,酸と塩基について的確に説明することができ、これらの計算問題に正しく答えることができる物質量と化学反応式,酸と塩基について説明することができ、これらの計算問題に答えることができる物質量と化学反応式,酸と塩基について説明することができず、これらの計算問題に正しく答えることができない
評価項目3酸化還元反応,電池・電気分解が的確に説明することができ、これらの計算問題に正しく答えることができる酸化還元反応,電池・電気分解が説明することができ、これらの計算問題に答えることができる酸化還元反応,電池・電気分解が的確に説明することができず、これらの計算問題に正しく答えることができない
評価項目4熱化学方程式・ヘスの法則,気体の性質が的確に説明することができ、これらの計算問題に正しく答えることができる熱化学方程式・ヘスの法則,気体の性質が説明することができ、これらの計算問題に答えることができる熱化学方程式・ヘスの法則,気体の性質が説明することができず、これらの計算問題に答えることができない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義は,物質化学工学科の専門科目を学ぶ上での基礎作りという重要な意味を持っています。物質の構成や物質の変化について,分子・原子・イオンなどの基本的な構成粒子の概念を基に,さまざまな化学反応を考えていきます。また,化学において粒子数を表す基本単位の「モル」を用いて,化学反応の量的な関係について講義・演習を行います。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心となります。講義項目ごとに配布する予習プリント・課題プリントおよび問題集に取り組めるようにして,各自の理解度を深めます。また,小テストを実施することで,各自の理解度を確認します。定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消します。なお,授業は標準的なレベルを主に行います。より高度なレベルを目指す人は,下記の参考書などを用いて自分で勉強してください。
注意点:
関連科目
化学演習Ⅰ(1年,1単位)および分析化学Ⅰ(1年,1単位)に関連しています。
学習指針
基本的に予習(教科書を読み,内容を理解する)を前提に授業を進めます。授業中に演習問題を解く時間を与え,理解を深めます。宿題(問題集)は自分で考えて答えを導いた後,解答を参考にして,分からなかった点について理解を深めるようにしてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション・物質の構成 化学についての学習の意義や内容・評価の方法を理解できる。化学と人間生活について理解できる
2週 物質の構成 混合物と純物質を理解できる
3週 物質とその成分・粒子の熱運動 物質とその成分,物質の三態と熱運動を理解できる
4週 物質の構成粒子 原子の構造,電子配置、同位体を理解できる。
5週 物質の構成粒子 イオンの性質を理解できる。周期表と元素の分類を理解できる
6週 粒子の結合 イオン結合,共有結合,配位結合を理解できる
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる
8週 試験返却
粒子の結合
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。共有結合の物質,電子軌道,金属結合と金属を理解できる
2ndQ
9週 物質量と化学反応式 原子量・分子量・式量を理解できる
10週 物質量と化学反応式 物質量,溶液の濃度,化学反応式を理解できる
11週 物質量と化学反応式 化学反応式の量的関係を理解できる
12週 酸と塩基の反応 酸と塩基の性質を理解できる
13週 酸と塩基の反応 水の電離と水溶液のpH,中和反応が理解できる。中和反応の計算ができる
14週 酸と塩基の反応 塩,弱酸・弱塩基の遊離が理解できる。塩の加水分解が理解できる
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる
16週 試験返却 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる
後期
3rdQ
1週 酸化還元反応 酸化と還元、酸化数が理解できる。酸化剤と還元剤が理解できる。
2週 酸化還元反応 酸化還元反応の量的関係 が理解できる。イオン化傾向が理解できる。
3週 酸化還元反応 金属の酸化還元反応が理解できる。電池の仕組みが理解できる。
4週 酸化還元反応 電気分解の仕組み、量的関係が理解できる。電気分解の工業的利用が理解できる。
5週 化学反応と熱 化学反応とエネルギー,反応熱が理解できる
6週 化学反応と熱 熱化学方程式,反応熱の種類が理解できる。ヘスの法則、結合エネルギーが理解できる
7週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる
8週 試験返却 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する
4thQ
9週 気体の性質 ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則が理解できる。気体の状態方程式が理解できる。
10週 気体の性質 気体の状態方程式を用いた計算が理解できる。実在気体と理想気体が理解できる。
11週 溶液の性質 溶解平衡と溶解度が理解できる。再結晶の計算が理解できる。
12週 溶液の性質 沸点上昇と凝固点降下が理解できる。沸点上昇度と凝固点降下度の計算が理解できる
13週 溶液の性質 浸透圧、コロイドが理解できる。浸透圧の計算が理解できる
14週 演習問題 1年間に学習した化学の内容について、演習問題を解いて理解できる
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる
16週 試験返却 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3
水の状態変化が説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3後9
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3後9,後10
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前4
価電子の働きについて説明できる。3前4
原子のイオン化について説明できる。3前5
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前5
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前6
イオン結合について説明できる。3前6
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前6
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前6
共有結合について説明できる。3前6
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前6
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前8
金属の性質を説明できる。3前8
原子の相対質量が説明できる。3前9
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前9
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前9
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前9
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前9
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前10
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前11
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前12
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前12
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3前12
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3前12
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3前12
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前13
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3前13,前14
中和滴定の計算ができる。3前13,前14
酸化還元反応について説明できる。3後1,後2
イオン化傾向について説明できる。3後2
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後3
一次電池の種類を説明できる。3後3
二次電池の種類を説明できる。3後3
電気分解反応を説明できる。3後4
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後4
ファラデーの法則による計算ができる。3後4

評価割合

試験小テスト課題提出合計
総合評価割合602515100
基礎的能力602515100