1. 物質の構成が理解できる、物質の構成粒子が理解できる、粒子の結合が理解できる
2. 物質量と化学反応式が理解できる、酸と塩基、pH、中和反応、塩、弱酸および弱塩基が理解できる
3. 酸化還元反応、電池・電気分解、熱化学方程式・ヘスの法則が理解できる
4. 物質の状態変化、気体の性質、溶液の性質が理解できる
概要:
この講義は、物質化学工学科の専門科目を学ぶ上での基礎作りという重要な意味を持っています。物質の構成や物質の変化について、分子・原子・イオンなどの基本的な構成粒子の概念を基に、さまざまな化学反応を考えていきます。また、化学において粒子数を表す基本単位の「モル」を用いて、化学反応の量的な関係について講義・演習を行います。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心となります。基本的に予習プリントを配布して,自分で教科書を読み,基礎的内容を理解していることを前提に授業を進めます。講義において配布する課題プリントおよび問題集に取り組めるようにして,各自の理解度を深めます。また,小テストを実施することで,各自の理解度を確認します。小テストおよび定期試験は返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消します。なお,授業は標準的なレベルを主に行います。より高度なレベルを目指す人は,下記の参考書などを用いて自分で勉強してください。
[参考書]
「チャート式シリーズ 新化学 化学基礎+化学」、野村祐次郎 他著、数研出版 (標準レベル)
「理解しやすい化学 化学基礎収録版」、戸嶋 直樹、瀬川 浩司 著、文英堂(標準レベル)
「理系大学受験化学の新研究改訂版」、卜部吉庸 著、三省堂 (発展レベル)
「化学の新体系」、谷川 芳雄 著、啓林館(発展レベル)
「高校で教わりたかった化学」、渡辺 正、北條博彦著、日本評論社(発展レベル)
注意点:
関連科目
一般化学演習Ⅰ(1年後期,1単位)、化学特論Ⅰ(1年後期、1単位)に関連しています。
学習指針
◎事前学習・・・授業は基礎的内容を理解していることを前提に進めます。予め予習プリントを配布します。
教科書を読み、学習する内容を予習プリントに書き込んでください。
授業中に教科書の内容や問題の解答等を説明して、理解を深めます。
◎事後展開学習・・・宿題(課題プリント、問題集)を自分で考えて答えを導いた後、
解答を参考にして分からなかった点について理解を深めてください。
◎小テスト・・・教科書・課題プリント・問題集・その他の問題から出題します。
◎定期試験・・・それまでの「化学」の授業で学習した内容から出題します。
教科書・課題プリント・問題集と全く同じ問題は出題しません。
化学の内容をしっかりと理解しておくことが重要です。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション・物質の構成 |
化学についての学習の意義や内容・評価の方法を理解できる。化学と人間生活の関わりについて説明できる。化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。
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2週 |
物質の構成 |
混合物と純物質を説明できる。
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3週 |
物質とその成分・粒子の熱運動 |
物質とその成分、物質の三態と熱運動を説明できる。
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4週 |
物質の構成粒子 |
原子の構造、電子配置、同位体を説明できる。
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5週 |
物質の構成粒子 |
イオンの性質を説明できる。周期表と元素の分類を説明できる。
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6週 |
粒子の結合 |
イオン結合、共有結合、配位結合を説明できる。
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7週 |
前期中間試験 |
共有結合の物質、電子軌道、金属結合と金属について説明できる。
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8週 |
試験返却 物質量と化学反応式
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試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消できる 原子量・分子量・式量を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
物質量と化学反応式 |
物質量、溶液の濃度、化学反応式を説明できる
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10週 |
物質量と化学反応式 |
化学反応式の量的関係を説明でき、必要な計算ができる。
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11週 |
物質量と化学反応式 |
化学反応式の量的関係を説明でき、必要な計算ができる。
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12週 |
酸と塩基の反応 |
酸と塩基の性質を説明できる。
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13週 |
酸と塩基の反応 |
水の電離と水溶液のpH、中和反応が説明できる。中和反応の計算が説明できる。
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14週 |
酸と塩基の反応 |
塩、弱酸・弱塩基の遊離が説明できる。塩の加水分解が説明できる。
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し、試験問題を正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
酸化還元反応 |
酸化と還元、酸化数が説明できる。酸化剤と還元剤が説明できる。
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2週 |
酸化還元反応 |
酸化還元反応の量的関係 が説明できる。イオン化傾向が説明できる。
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3週 |
酸化還元反応 |
金属の酸化還元反応が説明できる。電池の仕組みが説明できる。
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4週 |
酸化還元反応 |
電気分解の仕組み、量的関係が説明でき、必要な計算ができる。 電気分解の工業的利用が説明できる。
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5週 |
化学反応と熱 |
化学反応とエネルギー、反応熱が説明できる。
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6週 |
化学反応と熱 |
熱化学方程式、反応熱の種類が説明でき、必要な計算ができる。ヘスの法則、結合エネルギーが説明でき、必要な計算ができる。
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7週 |
後期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる。
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8週 |
試験返却 物質の状態変化 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。 物質の状態変化を構成粒子の存在状態と熱エネルギーで説明できる。
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4thQ |
9週 |
物質の状態変化 |
融解熱、蒸発熱、凝縮熱、凝固熱について説明できる。融解熱・蒸発熱と粒子間の引力について説明できる。気体の圧力、気液平衡と蒸気圧曲線、沸騰、沸点の説明できる。
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10週 |
気体の性質 |
ボイル-シャルルの法則が説明でき、必要な計算ができる。 気体の状態方程式を用いた計算ができる。
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11週 |
気体の性質 |
混合気体についてドルトンの分圧の法則が説明でき、必要な計算ができる。分圧・体積と物質量が説明でき、必要な計算ができる。
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12週 |
気体の性質 |
混合気体の平均分子量が計算できる。 実在気体と理想気体の違いが説明できる。
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13週 |
溶液の性質 |
溶解平衡と溶解度が説明できる。再結晶の計算が説明できる。沸点上昇と凝固点降下が説明できる。沸点上昇度と凝固点降下度の計算が説明できる。
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14週 |
溶液の性質 |
浸透と浸透圧について説明できる。ファントホッフの法則が理解でき、必要な計算ができる。コロイドについて説明ができる。
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15週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し,試験問題を正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | 前1 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前2 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前2 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前2 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前2 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前3 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前3 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前3 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 4 | 後9 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 4 | 後9,後10 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 4 | 前4 |
同位体について説明できる。 | 4 | 前4 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前4 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前4 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前4 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前5 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前5 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前4 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前5 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前6 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前6 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前6 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前6 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前6 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前6 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前8 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前8 |
原子の相対質量が説明できる。 | 4 | 前9 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 4 | 前9 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 4 | 前9 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 4 | 前9 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 4 | 前9 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 4 | 前10 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 4 | 前11 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 4 | 前12 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 4 | 前12 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 4 | 前12 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 4 | 前12 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 4 | 前12 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 4 | 前12 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 4 | 前13 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 4 | 前13,前14 |
中和滴定の計算ができる。 | 4 | 前13,前14 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 後2 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 後3 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 4 | 後3 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 4 | 後3 |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後3 |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後3 |
電気分解反応を説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 後3,後4 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 4 | 後3,後4 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 2 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 2 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 1 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 1 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 1 | |