化学演習Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学演習Ⅰ
科目番号 0016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 化学・化学基礎 斉藤烈他編 啓林館 / 補助プリントや演習課題を配布する。化学の参考書と同じ。
担当教員 石丸 裕士

到達目標

1.溶媒・溶質・溶液の関係を用いて、結晶の析出量などが求められる。
2.化学で学んだ簡単な反応が化学反応式で書け、化学変化前後での反応量・生成量を物質量、質量、個数、体積などで表すことができる。
3.酸塩基滴定や酸と塩基が過不足を生じて混合した反応について化学反応式で表現できる。滴定量、混合溶液のpHなどが求められる。
4.酸化還元滴定や金属に酸を加えたときの反応などについて化学反応式で表現できる。滴定量、発生した気体の体積などが求められる。
5.熱化学反応を熱化学方程式で表現できる。様々な反応熱が求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
溶媒・溶質・溶液の関係溶媒・溶質・溶液の関係を用いて、結晶の析出量などが求められる。溶媒・溶質・溶液の関係を用いて、結晶の析出量などについて概ね理解できる。溶媒・溶質・溶液の関係を用いて、結晶の析出量などがほとんど求めらない。
化学両論化学で学んだ簡単な反応が化学反応式で書け、化学変化前後での反応量・生成量を物質量、質量、個数、体積などで表すことができる。化学で学んだ簡単な反応が化学反応式で概ね書け、化学変化前後での反応量・生成量を物質量、質量、個数、体積などで概ね表すことができる。化学で学んだ簡単な反応が化学反応式でほとんど書けない。化学変化前後での反応量・生成量を物質量、質量、個数、体積などでほとんど表すことができない。
酸塩基酸塩基滴定や酸と塩基が過不足を生じて混合した反応について化学反応式で表現できる。滴定量、混合溶液のpHなどが求められる。酸塩基滴定や酸と塩基が過不足を生じて混合した反応について化学反応式で概ね表現できる。滴定量、混合溶液のpHなどが概ね求められる。酸塩基滴定や酸と塩基が過不足を生じて混合した反応について化学反応式でほとんど表現できない。滴定量、混合溶液のpHなどがほとんど求められない。
酸化還元酸化還元滴定や金属に酸を加えたときの反応などについて化学反応式で表現できる。滴定量、発生した気体の体積などが求められる。酸化還元滴定や金属に酸を加えたときの反応などについて化学反応式で概ね表現できる。滴定量、発生した気体の体積などが概ね求められる。酸化還元滴定や金属に酸を加えたときの反応などについて化学反応式でほとんど表現できない。滴定量、発生した気体の体積などがほとんど求められない。
熱化学熱化学反応を熱化学方程式で表現できる。様々な反応熱が求められる。熱化学反応を熱化学方程式で概ね表現できる。様々な反応熱が概ね求められる。熱化学反応を熱化学方程式でほとんど表現できない。様々な反応熱がほとんど求められない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
中学生のときに学んだ食塩水の濃度に関する問題に始まり、化学で学んだ溶媒・溶質・溶液の関係、化学変化前後での反応量・生成量変化、酸塩基滴定、酸化還元滴定、熱化学反応などが化学反応式、または、熱化学方程式で表せるようになり、定量的に取り扱えるようになる。
授業の進め方・方法:
授業中に教科書の内容を説明すると共に、グループで学習内容について説明し合う時間や演習課題に取り組む時間も設ける。化学計算はこれ以降の化学すべての基礎となる。前期の化学で躓いた学生がいるかも知れないが、オフィスアワーも活用して、1年生のうちに計算嫌いを克服して欲しい。テストはテスト期間以外に行わず授業中に行うのでこまめに復習すること。
注意点:
関連科目
化学・物質化学実験Ⅰは勿論、これ以降の化学の基礎となる科目である。
学習指針
授業中のグループ活動は勿論、家庭学習向け課題にも能動的かつ積極的に取り組むことが必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 溶液の濃度計算 1 質量%濃度や溶解度について理解し、計算で求めることができる。
2週 溶液の濃度計算 2 溶液の密度とモル濃度の関係について理解し、計算で求めることができる。
3週 溶液の濃度計算のテスト 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
4週 化学変化の量的関係1 簡単な化学反応が化学反応式で記述できる。
5週 化学変化の量的関係2 過不足が生じる反応において、反応量や生成量が物質量、質量、個数、体積などで表すことができる。
6週 化学変化の量的関係のテスト 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
7週 酸塩基 1 酸塩基の定義が説明でき、基本的な酸塩基の名称と化学式が表現できる。酸塩基滴定が化学式で表せ、滴定量などが求められる。
8週 酸塩基 2 酸塩基を混合させたとき過不足が生じる反応において、反応後の溶液のpHや反応量と生成量が求められる。
4thQ
9週 酸塩基のテスト 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
10週 酸化還元 1 酸化還元の定義が説明でき、基本的な酸化剤・還元剤の半反応式が表現できる。酸化還元滴定が化学式で表せる。
11週 酸化還元 2 酸化還元滴定や金属に酸を加えたときの反応などについて化学反応式で表現でき、滴定量や発生した気体の体積が求められる。
12週 熱化学 1 ヘスの法則、発熱と吸熱、化学結合と反応熱などが説明できる。
13週 熱化学 2 熱化学反応を熱化学方程式で表現でき、様々な反応熱が求められる。
14週 酸化還元・熱化学のテスト
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
15週 総合テスト 授業内容を総合的に理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点が解消できるようになる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)原子の相対質量が説明できる。3後1
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3後1
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3後1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3後1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3後1
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後1
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後1
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3

評価割合

試験自習課題授業取組(課題含む)合計
総合評価割合702010100
基礎的能力60151085
専門的能力105015