工学基礎

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 工学基礎
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし/各テーマに関連した教科書や文献
担当教員 片倉 勝己,三木 功次郎,中村 秀美,直江 一光,石丸 裕士,松浦 幸仁,宇田 亮子,伊月 亜有子,亀井 稔之,山田 裕久,林 啓太,米田 京平

到達目標

科学技術と社会との関わりや,科学技術と化学や生物との関わりについて理解し,化学・生物系研究
者や技術者を目指す学生にふさわしい知識を身につけるとともに,将来に向けての目標を新たにする。
また,化学や生物における分野(有機化学,無機化学,物理化学,化学工学,生物化学等)についても,
複合的に理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1レポーとが期限通り提出できるレポートが期限通り提出できない
評価項目2課された課題に関して深く調査しまとめることができる課された課題に関して調査しまとめることができる課された課題に関して調査できないまたはまとめることができない
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
様々な分野で研究に取り組んでいる物質化学工学科の教員スタッフが,化学や生物と関わりの深い
科学技術をそれぞれ専門家の立場から分野別に概説し,その技術のしくみを化学や生物の基礎や応用
面から説明するとともに,各分野における先端的なトピックスなどを紹介する。
授業の進め方・方法:
化学が扱う分野は多岐にわたっており,化学・生物系研究者・技術者は,それぞれの専門分野はも
とより,他の専門分野や語学といった幅広い知識と洞察力が要求される。本講義は,高専で化学・生
物系研究者・技術者を目指す学生諸君に,化学や生物がどのように科学技術や産業と関わっているか
を幅広い視点から理解させるだけでなく,自然科学や工学分野における新発見の醍醐味を共有させる
とともに高専における学習に対するモチベーションを育成することが目的である。
注意点:
関連科目
専門科目全般
学習指針
本講義は,研究活動を通じて様々な分野で活躍している物質化学工学科の教員スタッフが,科
学技術の基礎的な話題から最新でホットな話題を,それぞれ専門家立場から紹介するので,取り
扱う分野は多岐にわたる。各技術の基礎となっている学問は,高専での5 年間やさらに学業を続
けながら学ぶ内容である。現時点で原理を全て理解する必要は無いが,自然科学の醍醐味に触れ
ることで,学習におけるモチベーションとし,専門分野だけでなく他分野や語学など,幅広い視
野で見渡す癖をつけることを期待する。
講義への取組状況が著しく悪い場合には減点することがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 物質化学工学科が関わる分野について概略を紹介し
本講義の役割について理解する。
2週 ゼロエミッションへの
挑戦
持続可能な社会,循環型社会形成に向けて,いかにして排出物な
いし廃棄物をゼロにするか。そのために我々が取り組むべき環境
問題について理解する。
3週 高分子化学の世界 プラスチックなどの高分子は,日常の生活品や自動車の部品,医
療用品などのあらゆるものに使用されており,これらの高分子材
料を取り扱う高分子化学の基礎と応用について理解する。
4週 分子集合体 古くて新しい分子集合体の性質について理解する。
5週 創薬に貢献できる化学 化学が薬創りに貢献できることを理解する。
6週 先端電池と化学 環境やエネルギー問題と化学との関わりについて電池の世界を
中心に理解する。
7週 福井謙一博士とフロンテ
ィア軌道理論
日本で初めてノーベル化学賞を受賞した福井謙一博士の足跡を
辿ることで,理論化学・量子化学の発展について理解する。
8週 光電気化学の現在と展望 次世代エネルギーデバイスの一つである太陽電池を含め,光のエ
ネルギーや性質について紹介する。
2ndQ
9週 細胞の中の化学反応 食品中に含まれる酵素の活性測定や,微生物活性の測定について
理解する。
10週 生物分離工学のすすめ バイオ生産物の分離(バイオセパレーション)に関する解説と
最近のトピックスについて理解する。
11週 微生物を利用した工学 微生物の概念と微生物を利用した様々な技術について理解する
12週 生体反応メカニズム 原子・分子のレベルで厳密に生体分子の構造を調べ,生体反応の
メカニズムを明らかにする方法について理解する。
13週 情報とセキュリティ 専門における情報とセキュリティに関して扱う
14週 情報とセキュリティ 日々の生活における情報とセキュリティに関して扱う
15週 まとめ 本講義を受講した上での全体的な感想をまとめ,発表できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前4
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前2
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前1
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3前13
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3前13
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前2
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前5,前6
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前5
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前12
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前7,前11
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前5
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前8,前10
情報リテラシー情報リテラシー情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前13,前14
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前13,前14
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前13,前14
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前13,前14
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4前11
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4前11
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4前11
微生物の育種方法について説明できる。4前11
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4前11
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4前11
食品加工と微生物の関係について説明できる。4前11
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4前11
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力000040040
専門的能力000040040
分野横断的能力000020020