概要:
複素数の復習から始めます。まず複素数の演算と複素平面との関係を調べます。次に3 年生までに学んだ基本的な実数を変数とする関数について,複素数を変数とする関数への拡張を考えてその微分積分を考えます。複素数を変数とする関数の積分の計算に用いられる留数定理が,実数を変数とする積分の計算に応用されることもここで学びます。後半はフーリエ級数とフーリエ変換を学びます。複雑な関数をより簡単な関数の和で表現するこの手法は広く応用されるものとなっています。
授業の進め方・方法:
教室での座学が中心です。新しい内容について説明したあと,演習問題に取り組み,各自の理解度を確認します。また,定期試験返却時にはその解説を行い,試験範囲の総復習をします。
注意点:
関連科目
微分積分Ⅰ,微分積分Ⅱ,応用数学β,応用物理Ⅱ,各専門科目
学習指針
応用数学αでの学習内容は物理や専門科目においてもよく使われる基礎的で重要な内容です。
よく理解して,容易に計算が出来るようにしておくことが大事です。そのためには授業をよくきき,そのノートを参考にしながら,演習問題に何度も取り組んで下さい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
複素数と極形式 |
複素数を極形式を用いて表現できる。
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2週 |
絶対値と偏角 |
複素数の演算と複素平面上の点の動きとの対応が理解できる。
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3週 |
複素関数 |
複素数関数でどんな図形がどんな図形に写るかを調べられる。
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4週 |
正則関数 |
複素関数の極限,微分の計算をすることができる。
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5週 |
コーシー・リーマンの関係式 |
コーシー・リーマンの関係式を用いて関数が正則か否かを判定できる。
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6週 |
逆関数 |
逆関数の考え方を用いて複素数のn 乗根,対数,の計算ができる。
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7週 |
前期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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2ndQ |
9週 |
複素積分 |
複素積分の意味を理解し簡単な関数の複素積分の計算ができる。
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10週 |
複素積分の性質と絶対値 |
絶対値を用いた不等式,複素積分の性質を用いた積分,の計算ができる。
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11週 |
不定積分とコーシーの積分定理 |
不定積分,コーシーの積分定理,の意味が理解と適用ができる。
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12週 |
コーシーの積分定理 |
コーシーの積分定理を用いた積分計算ができる。
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13週 |
コーシーの積分定理の応用 |
コーシーの積分定理を応用した定理を用いて積分計算ができる。
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14週 |
コーシーの積分表示 |
コーシーの積分表示を用いて積分計算ができる。
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
数列と級数 |
複素数の数列の極限,和,の計算ができる。
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2週 |
関数の展開 |
複素関数のテイラー展開,ローラン展開,収束半径が求められる。
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3週 |
孤立特異点と留数 |
孤立特異点と留数を求めることができる。
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4週 |
留数計算 |
留数の計算,その応用として実数関数の広義積分の計算ができる。
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5週 |
留数定理 |
留数定理の意味を理解し,これを用いて積分計算ができる。
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6週 |
留数定理と実積分 |
留数定理を用いて実数関数の定積分の計算ができる。
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7週 |
後期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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4thQ |
9週 |
フーリエ級数 |
簡単な周期2πの関数のフーリエ級数を求めることができる。
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10週 |
一般周期のフーリエ級数 |
簡単な一般周期の関数のフーリエ級数を求めることができる。
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11週 |
複素フーリエ級数 |
簡単な一般周期の関数のフーリエ級数を求めることができる。
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12週 |
フーリエ変換と積分定理 |
簡単な関数のフーリエ変換,それを用いての積分計算ができる。
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13週 |
フーリエ変換の性質と公式 |
フーリエ変換の公式を用いてより複雑な関数のフーリエ変換ができる。
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14週 |
スペクトル |
関数のスペクトルが計算でき,サンプリング定理適用できる。
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15週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。
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集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。 | 3 | |
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。 | 3 | |
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。 | 3 | |
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。 | 3 | |
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。 | 3 | |
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。 | 3 | |
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。 | 3 | |
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。 | 3 | |
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。 | 3 | |
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。 | 3 | |
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。 | 3 | |