有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎有機化学 大嶌 幸一郎 著(東京化学同人)、有機反応のしくみと考え方 東郷 秀雄 著(講談社)
担当教員 宇田 亮子

到達目標

1)アルコールやケトンの酸化、カルボニル化合物や炭素―炭素多重結合の還元の理解
2)カルボニル化合物の特徴や合成方法、反応性の理解
3)アルコールとエーテルの特徴と反応性の理解
4)アミンとその誘導体の特徴と反応性の理解
5)分子構造と色の対応、光吸収と電子遷移の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1アルコールやケトンの酸化、カルボニル化合物や炭素―炭素多重結合の還元を理解し、反応生成物を予測することができる。アルコールやケトンの酸化、カルボニル化合物や炭素―炭素多重結合の還元を理解できる。アルコールやケトンの酸化、カルボニル化合物や炭素―炭素多重結合の還元を理解できない。
評価項目2カルボニル化合物の命名ができる。カルボニル化合物の合成方法を考えることができる。特徴や反応性を理解し、カルボニル化合物に応じた適切な反応条件を選ぶことができる。カルボニル化合物の命名法が理解できる。カルボニル化合物の合成方法を挙げることができる。カルボニル化合物の特徴や反応性を理解できる。カルボニル化合物の命名法が理解できない。カルボニル化合物の合成方法を挙げることができない。カルボニル化合物の特徴や反応性を理解できない。
評価項目3アルコールとエーテルの命名ができる。特徴や反応性を理解し、アルコールやエーテルに応じた適切な反応条件を選ぶことができる。アルコールとエーテルの命名法が理解できる。アルコールとエーテルの特徴や反応性を理解できる。アルコールとエーテルの命名法が理解できない。アルコールとエーテルの特徴や反応性を理解できない。
評価項目4アミンとその誘導体の特徴や反応性を理解し、化合物に応じた適切な反応条件を選ぶことができる。アミンとその誘導体の特徴や反応性を理解できる。アミンとその誘導体の特徴や反応性を理解できない。
評価項目5Lambert-Beerの法則を説明できる。分子構造と光吸収の関係を説明できる。Lambert-Beerの法則を理解できる。分子構造と光吸収の関係を理解できる。Lambert-Beerの法則を理解できない。分子構造と光吸収の関係を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本学科の専門科目を受講してゆく上で必要となる有機化学の基礎を学ぶ。また、反応・構造・物性・生成方法を通し、有機化学の考え方を身につけることを目的とし、有機化合物の構造、物性、生成方法などに関する講義を行ってゆく。各化合物特有の反応についても掘り下げてゆく。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である。小テストやレポート課題も交えつつ、各自の理解度を確認する。また、定期試験返却時に解説を行い、理解が不十分な点を解消する。
注意点:
関連科目
有機化学Ⅰ、反応有機化学、有機金属化学
  学習指針
有機化学は積み重ねが特に大切な学問である。毎回の講義内容を理解していないと、新しい分野を学習しても身につかないことが多い。復習に力を入れて学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酸化と還元 アルコールの酸化を理解する。
2週 酸化と還元 ケトンの酸化を理解する。
3週 酸化と還元 カルボニル化合物の還元を理解する。
4週 酸化と還元 カルボニル化合物の還元を理解する。
5週 酸化と還元 炭素―炭素多重結合の還元を理解する。
6週 カルボニル化合物 カルボニル基の特徴を理解する。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
2ndQ
9週 カルボニル化合物 カルボニル化合物の特徴を理解する。
10週 カルボニル化合物 カルボニル化合物の特徴を理解する。
11週 カルボニル化合物 アルドール縮合を理解する。
12週 カルボニル化合物 クライゼン縮合を理解する。
13週 カルボニル化合物 有機化合物における酸や塩基となる化合物の特徴を理解する
14週 カルボニル化合物 ウィッティッヒ反応を理解する
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
後期
3rdQ
1週 カルボニル化合物 カルボン酸の性質と合成を理解する。
2週 カルボニル化合物 エステルの合成を理解する。
3週 カルボニル化合物 カルボン酸誘導体の反応を理解する。
4週 アルコール アルコールの特徴と反応性を理解する。
5週 アルコール アルコールの特徴と反応性を理解する。
6週 エーテル エーテルの特徴と反応性を理解する。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
4thQ
9週 エーテル エーテルの特徴と反応性を理解する。
10週 アミンとその誘導体 アミンとその誘導体の特徴と反応性を理解する。
11週 アミンとその誘導体 アミンとその誘導体の特徴と反応性を理解する。
12週 光吸収と電子遷移 分子の光吸収やLambert-Beerの法則を理解する。
13週 分子の構造と色 共役化合物の特性を理解する。
14週 分子の構造と色 共役化合物の特性を理解する。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800010010100
基礎的能力0000000
専門的能力800010010100
分野横断的能力0000000