| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
分子の対称性 | 分子をその構造の対称性によって点群に分類し、シェーンフリース記号を用いて標記できる。また、点群から分子の形状を予想できる。分子の対称性(点群)を用いて、分子の極性や光学活性(キラリティ)について説明できる。 | 分子構造中の対象要素を図示できる。対称要素やそれに対応した対称操作を記号で標記し、その意味を理解している。 | |
群 | 群の表現(既約表現、可約表現)、指標、内積、大直交定理について、これらの定義や公式を説明できる。内積演算を行うことができる。
群の掛算表と連続した分子の対称操作との関係を理解している。相似変換によって分子の対称要素を類に分類するなど、分子の点群に応用ができる。 | 群の4つの定義と主要な用語や性質(掛算表、要素、位数、類、相似変換)を理解して、これらを説明したり演算したりできる。 | |
対称種および指標表 | 指標表利用の応用として、簡単な分子の運動(並進・回転・振動)の対称性を対称種と関連付けて説明できる。分子の構造に関した各種応用問題ができる。
指標表に基づいて、分子の赤外活性とラマン活性を判断できる。
教科書の分子の対称性と点群に関した問題を解くことができる。
また、簡単な点群を国際表記でも記述できる。 | 対称種および指標表の性質やその見方を理解し、Mullikenの対称種の標記や指標の意味するところを理解して説明できる。対称種の性質(対称種の次元,数、直交性など)を理解し、この性質を利用して、簡単な分子の点群について指標表を作成できる。 | |
結晶系とブラベ格子 | 結晶系とブラベ格子を対称性に基づいて理解できている。 | 結晶系とブラベ格子を対称性に基づいて分類したり説明したりできる。
代表的な簡単な結晶(ダイモンド、MX型(塩化セシウム型、岩塩型、閃亜鉛型)、MX2型(螢石型、逆螢石型、ルチル型、酸化レニウム型)、複酸化物(ペロブスカイト、タングステンブロンズ、スピネル型等)について、結晶構造を図示してブラベ格子を示し、密度算出ができる。 | |
結晶面と面指数 | ベクトル解析で、右の項目を誘導できる。
| 結晶面と面指数の関係が図示できる。また、立方晶、斜方晶、正方晶、六方晶について格子定数を用いた面指数と面間隔の関係式が誘導でき、実際に計算できる。 | |
結晶構造因子から消滅則 | 結晶構造因子と結晶中の電子密度分布との関係式を示し、フーリエ解析によりX線回折データから電子密度分布関数が得られることを定性的に理解している。
| 単純、面心、立方、底心格子や実在結晶の結晶構造因子を誘導できる。また、結晶構造因子とX線回折強度との関係や原子形状因子について説明できる。さらに、結晶構造因子から消滅則を誘導できる。
立方晶における3つのブラベ格子からのX線回折データの特徴を説明できる。
また、X線回折データから、ブラベ格子の決定と格子定数や密度算出ができる。
KClとNaClの結晶について、結晶構造因子を用いてその差を説明できる。 | |
格子欠陥 | | 代表的な二つの等比性格子欠陥の概要を説明できる。また、不定比性欠陥を有する酸化物材料の例とその特徴を1つ挙げることができる。 | |