生物化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物化学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「基礎からわかる生物化学」杉森大助・松井栄樹・天尾豊・小山純弘著、森北出版/補助教材・参考書:「コーン・スタンプ 生化学 第5版」田宮信雄・八木達彦訳、東京化学同人、配布プリント
担当教員 直江 一光,伊月 亜有子

到達目標

前期中間試験:1)単糖、2)グルコースの構造と性質、3)単糖の反応性、4)多糖類の種類と性質、5)アミノ酸の種類が理解できる
前期末試験:1)アミノ酸の性質、2)タンパク質構造と性質、3)脂質の性質、4)ビタミンの種類と機能が理解できる
後期中間試験:1)核酸の性質と構造、2)酵素の特性と反応挙動、3)阻害、4)細胞の構造とそのエネルギー代謝全体を理解できる
学年末試験:1)解糖系反応、2)発酵、3)TCAサイクル及び電子伝達系における反応経路、4)ATP生成の計算、5)脂質代謝が理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物化学はバイオテクノロジーの基礎科目として重要であり、生命現象を化学的な観点から理解する。生命現象の流れをとらえることができるように講義を進め、また、近年のトピックスについても随時触れる。
授業の進め方・方法:
本講義は、生命現象を化学的観点から理解することを目的としており、1、2年次において学習した化学の基礎を十分に理解しておくことが必要である。
注意点:
関連科目
 生体物質、代謝については生物化学工学コース4年次の生物機能化学で引き続き講義を行い、遺伝子関連の内容については生物化学工学コース5年次の分子生物学、遺伝子工学で取り上げる予定である。参考文献は適宜紹介する。
学習指針
 目標を達成するためには、授業以外にも予習復習を怠らないこと。また、日々進化する分野なので、最近のニュースなどにも関心を向けておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物化学とは 生物化学とは何かを理解できる。
2週 単糖 単糖の種類と名称について説明できる。
3週 グルコースの性質(1) グルコースの性質について説明できる。
4週 グルコースの性質(2) グルコースの性質について説明できる。
5週 単糖の酸化還元 単糖の酸化還元反応について説明できる。
6週 二糖類 主な二糖類の種類とその性質について説明できる。
7週 多糖類 多糖類の種類とその性質について説明できる。
8週 アミノ酸 アミノ酸の一般的な構造とその種類について説明できる。
2ndQ
9週 アミノ酸の性質 アミノ酸の性質について説明できる。
10週 ペプチド ペプチドの性質について説明できる。
11週 タンパク質 タンパク質の種類と一般的な性質について説明できる。
12週 タンパク質の構造と機能 タンパク質の構造について説明できる。
13週 脂質と脂肪酸 脂質の種類と脂肪酸について説明できる。
14週 脂質の構造及びリン脂質 脂質の構造とリン脂質について説明できる。
15週 ビタミン ビタミンの種類とその性質について説明できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 核酸 核酸の種類について説明できる。
2週 核酸の立体構造 核酸の立体構造について説明できる。
3週 酵素の性質 酵素の生体触媒としての性質について説明できる。
4週 酵素反応 酵素反応速度論の基礎について理解する。
5週 酵素の阻害 酵素の阻害形式について説明できる。
6週 細胞 細胞の構造について説明できる。
7週 代謝とエネルギー エネルギー代謝について説明できる。
8週 解糖系I 解糖系の反応経路について説明できる。
4thQ
9週 解糖系II 解糖系の反応経路について説明できる。
10週 発酵 発酵の仕組みについて説明できる。
11週 TCAサイクル TCAサイクルの反応経路について説明できる。
12週 電子伝達系と酸化的リン酸化 電子伝達系の反応経路と酸化的リン酸化について説明できる。
13週 ATP生成のエネルギー論 グルコースからのATP生成のエネルギー論について説明できる。
14週 脂質代謝 脂質の分解経路について説明できる。
15週 まとめ
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3前7,前11,後1
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3前1,後16
単糖と多糖の生物機能を説明できる。3前2
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3前2,前3,前4
グリコシド結合を説明できる。3前6
多糖の例を説明できる。3前7
脂質の機能を複数あげることができる。3前13
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3前14
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3前14
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3前11
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3前8,前9
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3前9,前10
タンパク質の高次構造について説明できる。3前12
ヌクレオチドの構造を説明できる。3後1
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3後2
DNAの半保存的複製を説明できる。3後2
RNAの種類と働きを列記できる。3後2
解糖系の概要を説明できる。3後8,後9,後13
クエン酸回路の概要を説明できる。3後11
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3後12
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。3後10

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000