物質化学工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物質化学工学実験Ⅲ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 作成テキスト
担当教員 片倉 勝己,松浦 幸仁,山田 裕久

到達目標

〔到達目標〕
1.実験態度について
実験前(実験衣や防護めがねなど適切な準備を整えて実験に臨む。予習して、実験ノートに準備する。)
実験中(実験器具を正しく取り扱い、真剣に取り組む。実験データ以外にも気になったことは細大漏らさず記録に残す。劇毒物及び危険物は特に注意深く取り扱うなど安全に対する配慮を怠らない。)
実験後(実験で使用した器具の洗浄・破損報告を怠らない。天秤・ドラフト・実験台・床も掃除する。)
2.実験報告書について
序・操作・結果・考察など適切に項目分けして、それに見合った内容の事柄を報告する。
序(これを読むだけで全てが分かるよう、5行~10行程度にまとめる。)
操作(自ら工夫した操作を中心に説明し、過去形で表現する。)
結果(適切な計算式を用いて実験データを整理し、適切な図表に整理する。キャプションの位置やグラフの記号など体裁にも配慮する。)
考察(実験結果の特徴を捉えて分析し、適切な文献や資料を調べて化学的事象と結びつけて説明する。)
3.ダイアログについて
理解力の育成(実験の意義を理解し、各操作の必要性についても理解を深める。)
積極性の育成(報告書作成過程で不明な事象は積極的に質問する。担当教官の説明や共同実験者の発言も聞き逃さず、新しく知った事項は必ず記録に残す。)
表現力の育成(理解した内容や疑問に感じた内容を担当教官や共同実験者に適切に説明する。)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験器具を正しく取り扱っている。予習を十分してきている。劇毒物の取り扱いが規則に基づいてできていない。実験終了後に実験器具や薬品の整理と掃除ができていない。
評価項目2実験結果の特徴を捉えて分析し、適切な文献や資料を調べて化学的事象と結びつけて説明できる。適切な計算式を用いて実験データを整理し、適切な図表に整理している。自ら行った実験操作を把握していない。
評価項目3理解した内容や疑問に感じた内容を担当教官や共同実験者に適切に説明している。担当教官の説明や共同実験者の発言も聞き逃さず、新しく知った事項は必ず記録に残している。実験の意義を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実験操作の体得や安全意識の啓蒙は勿論、ダイアログを実施することにより、実験の意味を確実に理解させ、様々な角度から実験結果を検討・考察させる。報告書の書き方も体得させる。
授業の進め方・方法:
実験する前にはしっかり予習をしておくこと。また、報告書を作成する際、まずは実験書や関連科目の教科書やそのときのノートを参考にする。それでも足りない部分は、図書館での文献調査等が必要となる。さらに共同実験者とのディスカッションも有意義である。公欠および正当な理由があると認めた場合の欠課には追実験を認めるので、やむを得ず実験を欠席する場合には必ず実験担当者まで事前に連絡すること。
注意点:
関連科目
第1学年の化学、第2・3学年の無機化学、第3・4学年の物理化学などと関連する。
  学習指針
   物理化学及び無機化学実験として位置づけられるので、授業で習った内容を自主的に復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 安全指導・レポート指導・器具薬品の準備
2週 7組14項目の実験
(2週連続して実験し、その次週の実験開始時に2項目の実験についてレポートを提出する。原則として同日にダイアログを行う。)
基本物性測定Ⅰ
3週 同上 (水-アルコール系の粘度・密度測定)
4週 同上 熱化学実験
5週 同上 (ヨウ化銀の熱転移の測定・塩酸と水酸化ナトリウムとの中和熱測定)
6週 同上 相互溶解度曲線の作成
7週 同上 (二成分系の相互溶解度曲線・三成分系の相互溶解度曲線)
8週 同上 分配係数の測定
2ndQ
9週 同上 (水-エーテル系の分配係数、コハク酸および安息香酸)
10週 同上 反応速度定数の測定
11週 同上 (擬一次反応速度定数・2次反応速度定数)
12週 同上 無機合成実験Ⅰ
13週 同上 (時計反応、ゴールドシュミット反応)
14週 同上 無機合成実験Ⅱ
15週 同上 (錯体合成実験、キレート錯体)
16週 同上 データ整理、実験室の整理整頓
後期
3rdQ
1週 7組14項目の実験
(2週連続して実験し、その次週の実験開始時に2項目の実験についてレポートを提出する。原則として同日にダイアログを行う。)
PBLテーマ
2週 同上 (問題解決型テーマ 実験計画の立案および実行)
3週 同上 ガラス細工
4週 同上 (ガラス細工の基礎・ガラス細工の応用)
5週 同上 状態図の作成
6週 同上 (鉛-スズ系の状態図・a-ナフトール-p-トルイジン系の状態図)
7週 同上 界面化学実験
8週 同上 (活性炭への酢酸の吸着・界面活性剤溶液の表面張力)
4thQ
9週 同上 電気化学実験
10週 同上 (溶液の電導度測定・酸-塩基の伝導度滴定)
11週 同上 機器分析
12週 同上 (ガスクロマトグラフ分析1・2)
13週 同上 基本物性測定Ⅱ
14週 同上 (パラコール・分子屈折測定)
15週 同上 諮問とPBLテーマ発表会の準備
16週 PBLテーマ発表会 討論

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。4後1,後16
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。4後1,後16
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。4後1,後16
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。4後1,後16
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。4後15,後16
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。4後15,後16

評価割合

実験報告書発表・ダイアログ相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2010000030
専門的能力2015000035
分野横断的能力2015000035