物質化学工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 物質化学工学実験Ⅱ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質化学工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 前期、後期:プリント実験書と必要に応じたプリント/分析化学・・・半微量分析、溶液内平衡に関する教科書 有機化学・・・基礎有機化学、ウォーレン有機化学など有機化学に関する専門書
担当教員 宇田 亮子,亀井 稔之

到達目標

それぞれの実験において、実験目的とその結果が端的にノート、および頭に整理されている。
実験の反応式、原理が分かっていること。実験への探究心が持てる。
実験の様子をノートへ、いつも記入できる。
実験の危険度が察知できる。
器具洗浄が完全に行える。
実験操作一つ一つの意味を理解して操作できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
レポートの提出提出期限内にレポートが提出できる提出期限内にレポートが提出できる提出期限内にレポートが提出できない
レポート考察実験書にある課題に解答するとともに、他の考察をすることができる実験書にある課題に解答できる実験書にある課題に解答できない
実験操作実験の予習をし、試薬、安全面など調べている実験操作に関する予習をしている予習をしていない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期は分析化学における、金属の定性分析、化合物の定量分析を行う
後期は有機化学分野の有機合成実験、分析機器による化合物同定、高分子合成を行う
授業の進め方・方法:
 あらかじめ実験操作を読み、行う実験の内容、意味を理解し、用いる試薬の物性、取り扱いの注意点を調べ、反応操作における注意点、起こる現象を予測し実験に除むこと。
 実験では授業の最初に当日の注意点、ポイントなどを解説し実験を行う。
注意点:
化学、分析化学、有機化学、無機化学
  学習指針
授業では未学習の内容も含まれるため、自ら学ぶ意欲も必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験安全指導、前期実験内容の説明、報告書作成方法
2週 Ⅰ属金属の性質 金属の定性分析実験
3週 Ⅱ属金属の性質 金属の定性分析実験
4週 Ⅲ属金属の性質 金属の定性分析実験
5週 Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ属金属の性質 金属の定性分析実験
6週 金属イオンの分離 金属の定性分析実験
7週 レポート評価
8週 重量分析 結晶硫酸銅の結晶水の測定
2ndQ
9週 キレート滴定 EDTAの標定
10週 キレート滴定 ミネラルウォーターの全硬度測定
11週 キレート滴定 実験室の水の全硬度測定
12週 酸化還元滴定 さらし粉中の有効塩素の定量
13週 酸化還元滴定 さらし粉中の有効塩素の定量
14週 酸化還元滴定 さらし粉中の有効塩素の定量
15週 掃除 実験室の清掃、後期の準備、器具の確認
16週 レポート評価
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 有機化学実験を行う上での注意点について詳しく理解させる
2週 ガラス細工 ガラス棒、毛管、沸騰石の作成
3週 ハロゲン化反応 SN1反応によるt-butylchlorideの合成
4週 化学発光 ルシゲニンおよびルミノールを用いる化学発光
5週 エステルの加水分解 ヤシ油のけんかによる脂肪酸ナトリウム(石鹸)の合成
6週 ニトロ化 ブロモベンゼンのニトロ化反応(Friedel-Crafts反応)
7週 クロマトグラフィー 薄層クロマトグラフィーによるニトロ化反応の解析
8週 レポート評価
4thQ
9週 アシル化反応(1) アセトアニリドの合成
10週 アシル化反応(2) アセチルサリチル酸の合成
11週 核磁気共鳴 アセトアニリドのNMR測定
12週 マレイン酸とフマル酸 幾何異性体の性質を理解する
13週 アルドール縮合 ベンズアルデヒドとアセトンの反応
14週 高分子化合物の合成 界面重合によるナイロン6,6の合成
15週 掃除片付け 実験室の清掃、器具の確認
16週 レポート評価

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前1
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4後5
蒸留による精製ができる。4後3
吸引ろ過ができる。4後5,後6,後9,後10,後12,後13
再結晶による精製ができる。4後6
分液漏斗による抽出ができる。4後3
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4後7
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4後6
収率の計算ができる。4後3,後5,後6,後9,後10,後12,後13
分析化学実験酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4前12,前13,前14
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4前9,前10,前11
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4前2,前3,前4,前5,前6
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4後11
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4後11

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合00060400100
基礎的能力0002010030
専門的能力0002020040
分野横断的能力0002010030