生物機能化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物機能化学
科目番号 0039 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての生化学 平澤栄次著 化学同人 / 演習プリント
担当教員 石丸 裕士

到達目標

1.細胞の構造と生体物質の割合について説明できる。
2.ビタミン・ミネラル・ホルモンと酵素反応速度、エネルギー代謝について説明できる。
3.糖質の立体構造、糖の分解とエネルギーの生成、糖新生など糖の生合成について説明できる。
4.タンパク質の立体構造、尿素サイクルなどアミノ酸代謝について説明できる。
5.脂質の構造、脂肪酸合成などの脂質代謝について説明できる。
6.光合成の歴史、電子伝達系、カルビン・ベンソン回路、化学合成と窒素固定について説明できる。
7.細胞間電子伝達、細胞内電子伝達、電子伝達物質と病の関係について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年生では生体分子の構造と生体分子を分解してエネルギーを得る過程について詳しく学んだ。4年生では、これらについて復習しながら、生体分子の代謝について学ぶ。具体的には、糖新生などの糖代謝・脂肪酸合成などの脂質代謝・尿素サイクルなどのアミノ酸代謝・ヌクレオチド合成などの核酸代謝・光合成のしくみ・情報伝達物質と病の関係などについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業中に教科書の内容を説明すると共に、グループで学習内容について説明し合う時間や演習課題に取り組む時間も設ける。
注意点:
関連科目
「生物化学」・「分子生物学」・「遺伝子工学」・「物質科学概論」と関連深い。
学習指針
授業中のグループ活動には能動的かつ積極的に取り組むことが必要である。
自己学習
授業中に配布された課題について繰り返し取り組み、理解を深める必要がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 細胞の構造 細胞の構造と生体物質の割合について説明できる。
2週 糖質・脂質の構造 糖質・脂質の単体の構造や結合様式の違いに起因するポリマーの特徴について説明できる。
3週 タンパク質・核酸の構造 タンパク質や核酸の高次構造、ATPにおける高エネルギーリン酸結合について説明できる。
4週 ビタミン・ミネラル・ホルモンの役割 ビタミン・ミネラル・ホルモンと酵素反応速度について説明できる。
5週 糖質・脂質の代謝 ペントースリン酸回路・グリコーゲン代謝、糖新生やケトン体の代謝経路、脂肪酸の生合成について説明できる。
6週 糖質・脂質の代謝 解糖系・クエン酸回路の調節機構について説明できる。
7週 アミノ酸・核酸の代謝 アミノ酸の分解・尿素回路・アミノ酸の生合成・核酸の生合成について説明できる。
8週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
4thQ
9週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点が解消できるようになる。
10週 光合成 1 光合成の歴史、電子伝達系・光合成色素・クロロプラストの構造について説明できる。
11週 光合成 2 C3植物・カルビン・ベンソン回路・C4植物,CAM植物について説明できる。
12週 化学合成・窒素固定 暗所に存在する植物の光合成、マメ科植物の根粒菌が行う窒素固定のしくみについて説明できる。
13週 情報伝達 1 細胞間・細胞内情報伝達のしくみ、受容体の種類などについて説明できる。
14週 情報伝達 2 糖尿病・がん・炎症などについて、情報伝達のしくみと関連づけて説明できる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点が解消できるようになる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3
グリコシド結合を説明できる。3
多糖の例を説明できる。3
脂質の機能を複数あげることができる。3
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。3
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3
タンパク質の高次構造について説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3
DNAの半保存的複製を説明できる。3
RNAの種類と働きを列記できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3
炭酸固定の過程を説明できる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000
70300000100