機能性高分子化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機能性高分子化学
科目番号 0050 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 高分子化学-基礎と応用-、井上祥平・堀江一之 編、東京化学同人
担当教員 宇田 亮子

到達目標

1)高分子化合物の特徴の理解
2)逐次重合、連鎖重合の理解
3)高分子の反応や機能性の理解
4)溶液中や固体中での性質の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1低分子と比較した高分子化合物の特徴を説明できる。分子量分布を理解し、高分子の分子量を求めることができる。低分子と比較した高分子化合物の特徴を理解できる。分子量分布を理解できる。低分子と比較した高分子化合物の特徴を理解できない。分子量分布を理解できない。
評価項目2逐次重合と連鎖重合の特徴を理解し、モノマーに応じた合成方法を選び反応性を予想することができる。逐次重合と連鎖重合の仕組みと特徴を説明できる。逐次重合と連鎖重合の仕組みと特徴を説明できない。
評価項目3高分子化合物の反応性を理解し、高分子の安定性を予測できる。機能性高分子の応用例を挙げて説明することができる。高分子化合物の反応性を理解できる。高分子の機能性を用いた応用を理解できる。高分子化合物の反応性を理解できない。高分子の機能性を用いた応用を理解できない。
評価項目4高分子の溶液中での挙動や形について理解し、大きさを見積もることができる。高分子の固体構造について説明できる。高分子の溶液中での挙動や形について理解できる。高分子の固体構造を理解できる。高分子の溶液中での挙動や形について理解できない。高分子の固体構造を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分子の特徴的な性質および様々な高分子合成法を系統的に講義し、高分子とはどのようなものかを学ぶ。特に、高分子の構造や合成方法、溶液中または固体での振舞いなどの高分子の基本的な特徴を把握するための講義を行ってゆく。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である。レポート課題を交えつつ、各自の理解度を確認する。また、定期試験返却時に解説を行い、理解が不十分な点を解消する。
注意点:
関連科目
有機化学Ⅰ、有機化学Ⅱ
  学習指針
高分子化学は、学術的にも産業的にも重要性が高い分野である。高分子化学の基礎をきっちり身につけて、他分野への応用ができるようにすること。
  自己学習
興味を持ったことは自分で積極的に調べること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子化学について
(総論)
低分子と比較した高分子化合物の特徴を理解する。
2週 高分子の分子量分布 高分子の分子量と分子量分布を理解する。
3週 高分子の合成 逐次重合の仕組みや特徴を理解する。
4週 高分子の合成 逐次重合の仕組みや特徴を理解する。
5週 高分子の合成 連鎖重合の仕組みや特徴を理解する。
6週 高分子の合成 連鎖重合の仕組みや特徴を理解する。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
2ndQ
9週 高分子の反応 側鎖の反応やゲル化反応を理解する
10週 高分子の反応 高分子の分解反応を理解し、安定化の条件を知る。
11週 高分子の機能 感光性ポリマーの応用を知る。
12週 高分子溶液の性質 高分子のかたちと大きさについての理解を深める
13週 高分子の固体構造 結晶化とガラス転移、相分離について理解する
14週 高分子の固体構造 高分子液晶について知る。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。3前1,前16
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3前3,前4,前5,前6,前13
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3前13
高分子の熱的性質を説明できる。3前13
重合反応について説明できる。3前3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3前4,前6
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3前4,前5,前6
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3前5,前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000