到達目標
前期中間試験:1)気体定数の意味を理解し使いこなす能力、2)理想気体の法則と状態方程式の理解、3)実在気体の状態方程式の意味を理解、4)気体の液化と臨界点を理解し、臨界定数を導出、5)物質の三態とそれらのエネルギーについての理解.
前期末試験:1)気体分子運動論の理解、2)エネルギー均分則の理解、3)Maxwell-Boltzmannの分布式と気体分子の平均の速さ、根平均二乗の速さ及び最大確率の速さの導出、4)気体分子の平均自由行程と衝突数の理解と計算、5)熱力学第一法則の理解.
後期中間試験:1)P-V仕事の理解、2)状態量と可逆過程の理解、3)Eulerの規準を利用した状態量の証明、4)等温可逆膨張における仕事の計算、5)断熱可逆過程とポアソンの法則、6)マイヤーの関係式とその利用、7)定圧反応熱と定積反応熱との関係式の理解、8)Hessの関係式を利用した反応熱の計算、9)Kirchhoffの式による生成エンタルピーの計算、10)Clausiusの不等式の理解11)エントロピーの理解と計算、12)トルートンの規則の理解と計算、13)理想気体のエンタルピー変化の計算、14)自由エネルギーと平衡の条件の理解、15)熱力学的性質間の関係式を理解、16)マクスウエルの関係式とギブズ‐ヘルムホルツの式を理解し応用する.
学年末試験:1)カルノーサイクルの理解と計算、2)フガシティーの理解と計算、3)第三法則の理解、4)自由エネルギーの理解の習熟を図る.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
【論理的思考能力】 | 論理構成が明確であり、かつ自分なりに考えた独創性ある表現で、説明に工夫が見られる | 論理的に筋の通った説明ができており、説明の表現も適切である | 説明が不足、あるいは教科書等の文章を誤って引用した説明が多い |
【知識の修得】 | 課題解決に必要な、基
本的な公式や定理を理
解し、自在に使いこな
すことができる | 課題解決に必要な、基本的な公式や定理をある程度理解している | 課題解決に必要な、基
本的な公式や定理の理
解が不足している |
【課題】 | 与えられた課題に自ら取り組み、解答を用いならがら知識の修得に努めている | 課題に取り組み、解答を行い足りない知識を把握できる | 課題への取り組みが不十分である |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
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教育方法等
概要:
物質の性質や変化をエネルギーと関連させて熱力学を扱う。先ず気体分子運動論を展開するなかで、気体分子の運動エネルギーについて理解し、エネルギーの量的な関係を表す熱力学第一法則への導入を図る。さらに熱力学第二法則を化学反応や自然界に起こる現象を例示しながら、変化の方向が法則性をもっていることを考察する。
授業の進め方と授業内容・方法: 他の専門科目の理解に欠かせない重要な科目なので、基礎固めの学習を徹底的に行って欲しい。課題は必ず提出することが必須である。これらの課題は進路を決定する段階の復習に役に立つので、必ず自筆のコピーを作成し、活用してほしい。
授業の進め方・方法:
他の専門科目の理解に欠かせない重要な科目なので、基礎固めの学習を徹底的に行って欲しい。課題は必ず提出することが必須である。これらの課題は進路を決定する段階の復習に役に立つので、必ず自筆のコピーを作成し、活用してほしい。
注意点:
[関連科目]
3年次の基礎化学工学、4年次の物理化学、構造解析学、物質構造化学、5年次の基礎電子化学、吸着工学などの科目との関連が深い。物理化学は他の専門教科の基礎となるので、その都度関連付けて進めていきたい。教科書については物理化学IIでも引き続き用いる。
[学習指針]
物理化学は化学全般にわたる通則を論ずる学問なので、あやふやな知識の理解にとどまらないよう基礎は徹底的に理解できるようにする。この学年では、化学熱力学の十分な理解のもとに、諸現象に対して巨視的なエネルギー論の展開ができる力を養う。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
物理化学の学び方 |
物理化学で学ぶ内容を概観し、その勉強の仕方にヒントを与える。
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2週 |
物質の三態と分子のボルツマン分布 |
物質の構成と物質の三態、分子のボルツマン分布について理解させる。
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3週 |
理想気体の状態方程式 |
理想気体の法則と状態方程式を理解させ、気体定数を扱えるようにする。
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4週 |
実在気体の状態方程式 |
標準大気圧と実在気体の状態方程式、Boyle温度を理解させる。
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5週 |
気体の液化と臨界点 |
臨界定数の意味とそのファンデルワールス定数との関係を理解させる。
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6週 |
気体分子の運動 |
気体分子の運動の自由度と気体分子運動論の基本公式を理解させる。
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7週 |
気体分子運動論と理想気体の状態方程式 |
理想気体の法則を気体分子運動論を用いて導出できるようにする。
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8週 |
前期中間試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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2ndQ |
9週 |
気体分子の根平均二乗速度 |
エネルギー均分則と気体分子の根平均二乗の速さを理解させる。
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10週 |
マクスウエル・ボルツマンの分布式 |
Maxwell-Boltzmannの式から気体分子の速さを算出できるようにする。
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11週 |
気体分子の平均速度と最大確率速度 |
気体分子の平均の速さと最大確率の速さを算出できるようにする。
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12週 |
気体分子の平均自由行程と衝突数 |
気体分子の平均自由行程と衝突数を算出できるようにする。
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13週 |
液体の表面張力と粘性 |
液体の表面張力と粘性の特徴を物質の三態との関係で理解させる。
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14週 |
熱力学 |
熱力学の意味と関係する用語を理解させる。
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15週 |
熱力学第一法則 |
熱力学第一法則とP-V仕事、可逆過程について理解させる。
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16週 |
前期末試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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後期 |
3rdQ |
1週 |
状態量とEulerの規準 |
Eulerの規準を使って状態量の証明をできるようにする。
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2週 |
膨張仕事と熱量 |
膨張仕事と定積及び定圧下での吸収熱量の計算をできるようにする。
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3週 |
マイヤーの関係式とポアソンの法則 |
マイヤーの関係式と断熱膨張におけるポアソンの法則を理解させる。
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4週 |
定圧反応熱と定積反応熱 |
定圧反応熱と定積反応熱の関係とHessの関係式を理解させる。
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5週 |
キルヒホッフの式 |
Kirchhoffの式、結合及び原子化エネルギーを理解させる。
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6週 |
熱力学第二法則 |
熱力学第二法則とエントロピーを理解させる。
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7週 |
エントロピー |
Clausiusの不等式を理解しエントロピー変化を算出できるようにする。
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8週 |
後期中間試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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4thQ |
9週 |
熱力学的性質の関係式 |
熱力学的性質の基本式とそれらの間の関係式を理解させる。
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10週 |
ジュール・トムソン効果 |
Joule-Thomson効果と断熱膨張を理解させる。
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11週 |
カルノーサイクル |
Carnot cycleと熱機関の効率の求め方を理解させる。
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12週 |
化学ポテンシャル |
化学ポテンシャルの概念を導入し、フガシティーについて理解させる。
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13週 |
熱力学第三法則 |
熱力学第三法則と絶対エントロピーを理解し、応用できるようにする。
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14週 |
ヘルムホルツの自由エネルギー |
クラウジウスの不等式から自由エネルギーの概念について説明する。
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15週 |
ギブズの自由エネルギー |
第二法則で導入した自由エネルギーに関する概念の習熟を図る。
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16週 |
学年末試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 35 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 50 |
専門的能力 | 35 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |