分離工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 分離工学
科目番号 0051 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 板書による講義を行う/〔補助教材・参考書〕「化学工学―解説と演習―(改訂第3 版)」朝倉書店 化学工学会監修 多田豊 編
担当教員 中村 秀美

到達目標

1. 分離工学,吸着現象,吸着平衡関係に関する基礎事項の説明と関連する設計計算ができる。
2. 吸着層吸着に関する基礎事項の説明とそれに関連する設計計算ができる。
3. 分離精製技術に関する説明とそれに関連する計算ができる。
4. 膜分離に関する基礎事項の説明とそれに関連する設計計算ができる。
4. 膜分離の原理を理解し,簡単な膜分離プロセスの設計計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分離に関する単位操作は化学プロセスのみならず,産業界では重要な地位を占めている。本講義では,分離工学の基礎知識を習得し,吸着現象,吸着剤を用いた化学装置の基礎的な設計計算法や膜分離の基礎について学び,その原理を理解する。
授業の進め方・方法:
分離工学の重要性を踏まえ,吸着工学,膜分離を含めた分離工学に関する基礎事項を学ぶ。さらに、吸着現象について解説し,種々の吸着剤の特性について講義するとともに吸着剤を利用した化学装置について,設計計算法などを解説し,基本的な問題の演習を行う。また,膜分離の基礎、膜分離プロセスの概要について解説する.
注意点:
〔関連科目〕
物理化学,化学工学基礎,化学工学Ⅰ,化学工学Ⅱ
〔学習指針〕
現象の数式化,物質移動の考え方等,数学的な取り扱いも多いので,化学工学的な考え方をしっ
かり理解すること。
〔自己学習〕
目標を達成するためには,授業以外にも予習復習を怠らないこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 分離工学の基礎 分離の原理と方法について概説する。
2週 吸着現象および吸着剤 吸着現象の基礎的事項,吸着剤の種類,多孔体について解説する。
3週 吸着平衡 吸着平衡関係について解説し,Henry 式,Langmuir 式,
Freundlich 式による相関方法を理解させる。
4週 回分吸着 回分吸着操作における計算法について理解させる。
5週 イオン交換平衡 イオン交換平衡について解説し,吸着との違いを理解させる。
6週 多成分吸着平衡 多成分系の吸着平衡関係について理解させる。
7週 吸着速度 物質移動現象について解説し,吸着速度の概念を理解させる。
8週 固定層吸着1 固定層における物質移動について解説し,破過曲線について理解させる。
4thQ
9週 固定層吸着2 固定層吸着操作における計算法について理解させる。
10週 クロマトグラフィー1 連続撹拌槽モデル,理論段数,分離効率について解説する。
11週 クロマトグラフィー2 擬似移動相について,その考え方を理解させる。
12週 膜分離1 膜分離の概要について概説する。
13週 膜分離2 膜分離プロセスの概要について解説する。
14週 膜分離3 膜分離プロセスの設計について理解させる。
15週 まとめ 分離工学のまとめを行い,演習を行う.
16週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。3
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。3
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。3
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。3

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力100100