到達目標
単位操作における設計方程式(物質収支,物質移動速度)を導き,それを用いて設計計算ができることを目的とする。
1. Raoultの法則を理解し、気液平衡関係の推算、平衡状態図の作成ができる。Rayleighの式に基づく単蒸留の計算,フラッシュ蒸留塔の設計計算、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の段数計算ができる。
2. ガス吸収の原理、ヘンリーの法則、Fickの法則を理解する。二重境膜説に準拠した物質移動速度の概念を理解し,物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算、HTUとNTUに基づく吸収塔の塔高計算ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | Raoultの法則により気液平衡の推算ができる。Rayleighの式に基づく単蒸留の計算、フラッシュ蒸留塔の設計計算ができる。また、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の理論段数計算ができる。 | Rayleighの式に基づく単蒸留の計算ができる。また、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の理論段数計算ができる。 | 蒸留計算ができない。また、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の理論段数計算ができない。 |
評価項目2 | ガス吸収の原理、ヘンリーの法則、Fickの法則を理解し、二重境膜説に準拠した物質移動速度の概念を理解し,物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算、HTUとNTUに基づく吸収塔の塔高計算ができる。 | 二重境膜説に準拠した物質移動速度の概念を理解し,物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算ができる。 | 物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
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教育方法等
概要:
拡散現象を利用した物質の分離精製装置に関する基本学理を学ぶ。物質収支,移動速度論に基づく装置の設計法と操作法を修得する。
授業の進め方・方法:
工業的によく用いられている単位操作である蒸留、ガス吸収を取り上げ、その基礎である物質収支の概念を解説し,演習により応用力を養成する。
注意点:
関連科目
化学工学基礎, 化学工学I,物理化学
学習指針
講義にあたっては、2年次、3年次及び同学年次に開講されている化学工学系科目と関連づけて進めていきたい。また、重要な式の導出や実際の演習問題では必ず自分自身で導出や回答を行うこと。
自己学習
目標を達成するためには、授業以外にも予習復習を怠らないこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
蒸留の原理 |
蒸留の原理について説明できる。
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2週 |
気液平衡(1) |
理想溶液系の気液平衡(Raoultの法則)について説明できる。
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3週 |
気液平衡(2) |
平衡状態図について説明できる。また、計算により平衡状態図を作成することができる。
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4週 |
単蒸留 |
Rayleighの式の導出と本式を用いて単蒸留の計算ができる。
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5週 |
フラッシュ蒸留 |
物質収支を用いてフラッシュ蒸留の計算ができる。
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6週 |
連続精留(1) |
工業的に使われる精留装置の構造と動作原理を説明できる。
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7週 |
前期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
連続精留(2) |
物質収支から操作線を導出し、階段作図法により精留塔の理論段数の計算ができる。
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2ndQ |
9週 |
連続精留(3) |
連続蒸留における還流比の影響について説明できる。
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10週 |
ガス吸収の原理 |
ガス吸収の原理,理想系の気液平衡、ヘンリーの法則について説明できる。
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11週 |
吸収装置 物質移動速度(1) |
様々な吸収装置について説明できる。Fickの法則について説明できる。
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12週 |
物質移動速度(2) |
二重境膜説,移動抵抗の加成性について説明することができる。
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13週 |
充填塔の設計(1) |
物質収支から操作線を導出し,最小液量を計算することができる。
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14週 |
充填塔の設計(2) |
NTU,HTUについて説明し,塔高を計算することができる。
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 4 | |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 4 | |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 4 | |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 4 | |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 4 | |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 4 | |
錯体の生成について説明できる。 | 4 | |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 4 | |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |