化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 化学工学(改訂第3版)-解説と演習-:化学工学会監修/多田豊編、朝倉書店
担当教員 直江 一光

到達目標

単位操作における設計方程式(物質収支,物質移動速度)を導き,それを用いて設計計算ができることを目的とする。

1. Raoultの法則を理解し、気液平衡関係の推算、平衡状態図の作成ができる。Rayleighの式に基づく単蒸留の計算,フラッシュ蒸留塔の設計計算、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の段数計算ができる。

2. ガス吸収の原理、ヘンリーの法則、Fickの法則を理解する。二重境膜説に準拠した物質移動速度の概念を理解し,物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算、HTUとNTUに基づく吸収塔の塔高計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Raoultの法則により気液平衡の推算ができる。Rayleighの式に基づく単蒸留の計算、フラッシュ蒸留塔の設計計算ができる。また、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の理論段数計算ができる。Rayleighの式に基づく単蒸留の計算ができる。また、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の理論段数計算ができる。蒸留計算ができない。また、McCabe-Thieleの作図解法による精留塔の理論段数計算ができない。
評価項目2ガス吸収の原理、ヘンリーの法則、Fickの法則を理解し、二重境膜説に準拠した物質移動速度の概念を理解し,物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算、HTUとNTUに基づく吸収塔の塔高計算ができる。二重境膜説に準拠した物質移動速度の概念を理解し,物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算ができる。物質収支に基づく吸収塔の塔頂・塔底組成計算、最小液量の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
拡散現象を利用した物質の分離精製装置に関する基本学理を学ぶ。物質収支,移動速度論に基づく装置の設計法と操作法を修得する。
授業の進め方・方法:
工業的によく用いられている単位操作である蒸留、ガス吸収を取り上げ、その基礎である物質収支の概念を解説し,演習により応用力を養成する。
注意点:
関連科目
化学工学基礎, 化学工学I,物理化学
  学習指針
講義にあたっては、2年次、3年次及び同学年次に開講されている化学工学系科目と関連づけて進めていきたい。また、重要な式の導出や実際の演習問題では必ず自分自身で導出や回答を行うこと。
  自己学習
目標を達成するためには、授業以外にも予習復習を怠らないこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 蒸留の原理 蒸留の原理について説明できる。
2週 気液平衡(1) 理想溶液系の気液平衡(Raoultの法則)について説明できる。
3週 気液平衡(2) 平衡状態図について説明できる。また、計算により平衡状態図を作成することができる。
4週 単蒸留 Rayleighの式の導出と本式を用いて単蒸留の計算ができる。
5週 フラッシュ蒸留 物質収支を用いてフラッシュ蒸留の計算ができる。
6週 連続精留(1) 工業的に使われる精留装置の構造と動作原理を説明できる。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 連続精留(2) 物質収支から操作線を導出し、階段作図法により精留塔の理論段数の計算ができる。
2ndQ
9週 連続精留(3) 連続蒸留における還流比の影響について説明できる。
10週 ガス吸収の原理 ガス吸収の原理,理想系の気液平衡、ヘンリーの法則について説明できる。
11週 吸収装置
物質移動速度(1)
様々な吸収装置について説明できる。Fickの法則について説明できる。
12週 物質移動速度(2) 二重境膜説,移動抵抗の加成性について説明することができる。
13週 充填塔の設計(1) 物質収支から操作線を導出し,最小液量を計算することができる。
14週 充填塔の設計(2) NTU,HTUについて説明し,塔高を計算することができる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4前1
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4前4,前6,前9
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4前2,前4,前5,前8
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000