反応有機化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 反応有機化学
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 有機反応のしくみと考え方,出版社講談社 サイエンティフィック,/ ボルハルト・ショアー、ウォーレンなど一般的な有機化学教科書
担当教員 亀井 稔之

到達目標

前期中間試験:1)ハロゲン化アルキル、2)芳香族化合物の反応 3)立体効果、電子効果ついての理解、
前期末試験: 1)アルケン、アルキンの反応 2)アルドール反応 3)アセト酢酸エステル合成

後期中間試験:1)カルボニル化合物を利用した人名反応 2)脱離反応
体条件
学年末試験: 1)カルベンの反応、2)ナイトレンの関与する反応、3)酸化と還元

に関して理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応式を見て反応、反応機構がわかる反応式を見て生成物がわかる反応式を見ても生成物がわからない
評価項目2人名反応がほぼ理解できている人名反応がある程度理解できている人名反応が理解できていない
評価項目3平衡反応の反応機構を酸性度を使って説明できる平衡反応の反応機構を酸性度を使って説明できる平衡反応の反応機構を酸性度を使って説明できる

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化合物の構造から推定できることをまず,理解させ,構造を見ただけで,反応性を予測させる。電
子対を移動させる矢印を用いて,反応の各段階を示すことが出来るように指導する
授業の進め方・方法:
 講義形式で授業を進める。適宜プリントによる演習を組み込み、その課題をレポートとして課す。
注意点:
関連科目
有機化学、有機金属化学
  学習指針
反応の矢印が書けるように、なぜその方向に反応が進むのかを理解しながら学習すること
  自己学習
   適宜、有機化学の演習を行うこと。ボルハルトショアー、ウォーレンなどで該当箇所を学習する
こと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ハロゲン化アルキル SN1、SN2と溶媒の誘電率
2週 ハロゲン化アルキル SN1’SN2’SNi
3週 ハロゲン化アルキル 隣接基関与
4週 芳香族化合物 芳香族求電子置換反応
5週 芳香族化合物 芳香族化合物に関する人名反応
6週 芳香族化合物 芳香族求核置換反応とマイゼンハイマー錯体
7週 試験
8週 返却
2ndQ
9週 アルケン、アルキン 求電子付加の起こり方
10週 アルケン、アルキン ヒドロホウ素化、酸化反応
11週 カルボニル化合物 アルドール反応
12週 カルボニル化合物 アルドール反応
13週 カルボニル化合物 マロン酸エステル合成、アセト酢酸エステル合成
14週 カルボニル化合物 人名反応
15週 試験
16週 返却
後期
3rdQ
1週 カルボニル化合物 人名反応
2週 カルボニル化合物 人名反応
3週 カルボニル化合物 人名反応
4週 カルボニル化合物 人名反応
5週 脱離反応 E1,E2反応
6週 脱離反応 人名反応
7週 試験
8週 返却
4thQ
9週 電子欠損原子上の反応 転位反応
10週 電子欠損原子上の反応 カルベン
11週 電子欠損原子上の反応 ナイトレン
12週 酸化と還元 スワン酸化、遷移金属による酸化
13週 酸化と還元 水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム
14週 酸化と還元 水素による還元とバーチ還元
15週 試験
16週 返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学σ結合とπ結合について説明できる。4後15
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4後15
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4後15
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4後15
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4後15
共鳴構造について説明できる。4後15
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4後15
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4後15
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4後15
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4後15
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4後15
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4後15
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4後15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4後15
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4後15
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70003000100
基礎的能力1000100020
専門的能力4000100050
分野横断的能力2000100030