化学応用工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学応用工学実験Ⅱ
科目番号 0054 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「化学応用工学実験Ⅱ」指針書 奈良高専物質化学工学科編
担当教員 中村 秀美,米田 京平

到達目標

正確な実験データを収集するとともに,講義で学んだ知識や理論を用いてデータを整理・解析できるようにする.
また,実験結果に対する考察を行い,実際の現象を通して生きた知識を身につける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
講義で学んだ理論や知識を実際に応用するために,化学工学Ⅰ,化学工学Ⅱ,微粒子工学,反応工学,分離工学等に関連した実験を行い,実験を通して理論や知識の理解を深める.
授業の進め方・方法:
講義で学んだ理論や知識を確実なものにするために,少人数で実験を行う。毎回,実験レポートを提出させて,担当者とディスカッションを行いさらに理解を深める。また,データの整理法と報告書の作成法を習得する.
注意点:
〔関連科目〕
化学工学基礎,化学工学Ⅰ,Ⅱ,微粒子工学,反応工学,化学反応工学,分離工学
物理化学Ⅰ,Ⅱ,分析化学Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,機器分析,物質化学工学演習
〔学習指針〕
実験前に指針書をよく読んで,理解をしてから実験に取り組むこと.
レポートは期限内に提出し,結果について担当者とディスカッションを実施すること.
〔自己学習〕
実験前に指針書をよく読んで,下調べ,理解をしてから実験に取り組むこと.
実験後のレポート作成にあたり,調査を怠らないこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 安全実験指導及び各実験テーマの説明と注意事項を行う.
2週 気液反応1 撹拌槽における液相酸化反応実験を行い,反応次数・反応速度定数の求め方,及び化学吸収について理解する.
3週 気液反応2 撹拌槽における液相酸化反応実験を行い,反応次数・反応速度定数の求め方,及び化学吸収について理解する.
4週 イオン交換反応1 イオン交換樹脂相中のイオンと溶液中の溶質イオンとのイオン交換平衡をバッチ法及びカラム法により測定し,平衡曲線及び平衡定数を求める。イオン交換の原理を理解する.
5週 イオン交換反応2 イオン交換樹脂相中のイオンと溶液中の溶質イオンとのイオン交換平衡をバッチ法及びカラム法により測定し,平衡曲線及び平衡定数を求める。イオン交換の原理を理解する.
6週 乾燥特性 固体の乾燥実験を行い,乾燥速度・物質移動係数及び伝熱係数を求め,乾燥機構について理解する.
7週 pH電極を用いた滴定曲線の作成 中和滴定における水素イオン濃度をpHメータを用いて測定し,中和滴定における等量点や電離平衡について理解する.また,酸の電離定数を求め文献値と比較検討する.
8週 キレート滴定による重金属イオンの定量1 キレート滴定に用いられる各種金属指示薬の変色を理解し,EDTAを用いるキレート滴定により重金属イオンの定量を行う.
2ndQ
9週 キレート滴定による重金属イオンの定量2 キレート滴定に用いられる各種金属指示薬の変色を理解し,EDTAを用いるキレート滴定により重金属イオンの定量を行う.
10週 汚濁水質の特性 水中の溶解物質の種類・濃度・空気中の酸素の溶解状況によってCODの値がどのように変化するかを実測し,排水処理の条件に関する基礎的理解をする.
11週 液相吸着平衡1 典型的な吸着剤である活性炭およびシリカゲルを用いて,それぞれ酢酸および染料の吸着量を測定し,液相での吸着平衡関係について理解する.
12週 液相吸着平衡2 典型的な吸着剤である活性炭およびシリカゲルを用いて,それぞれ酢酸および染料の吸着量を測定し,液相での吸着平衡関係について理解する.
13週 濡れ壁塔における物質移動 濡れ壁塔を用いて空気の増湿実験を行い,ガス側物質移動
係数を測定し,実験式を作成する.
14週 精留塔特性 2成分系溶液の精留実験を行い,塔の総合効率を求める。
蒸発量,還流比の変化に伴う塔効率の変化をみる.
15週 ディスカッション 各実験テーマについてディスカッションを行う.
16週 ディスカッション 各実験テーマについてディスカッションを行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。3
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。3
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。3

評価割合

実験レポート実験への取り組み姿勢質疑応答合計
総合評価割合602020000100
基礎的能力602020000100