物質化学工学実験Ⅳ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物質化学工学実験Ⅳ
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:「実験指針書」奈良高専物質化学工学科 編 /補助教材・参考書:「化学工学実験」産業図書 東畑平一郎・城塚 正・小島和夫 著
担当教員 直江 一光,石丸 裕士,林 啓太

到達目標

1. 生物化学及び化学工学に関する実験技術・データの解析法を体得する。
2. 実験結果に対して適切な考察を行えるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
全般実験準備や片付けを含む実験のルール及びレポートの提出のルールが遵守され、かつ、試問・レポート提出が完了している。実験準備や片付けを含む実験のルール及びレポートの提出のルールが遵守できていないこともあるが、試問・レポート提出が完了している。実験準備や片付けを含む実験のルール及びレポートの提出のルールを破ることが多く、訂正するよう指摘を受けたにも関わらず訂正されていない。試問を受けていない。
概論中心となる反応、何を測定して何を観測するのか、測定精度や重要な測定結果などについて、的確に記述されている。中心となる反応、何を測定して何を観測するのか、測定精度や重要な測定結果などについて、概ね記述されている。中心となる反応、何を測定して何を観測するのか、測定精度や重要な測定結果などについて、記述されていない事項が目立つ。
方法実験が再現できるよう的確に文章で記述されている。実験が概ね再現できるよう概ね記述されている。間違いが目立ち、実験の再現困難である。
結果の説明計算結果の導出過程が単位と共に明確に示され、適切な図表を用いて漏れなく説明されている。考察すべき実験結果について、細大漏らさず的確に言葉で説明されている。計算結果の導出過程が示され、図表を用いて漏れなくまとめられている。考察すべき実験結果について、概ね説明されている。実験結果を表示するのに必要な図表が不足している。
図表図表タイトル、表の項目・単位、図の軸タイトル・単位・マークなどについて、エクセルなどのソフトを用いて的確に示されている。図表タイトル、表の項目・単位、図の軸タイトル・単位・マークなどについて、エクセルなどのソフトを用いて概ね示されており、指摘を受けてすべて訂正されている。図表のルールが数多く破られている。
考察実験結果について、定量的に比較・検討されて特徴付けられており、それに基づいた考察が科学的知識に基づいて、独自の視点から的確な文字数でなされている。実験結果について、比較・検討され、それに基づいた考察が科学的知識と共になされている。考察という項目を作成していても、実験結果について、比較・検討がなされていない。科学的知識と結びつけた説明ができていない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物化学及び化学工学に関連した講義で得た知識を確実なものにするために,少人数で実験を行 う。実験レポートの作成や担当教員とのディスカッションを通じて,生物化学及び化学工学への理解 を深める。また,データの整理法と報告書の作成法についても修得する。
授業の進め方・方法:
講義で得た知識を実際に応用するには,確実な知識と深い理解が必要である。生物化学及び化学工 学に関連した基礎的な実験を行い,実験を通して理解を深める。
注意点:
関連科目
生物化学・生物機能化学・基礎生物化学工学・微生物工学・固体化学・化学工学基礎・ 物質化学工学演習・化学工学I・化学工学II・微粒子工学
学習指針
実験を行う前に必ず予習し,自ら実験データを収集・整理・解析を行うこと。
自己学習
 実験の前に実験手順を予習するのはもちろん,用いる薬品・実験背景についても学習しておく こと。
未提出レポートがある場合や実験態度が著しく悪い場合などの場合,評価は 60 点未満とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 1 実験テーマの概観・履修上の留意点について理解する。
2週 ガイダンス 2 各実験テーマの内容・予習事項などについて理解する。
3週 吸光度による比色分析 吸光度から水道水中の鉄イオン濃度を決定できる。
4週 2 次反応速度定数の測定 エステルの加水分解反応の様子を伝導度計で観測し反応速度定数を決定できる。
5週 反応速度の酵素濃度依存性 酵素濃度を変化させたとき,基質分解反応の反応速度を吸光度によって決定できる。
6週 反応速度の基質濃度依存性 酵素濃度を変化させたとき,基質分解反応の反応速度を吸光度によって決定できる。
7週 酵素反応の阻害 基質濃度を変化させ,阻害剤を加えたとき,基質分解反応
の反応速度を吸光度によって決定できる。
8週 塩析によるタンパク質の分離 塩析法によりアルブミンとグロブリンを分離できる。
2ndQ
9週 単一球の終端速度 流体中を落下する単一球の終端速度を測定し,抵抗係数を
求めることができる。
10週 円管内の摩擦圧力損失 円管内の摩擦圧力損失を測定し,摩擦係数とレイノルズ数
の関係を求めることができる。
11週 管路の圧力損失 拡大,収縮,エルボにおける圧力損失を測定し,抵抗係数を求める。
12週 オリフィス流出係数 オリフィス流量計の検定を行い,その流出係数を求めることができる。
13週 ポアズイユ流れ 粘性流れの理論を用いて水の粘度を測定し,文献値と比較検討することができる。
14週 熱伝導度の測定 金属棒の温度分布から熱伝導度を求め,併せて定数決定法を習得する。
15週 ディスカッション 1 各実験テーマについてディスカッションを行うことができる。
16週 ディスカッション 2 各実験テーマについてディスカッションを行うことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。3前10,前11,前12,前13
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。3
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。3前13,前14
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。3
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。3
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。3前8
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。3
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。3
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。3前5,前6,前7

評価割合

レポート・試問実験準備・取り組み合計
総合評価割合7030100
専門的能力7030100