有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 クライン 有機化学上 東京化学同人、David R. Klein
担当教員 宇田 亮子

到達目標

1)化学反応性と反応機構の理解
2)置換反応の理解
3)アルケンの脱離反応の理解
4)アルケンへの付加反応の理解
5)アルキンの反応への理解
6)ラジカル反応の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応性を理解し、反応機構を書き表すことができる反応性と反応機構を理解できる反応性と反応機構を理解できない
評価項目2置換反応を理解し、適切な反応条件を選ぶとともに生成物を予測できる。置換反応の反応性を理解できる。置換反応の反応性を理解できない。
評価項目3アルケンの構造を理解し、脱離による適切な合成方法を選ぶことができる。アルケンの構造と、その脱離による合成方法を理解できる。アルケンの構造と、その脱離による合成方法を理解できない。
評価項目4アルケンへの付加反応を理解し、生成物を予測できる。アルケンへの付加反応を理解できる。アルケンへの付加反応を理解できない。
評価項目5アルキンの反応性と性質を理解できる。アルキン特有の反応を理解できる。アルキン特有の反応を理解できない。
評価項目6ラジカル反応を理解し、反応機構を書き表すことができる。ラジカル反応とその反応機構を理解できる。ラジカル反応とその反応機構を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本学科の専門科目を受講してゆく上で必要となる有機化学の基礎を学ぶ。また、反応・構造・物性・生成方法を通し、有機化学の考え方を身につけることを目的とし、有機化合物の構造、物性、生成方法などに関する講義を行ってゆく。各化合物特有の反応についても掘り下げてゆく。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である。小テストやレポート課題も交えつつ、各自の理解度を確認する。また、定期試験返却時に解説を行い、理解が不十分な点を解消する。
注意点:
関連科目
一般化学演習Ⅲ、有機化学Ⅰ
学習指針
有機化学は積み重ねが特に大切な学問である。毎回の講義内容を理解していないと、新しい分野を学習しても身につかないことが多い。復習に力を入れて学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学反応性と反応機構 反応に伴う熱力学的変化を理解する。
2週 化学反応性と反応機構 エネルギー図の読み方を理解する。
3週 化学反応性と反応機構 求核剤や求電子剤を理解する。
4週 化学反応性と反応機構 巻矢印の書き方を理解する。
5週 置換反応 SN2機構を理解する。
6週 置換反応 SN1機構を理解する。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
2ndQ
9週 置換反応 SN1とSN2の優先する機構を理解する。
10週 置換反応 SN1とSN2の優先する機構を理解する。
11週 アルケンの構造 アルケンの命名を理解する。
12週 アルケンの構造 アルケンの立体異性を理解する。
13週 脱離によるアルケンの合成 E2機構を理解する
14週 脱離によるアルケンの合成 E1機構を理解する
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
後期
3rdQ
1週 アルケンへの付加反応 ハロゲン化水素の付加反応を理解する。
2週 アルケンへの付加反応 ヒドロホウ素化反応を理解する。
3週 アルケンへの付加反応 接触水素化反応を理解する。
4週 アルケンへの付加反応 ハロゲン化反応を理解する。
5週 アルキン アルキンの命名を理解する。
6週 アルキン エーテルの特徴と反応性を理解する。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する
4thQ
9週 アルキン アルキンの反応を理解する。
10週 アルキン アルキンの反応を理解する。
11週 ラジカル反応 ラジカル反応機構を理解する。
12週 ラジカル反応 ラジカル反応機構を理解する。
13週 ラジカル反応 ラジカルハロゲン化反応の立体化学を理解する。
14週 ラジカル反応 ラジカル付加反応を理解する。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3前1,前2,後6
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3前1,前2,前6,後6
σ結合とπ結合について説明できる。3前2,前6,後4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3前2,前6,後4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3前2,前4,後4,後6,後12
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前2,前4,前6,後4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3前1,前10,後4
共鳴構造について説明できる。3前2,前10,後4,後12
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3前5
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3後13,後14
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3後10
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3後10
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3後10
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3前1,前3,前6,前9,前13,後1,後9,後10
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3前1,前3,前6,前9,後2,後11
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3前3,前4,前5,前11,前12,前14,後3,後11
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800010010100
基礎的能力0000000
専門的能力800010010100
分野横断的能力0000000