エレクトロニクス概論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 エレクトロニクス概論
科目番号 0060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「電気・電子概論」 (伊里正夫 監修、実教出版)
担当教員 押田 至啓

到達目標

以下の項目について,その原理や内容を理解したうえで、実際に応用できることを目標とする。
①キルヒホッフ則による直流回路解析、②電気計測(平衡回路、演算増幅器を用いた電流・電圧測定)と演算増幅器を用いた応用回路、③電流による磁界の発生と電磁誘導、電磁力を応用したデバイスの作動原理と応用、④コンデンサとのおよび電気化学電池の原理(ファラデー則および自由エネルギ変化と起電力)
⑤導電体の性質とバンド構造および半導体素子の性質(整流作用と増幅作用)⑥交流波と正弦波交流回路、インピーダンスおよびその周波数依存性、⑦ブール代数と基本論理演算回路、信号処理への論理回路の応用⑧デジタルアナログ相互変換とサンプリング定理およびデジタル信号の性質⑨コンピュータのハードウェアのソフトウェアの種類と役割、⑩デジタル通信網(インターネット)のしくみとネットワークサーヒスのなりたち

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
キルヒホッフ則による直流回路解析キルヒホッフ則を用いて複雑な直流回路解析を行うことができる。キルヒホッフ則を用いて比較的小規模の直流回路解析を行うことができる。キルヒホッフ則を理解しておらず、直流回路解析ができない。
電気計測変位法と平衡法の違いを理解している。また、演算増幅器を用いた回路の解析と応用回路の作成ができる。変位法と平衡法の違いを理解している。また、演算増幅器を用いた応用回路を解析ができる。変位法と平衡法の違いを理解していない。また、演算増幅器を用いた回路の解析ができない。
コンピュータとネットワークコンピュータとネットワークについて、ハードとソフトの相違点を理解している。また、ネットワークサービスの成り立ち理解してそのさー本質比較的簡単な様々な現象に対して、入出力の真理値表を作成し、論理演算素子を用いて対応する論理回路を作成できる。ブール代数を理解しておらず、真理値表を作成できない。また、真理値表から論理回路を描くことができない。
蓄電デバイスコンデンサと電気化学電池の相違点理解し物理化学的立場で,電気化学電池の作動原理を理解している。コンデンサと電気化学電池の相違点理解しているが、物理化学的立場で電気化学電池の作動原理を説明することができない。コンデンサと電気化学電池の相違点が理解できない。
半導体素子バンドモデル用いて、半導体の導電性やダイオードの整流作用、トランジスタの増幅作用を説明できる。また、たれこの素子を用いた基本回路を説明できる。バンドモデル用いて、半導体の導電性やダイオードの整流作用を理解し、これらの素子を用いた基本回路を説明できる。バンドモデル用いて、半導体の導電性やダイオードの整流作用を説明できない。また,異本回路の説明もできない。
交流回路インピーダンスの3成分ベクトル表示して説明できる。また、交流電力や交流波性質の周波数依存性を説明できる。インピーダンスを式を用いて説明できる。また、交流電力や交流波性質の周波数依存性を説明できる。インピーダンスの説明ができない。また、交流電力や交流波性質の周波数依存性を説明できない。
デジタル回路様々な現象に対して、自ら入出力の真理値表を作成し、論理演算素子を用いて対応する論理回路を作成できる。 て、し、比較的簡単な様々な現象に対して、入出力の真理値表を作成し、論理演算素子を用いて対応する論理回路を作成できる。ブール代数を理解しておらず、真理値表を作成できない。また、真理値表から論理回路を描くことができない。
コンピュータとネットワークコンピュータとネットワークについて、ハードとソフトの相違点を理解している。また、ネットワークサービスの成り立ちを認識した上でサービスを利用できる能力を持つ。コンピュータとネットワークについて、ハードとソフトの相違点を認識している。また、ネットワークサービスの成り立ちを理解した上でサービスを利用べきことを認識している。コンピュータとネットワークについて、ハードとソフトの相違点を認識していない。また、ネットワークサービスの成り立ちを認識できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気、電子工学の基礎理論を理解し、電子機器(アナログ回路、デジタル回路)における様々な電子素子の応用例を学ぶとともに、コンピュータを用いたデジタル技術やネットワークシステムの仕組みや応用についても学習する。
授業の進め方・方法:
 身の回りだけでなく、様々な産業分野や研究分野で、多くの電子機器(エレクトロニクス機器)が使用されており、化学技術者・研究者にとって、分析機器や制御システム等に使用される電子機器への理解を深めることは,大きな武器になる。本講義では,座学と演習を通じて、電子機器を構成している電子回路素子の特性や機能を学習し、実践に生かす力を身につける。
注意点:
関連科目
応用物理(3年、4年)、基礎電子化学(5年)と密接に関連する。
 学習指針
「化学の真理を探る場合や化学実験の場において、電気およびエレクトロニクスの知識が役立つよう履修することが重要である。
 自己学習
 復習として教科書の例題と問題は必ず解くように心がけること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電気回路と電子回路,身の回りの電子機器 化学者としての学習目標を設定する
2週 直流回路と回路解析 直流回路素子、オーム則とキルヒホッフの第一、第2法則をを理解し、これらを適用して直流回路を解析できる。
3週 電気計測
電圧測定と電流測定(直接測定とブリッジ回路)
電気測定における偏位法と零位法を理解し、化学計測に適用できる。
4週 演算増幅器と電気計測
反転増幅器、非反転増幅器、差動増幅器、電圧フォロワ
また、演算増幅器を用いた化学計測回路を構築して、その解析と理解ができる。
5週 磁場と静電気(磁石とクーロンの法則)、電流による磁界の発生および電磁誘導
電場と磁場の相互関係について基礎を理解する。
6週 電磁気応用デバイス
モータ、発電機、リレー、変圧器
発電機、トランス等の実用デバイスの原理と性質を理解できる。
7週 蓄電デバイス
静電気とコンデンサ
電気化学電池
コンデンサと電気化学電池の作動原理を説明し、両者の違い説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 抵抗素子と半導体の性質
ダイオードと整流回路、その他の半導体素子(トランジスタ増幅
導体、半導体、絶縁体のバンド構造およびその電気的性質を理解し、ダイオードと整流作用・トランジスタと増幅回路を説明できる。
10週 交流回路
正弦波の周期、周波数、位相およびそのベクトル表示
交流回路とインピーダンス

代表的な交流回路について、インピーダンスの周波数依存性を計算できる。
11週 デジタル回路(論理回路)
ブール代数と論理回路
デジタル回路の基礎を理解し、応用できる。
12週
デジタル信号処理
論理回路素子を用いた応用回路(加算器、記憶素子、コンピュータ制御、信号処理)を解析できる。
13週 コンピュータと計測技術 D/A A/D変換
、サンプリング定理を理解し、コンピュータを用いた計測技術の特徴を理解する。
14週 コンピュータとコンピュータ制御 コンピュータのハードウェアとソフトウエアを理解する。論理回路およびソフトウエアを用いた制御方法の特徴を理解する。
15週 デジタル信号処理と通信技術
デジタル信号伝送(各種規格、伝送速度、エラー訂正等)コンピュータネットワーク
データ通信に関するハードとソフト技術の基礎を理解する。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。4
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。4
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。4
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000