環境化学工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 環境化学工学
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 板書による講義を行う.〔補助教材・参考書〕化学工学―解説と演習―(改訂第3版),化学工学会監修,多田 豊編(朝倉書店),新版 環境工学-持続可能な社会とその創造のために-,住友 恒 他著(理工図書),
担当教員 中村 秀美

到達目標

1.環境問題における物質収支・エネルギー収支について理解する.
2.環境問題における移動現象について理解する.
3.環境問題における単位操作について理解する.
4.環境問題における反応操作について理解する.
5.環境問題におけるリスクアセスメントについて理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1環境問題における物質収支・エネルギー収支に関する問題が解ける。環境問題における物質収支・エネルギー収支に関する簡単な問題が解ける。環境問題における物質収支・エネルギー収支に関する簡単な問題が解けない。
評価項目2環境問題における移動現象に関する問題が解ける。環境問題における移動現象に関する簡単な問題が解ける。環境問題における移動現象に関する簡単な問題が解けない。
評価項目3環境問題における単位操作に関する問題が解ける。環境問題における単位操作に関する簡単な問題が解ける。環境問題における単位操作に関する簡単な問題が解けない。
評価項目4環境問題における反応操作に関する問題が解ける。環境問題における反応操作に関する簡単な問題が解ける。環境問題における反応操作に関する簡単な問題が解けない。
評価項目5環境問題におけるリスクアセスメントに関する問題が解ける。環境問題におけるリスクアセスメントに関する簡単な問題が解ける。環境問題におけるリスクアセスメントに関する簡単な問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工学は豊かな社会を目指した大量生産・大量消費を担ってきたが,結果としてオゾン層の破壊や地球温暖化,大気汚染,水質汚濁や廃棄物処理問題といった環境問題を引き起こした。しかしながら,これらの環境問題を解決できるのもまた化学工学である.この講義では,地球規模や身近な環境問題の現状と原因,対策技術の概要について説明するとともに,環境問題を解決するために化学工学で学んだ様々な単位操作をいかに用いるか,その手法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
今までに学んだ化学プロセスならびにシステムを構成する代表的な単位操作,装置について復習しながら,例題をもとに,環境問題を解決するために化学工学というツールをどのように使いこなすかについて講義する.
注意点:
〔関連科目〕
化学工学基礎,化学工学Ⅰ,化学工学Ⅱ,反応工学,物理化学,分析化学,有機化学,無機化学
〔学習指針〕
地球温暖化、酸性雨、大気汚染、水質汚染、資源問題等の環境問題に今まで学んできた化学工学の知識がどのように生かされ、ツールとしてどのように利用できるのか理解する.
〔自己学習〕
目標を達成するためには,授業以外にも予習復習を怠らないこと.
今まで学んできた化学工学の各講義の復習をすること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境の現状 地球環境の現状と問題点,21世紀への展望について
2週 環境と資源・エネルギー問題 地球の物質循環とエネルギー収支,省エネルギー技術について理解させる.
3週 環境問題における物質収支 地球温暖化問題における物質収支と問題解決法について理解させる.
4週 環境問題におけるエネルギー収支 地球におけるエネルギー収支の考え方と問題解決法について理解させる.
5週 環境問題における移動現象1 地下水汚染物質の流動と問題解決法について理解させる.
6週 環境問題における移動現象2 大気汚染の拡散と問題解決法について理解させる.
7週 環境問題における移動現象3 水質汚染の拡散と問題解決法について理解させる.
8週 環境問題における単位操作1 環境問題への蒸留の利用について理解させる.
2ndQ
9週 環境問題における単位操作2 環境問題への吸収の利用について理解させる.
10週 環境問題における単位操作3 環境問題への抽出の利用について理解させる.
11週 環境問題における単位操作4 環境問題への吸着の利用について理解させる.
12週 環境問題における単位操作5 環境問題への膜分離の利用について理解させる.
13週 環境問題における反応操作1 環境問題への反応操作の利用について理解させる(その1).
14週 環境問題における反応操作2 環境問題への反応操作の利用について理解させる(その2).
15週 環境問題におけるリスクアセスメント リスクアセスメントについてについて理解させる.
16週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000