到達目標
前期中間試験:1)化学ポテンシャルの理解、2)標準生成自由エネルギーをエンタルピーとエントロピーから計算、3)定温定圧下での相平衡の条件とGibbsの相律の証明、4)化学平衡における相数、成分数、自由度、5)気液平衡におけるClausius-Clapeyronの式を理解し、蒸発のモルエンタルピーと沸点の算出、6)理想溶液におけるRaoultの法則の理解と計算、7)Henryの法則の理解と気体の溶解度の算出、8)不揮発性物質を含む溶液の束一的性質と計算、9)沸点上昇度について理解させる.
前期末試験:1)凝固点効果と浸透圧の理解と計算、2)相平衡の習熟、3)化学反応の自発性についての理解、4)一次反応、二次反応、n次反応の反応速度式の展開と速度定数の計算、5)連鎖反応、逐次反応、Michaelis-Mentenの式の理解、6)定常状態法を使った連鎖反応の速度式の展開、7)0次反応の速度式の理解.
後期中間試験:1)活性錯体理論からのEyringの式の展開とArrheniusの式の誘導及び活性化エネルギーの算出、2)物理吸着と化学吸着の特徴の理解、3)Langmuir吸着等温式の理解と吸着量の算出、4)固体表面の比表面積の算出、5)電気化学システムの理解.
学年末試験:1)電極電位と起電力の理解、2)電極/電解液界面の構造と界面導電現象の理解、3)電極反応速度論の理解能力、4)Kohlrauschのイオン独立移動の法則の理解と計算、5)Arrheniusの電離説の理解と電離度の算出、6)イオンの易動度と輸率の理解と計算、7)デバイ‐ヒュッケルの極限式及びイオン強度の理解と計算.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
【論理的思考能力】 | 論理構成が明確であり、かつ自分なりに考えた独創性ある表現で、説明に工夫が見られる | 論理的に筋の通った説明ができており、説明の表現も適切である | 説明が不足、あるいは教科書等の文章を誤って引用した説明が多い |
【知識の修得】 | 課題解決に必要な、基
本的な公式や定理を理
解し、自在に使いこな
すことができる | 課題解決に必要な、基本的な公式や定理をある程度理解している | 課題解決に必要な、基本的な公式や定理の理
解が不足している |
【課題】 | 与えられた課題に自ら取り組み、解答を用いならがら知識の修得に努めている | 課題に取り組み、解答を行い足りない知識を把握できる | 課題への取り組みが不十分である |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
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教育方法等
概要:
平衡状態にある系の熱力学的性質や非平衡状態にある系の変化の方向を議論するうえで、自由エネルギーの概念は重要である。この学年では相平衡、化学平衡、電気化学平衡を扱い、自由エネルギーの有用性を概観しつつ、代表的な化学反応の反応速度論を展開する。
授業の進め方・方法:
専門科目の理解に欠かせない重要な教科なので、基礎固めの学習を徹底してほしい。課題ノートは必ず提出するとともに、保管し、演習用に活用することが肝要である。
注意点:
関連科目
3年次の「物理化学」、3年次の基礎化学工学、4年次の「構造解析学」と「物質構造化学」5年次の基礎電子化学、吸着工学などの科目との関連が深い。
学習指針
物理化学は化学全般にわたる通則を論ずる学問なので、あやふやな知識の理解にとどまることのないよう基礎は徹底的に理解できるようにする。この学年では、自由エネルギーの概念を使って各種平衡状態にある系の熱力学的性質や様々なタイプの化学反応速度論を展開できる力を養う
自己学習
講義での疑問は図書館や書店を利用し、読み解く力を要請する努力をすることが望ましい。自分に合った本を見つけ出す能力を磨かれたい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
化学ポテンシャル /ギブズの相律、相平衡の条件 |
化学ポテンシャルについて復習し、応用できるようにする。/ギブズの相律を理解し、相平衡に応用できるようにする。
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2週 |
相境界の位置 |
クラペイロンの式より、クラウジウス・クラペイロンの式を理解させる。
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3週 |
部分モル量 |
部分モル量について説明し、ギブズデュエムの式について理解させる。
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4週 |
理想溶液 と理想希薄溶液 |
理想溶液とラウールの法則および理想希薄溶液とヘンリーの法則について理解させる。
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5週 |
活量 |
活量について説明し、溶媒と溶質の性質について習熟を図る。
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6週 |
混合の熱力学と束一的性質 |
混合の熱力学と束一的性質について説明する。
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7週 |
蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧理論 |
気体の溶解度と希薄溶液の蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下と浸透圧理論の証明と計算ができるようにする。
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8週 |
前期中間試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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2ndQ |
9週 |
相平衡の状態図 |
気液平衡と固液平衡および溶液と溶液の平衡における状態図の特徴を理解させる。
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10週 |
材料系の状態図I |
材料系の状態図について例を用いて説明し、相図の習熟を図る
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11週 |
材料系の状態図II |
材料系の状態図について例を用いて説明し、相図の習熟を図る
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12週 |
材料系の状態図III |
材料系の状態図について例を用いて説明し、相図の習熟を図る
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13週 |
⊿rG と化学反応 |
⊿rG と化学反応の自発性及び平衡定数との関係を理解させる。
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14週 |
反応速度 |
反応速度論の基礎を理解させる。
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15週 |
2 次反応の速度式 |
2 次反応の速度式を導出できるようにする。
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16週 |
前期末試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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後期 |
3rdQ |
1週 |
n 次反応、0 次反応、半減期 |
n 次反応0 次反応の速度式を導出できるようにし、半減期を理解させる。
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2週 |
可逆反応、連鎖反応 |
可逆反応の速度論と連鎖反応の基礎を理解させる。
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3週 |
連鎖反応の速度式 |
代表的な連鎖反応について速度式を導出できるようにし、定常状態近似による反応速度論について理解を深めさせる。
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4週 |
ミカエリス・メンテンの式 |
ミカエリス・メンテンの式を誘導し、応用できるようにする。
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5週 |
アレニウスの式 |
活性錯体理論でアイリングの式とアレニウスの式を導出できるようにする。
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6週 |
吸着等温式 |
物理吸着と化学吸着の特徴を理解させる。
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7週 |
電気化学概説 |
電気化学の概要について説明する。
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8週 |
後期中間試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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4thQ |
9週 |
電解質溶液の性質 |
電解質溶液におけるイオンの役割と移動度について理解させる。
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10週 |
イオンの輸率、イオン強度 |
イオンの輸率を理解させる。また、イオン強度とデバイ・ヒュッケルの極限式について理解させ、計算できるようにする。
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11週 |
電極/電解液界面の構造と界面動電現象 |
電気二重層、電気浸透および電気泳動などの電極界面での動電現象について理解させる。
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12週 |
電気化学セル、ネルンストの式 |
電極電位、起電力の意味と求め方を理解させる。
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13週 |
電極反応の速度 |
ファラデーの法則と電極反応の速度式を理解させる。
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14週 |
光電気化学I |
半導体電極の特徴について習熟する。
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15週 |
光電気化学II |
光照射下での光電気化学反応について理解させる。
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16週 |
学年末試験 |
試験後テスト返却、テスト直し
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 放射線の種類と性質を説明できる。 | 4 | 後1 |
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。 | 4 | 後1 |
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。 | 4 | 後1 |
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。 | 4 | 後1 |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前9,前10,前11,前12 |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 4 | 前9,前10,前11,前12 |
束一的性質を説明できる。 | 4 | 前6 |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 4 | 前7 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 4 | 前7 |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前4,前5 |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 4 | 前1,前13 |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 4 | 前13 |
均一および不均一反応の平衡を説明できる。 | 4 | 前13,後6 |
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 4 | 前14 |
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。 | 4 | 前14,前15,後1 |
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。 | 4 | 後1 |
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。 | 4 | 後2,後3,後4 |
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。 | 4 | 後3,後4 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 4 | 後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 35 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 50 |
専門的能力 | 35 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |