固体化学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 固体化学
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書  『アトキンス物理化学』上・下巻 東京化学同人
参考資料 『バーロー物理化学』下巻 G. M. Barrow 著、大門 寛・堂免 一成 訳 東京化学同人
     『West 固体化学』基礎と応用 A. R. ウエスト・著 後藤孝/武田保雄/君塚昇/菅野了次/池田攻/吉川信一/角野広平/加藤将樹・訳 講談社サイエンティフィック
担当教員 片倉 勝己

到達目標

1.電子対反発則と分子の構造、分子の対称性と対称性の記号、対称性と分子の性質、対称要素と対称操作などについて説明できる。
2.可約表現と既約表現の関係、分子軌道の名称などについて説明できる。可約表現の簡約化や指標表に基づく自由度の計算ができる。
3.結晶系とブラベ格子、格子面とブラッグの法則が説明できる。充填率、格子定数、面間隔の計算ができる。
4.結晶構造の特徴がパーソンの記号を用いるなどして説明できる。構造因子に基づいて様々な単位胞の消滅条件、ポーリングの法則に基づいて限界半径比や静電結合強度の和が求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標項目1目標項目が完全に説明できる。目標項目が概ね説明できる。目標項目が殆ど説明できない。
到達目標項目2目標項目が完全に説明・計算できる。目標項目が概ね説明・計算できる。目標項目が殆ど説明・計算できない。
到達目標項目3目標項目が完全に説明・計算できる。目標項目が概ね説明・計算できる。目標項目が殆ど説明・計算できない。
到達目標項目4目標項目が完全に説明・計算できる。目標項目が概ね説明・計算できる。目標項目が殆ど説明・計算できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
対称性について学んだ後、結晶構造の分類や三次元周期構造について学び、X線回折法の原理と解析法について体得する。主たる結晶構造の特徴や用途について学び、結晶構造に関する実験データから様々な物性が算出できるようになる。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を説明すると共に、グループで学習内容について説明し合う時間や演習課題に取り組む時間も設ける。(遠隔授業中にはグループ学習が実施できない可能性あり)
注意点:
事前学習・・・あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、。理解できるところ、理解できないところを明らかにしておく。
授業中・・・グループ討議は勿論、課題にも能動的かつ積極的に取り組むことが必要である。
事後展開学習・・・課題で理解ができていなかった点を中心に復習すると共に、教科書の問題を自分で解いて、理解することを心がける。

学修単位の履修上の注意

自学自習の程度を、教科書の問題、講義中に課す課題の完成度と提出状況で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(電子対反発則と分子の構造) 電子対反発則を用いて分子の構造を立体的に描ける。
2週 分子の対称性と対称性の記号 分子構造の対称要素が説明でき、シェーンフリース記号で説明できる。
3週 対称性と分子の性質、対称要素と対称操作 分子構造から極性や光学活性の有無が説明できる。対称要素と対称操作の関係が説明できる。
4週 可約表現と既約表現 可約表現と既約表現の関係について説明でき、可約表現を簡約化できる。
5週 指標表の活用 指標表を活用して、分子の全自由度や振動の自由度について、分子の対称種で説明できる。
6週 分子軌道の名称 分子軌道の名称がその対称性に基づいて命名できる。
7週 中間試験 試験問題に関して正しく解答することができる。
8週 試験返却 理解が不十分な点が解消できる。
2ndQ
9週 結晶系とブラベ格子と充填率
7つの結晶系やブラベ格子について対称性の観点から説明ができ、単原子からなる立方格子の充填率が求められる。
10週 格子面とブラッグの法則
二次元、三次元格子面のミラー指数が説明でき、ブラッグ条件を用いるなどして格子定数の計算や面間隔の計算ができる。
11週 X線回折と結晶構造因子 X線の発生と原子によるX線の散乱現象を理解し、結晶によるX線の回折現象と結晶構造因子との関係を説明できる。
12週 消滅則の計算と応用 構造因子に基づいて様々な結晶の消滅条件を求めたり、X線回折データから結晶格子の特定や格子定数の算出ができる。
13週 ポーリングの法則と限界半径比 ポーリングの法則に基づいて限界半径比が求められる。
14週 様々な結晶構造とパーソンの記号、静電結合強度の和
A:X=1:1,1:2,複合酸化物の結晶構造の特徴が説明でき、静電結合強度の和が求められる。また、代表的な結晶についてその空間群を国際表記で表せる。
15週 期末試験
試験問題に関して正しく解答することができる。
16週 試験返却 理解が不十分な点が解消できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学金属結合の形成について理解できる。4前1
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4前12

評価割合

試験課題討論合計
総合評価割合603010100
専門的能力603010100